『ナターシャ通信』は、ウクライナに住むナターシャがお届けするコラム。ユニークな日本語はナターシャの個性としてご理解いただければ幸いです。以下はナターシャの寄稿です。
皆さん、フランスとかイタリアとかドイツとかよく旅行しますよね。近頃は穴場スポットを探す観光客が増えています。たとえばフランスにいったら、みんなが行かないところを探しています。今日は、非常に知られていない「穴場だらけ」の国について書きたいと思います。モルドバ共和国という国をご存じですか? 旧ソ連の国のひとつで、ウクライナとルーマニアの間に挟まっている国です。
・ウクライナに近いのにゼンゼン違う!
実は私は、2014年9月に2週間モルドバへ行って来ました。ウクライナからとても近い国なのに、同じロシア語が通じるのに、文化や雰囲気はゼンゼン違って、モルドバがすごく好きになったので、皆さんにも紹介しよう思います。
・モルドバといったら~、ワイン!
モルドバはどこへ行っても、ブドウ畑ばっかりです。なので、ブドウが美味しくて安いワインがどこにでも売っています。もちろん、ピンからキリまでのワインがありますが、1000円でとても風味のよいワインボトルが買えます(300円のワインもあれば、5万円からのボトルもあります)。
そして9月の中旬になんと、ワイン祭りがありまして、地元の人はもちろん、海外からの観光客も来る見逃せない祭りです。絶対お勧めします! 町の中心部にはすべてのワイン醸造所がお店を出して、無料で試飲が出来ます。もちろん最後に一番気にいったワインを買えます。私が一番好きだったのは、「ムスト」とよばれる新ぶどう酒でした。しぼり立ての果汁みたいな感じで、女性にかなり人気があります。
・ワインといったら~、個人酒蔵!
モルドバの知りあいの田舎の家に何軒か行った時に、みんな個人で自分の酒蔵を持っていました! 地下室に小さな酒蔵を持つというのはモルドバでは普通です。自分の畑でぶどうを育てて、ワインを作って、酒蔵においてあります。樽からワインを入れてもらって、ごちそうしてもらったのです。最高におしいいいいいいいいいかったです!
・酒蔵といったら~、世界で一番長い酒蔵のトンネル
2007年のギネス世界記録によると、モルドバには世界でもっとも長い酒蔵があるといわれています。首都キシナウからおよそ30キロしか離れてない、「ミレシチ・ミチ酒蔵」です。この地下酒蔵の長さはなんと250キロ! 中にはボトルが200万本置いてあります。酒蔵が長すぎて、車で観光しないと、全部は見られません。そして、ツアーの最後にもっとも嬉しいのは、美味しいワインの試飲でした~。
・ワインといったら~、祭り! 祭りといったら~「トリンタ」! モルドバの面白い競技「トリンタ」
モルドバへ行った時に、ちょうど首都キシナウの広場で「首都祭り」があって、とても面白い競技を見ました。それは「トリンタ」でした。トリンタはモルドバ語で「戦い」という意味です。簡単でいうと、柔道とレスリングに近い競技のひとつです。
この競技は昔からある伝統的な競技のひとつ。お祭りの時に半分遊びでトリンタをやったり、その一方で兵士が体を鍛えるための方法でした。お祭りの時に優勝者はウサギか羊か鶏などをもらっていました。なので、現在もお祭りの時に同じように賞金をうけます。1位の人は羊をもらったら、大きくて迷惑ですよね~(笑)。参加者は祭りに来ているお客さんで、初心者もいれば、長年レスリングをやっているスポーツ選手もいます。地元の人にすごく人気があります!
・人々はすごく優しかったです!
モルドバの人々は本当にお客さんが大好きです。家にお客さんが来ると、どんどん美味しい料理が出ます。たとえば、私が知りあいの家に行った時に、沢山の伝統的な料理をごちそうしてもらいました。食卓が壊れるぐらい、色んな料理が並んでいます。その中でもっとも伝統的なのは、「ママリーガ」と呼ばれるとうもろこしがゆです。ママリーガの切り方も独特で、糸で切られています! そして、ママリーガのトッピングもいろいろあります。たとえば、チーズとサワークリームのやわらかぁぁい感じとか、豚肉と一緒だったらちょっと固めですごく美味しかったです。
・モルドバといったら~、行ってみないと分からない国!
「モルドバはどんな国だったのか」を簡単に答えると、「モルドバには綺麗な景色、美味しい料理、美味しいワイン、優しい人々が住んでいる国でした!」です。たしかに、ヨーロッパみたいにそこまで発展していないですが、いいホテルやいいレストランもあり、治安やサービスも悪くなかったです。そのうえ物価が安く、素朴な感じが最高です!
Report:ナターシャ
Photo:Rocketnews24
▼トリンタの映像
http://youtu.be/TcFwvZObyD4