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災害救助に革命が起きる! 最大5キロの通信距離を誇るハイブリッド探知機「ヒトココ」が本当にスゴイ

2014年10月18日

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近年、自然災害による被害が深刻化している。災害対策は、国民の誰もが備えなければならない課題である。特に被災者の発見は、存命に関わる問題。救助の鍵はスピードといっても良いだろう。スマホの普及により、GPS(全地球測位網)でいち早く発見ができるようになったとはいえ、まだまだ精度は高いと言えない。

そんななか、災害救助に革命をもたらす探知機が登場した。オーセンティックジャパン社が開発した「ヒトココ」は、行方不明者や認知症介護の分野で威力を発揮するに違いない。最大5キロの通信距離を誇り、なおかつ電池寿命が長くて軽量であるため、これから家庭の必需品となるかもしれない。

・すでに企業・行政で導入

ヒトココは、2014年10月15~17日に開催された「危機管理産業展」に出品されていた。同社は日建リース工業と提携しており、すでに企業や行政の間で業務リースを開始している。企業の防災シェルターに常備したり、介護福祉用品のレンタル業者での取り扱いが始まっているのである。

・迷子をすぐに発見できる

この製品は、親機で子機の場所を把握するというもの。たとえば、子どもに携行させておけば、ショッピングモールや遊園地で仮に迷子になっても、子どものいる場所を方向と距離で把握することができる。

・最大5キロの通信距離

製品最大の特徴は、その精度である。スマホのGPS機能を利用して、自分の現在地を確認したことがある人も多いと思う。かなり不確かな位置を表示された覚えはないだろうか? その点、この製品は親機と子機の間の通信が、驚くほど正確だ。しかもその通信距離が驚くほど長い。障害物のない見通しの良い場所であれば、最大で5キロメートルも通信が可能である。

・毎日充電しなくていい

ヘリコプターやラジコンヘリなどで上空から子機を探すこともできる。広範囲や土砂災害が発生しても、迅速に子機を携行した人を発見できる可能性が飛躍的に上がる。また電池も長持ちで、待機状態であれば親機は6カ月、子機は1カ月充電不要だ。最近ウェアラブル端末で現在地を把握できるものが登場しているのだが、残念ながら毎日充電を要する。その点においても、ヒトココは長けているのだ。

・1度に複数の子機を発見

親機と子機は1対1のペアリングだけではなく、複数の子機を1台の親機で管理することもできる。また「サーチALL機能」を使えば、近くにある子機のすべてを発見することも可能だ。これにより、1度に複数の人の所在がわからなくなっても、子機の場所を手掛かりにして捜索することもできるだろう。

・見守りモードで徘徊防止

もうひとつ「見守りモード」を搭載したモデルは、認知症のお年寄りの安全確保に威力を発揮する。認知症のお年寄りの徘徊もまた深刻な問題となっている。もし行方がわからなくなっても、この製品を持っていれば、迅速に発見できるだろう。このモデルの見守りモードを使用すれば、親機と子機が設定した距離を離れると、アラームが鳴るようにすることが可能だ。

・2つのモデル

仮に建物から外に出たとしたら、アラームが鳴り始めて建物から出たその瞬間に所在を確認でき、深夜徘徊による事故を未然に防ぐのに役立つ。ただしこのモデルは、サーチALL機能を使用することができない。また親機子機ともに連続使用は1カ月間となっている。災害対策向きのモデルと、徘徊感知向きのモデルは異なるので注意して頂きたい。

いずれにしても、スマホのGPS機能では不十分であった部分を補って余りある能力を持つ、ヒトココ。これからの災害救助の分野で、能力を発揮するに違いない。この機器がいち早く普及することを願うばかりだ。

参考リンク:ヒトココ
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼これが「ヒトココ」。左は親機で右が子機

▼親機が子機までの距離と方向を示す

▼「サーチALL機能」を使うと、一度に複数の子機を発見することも可能


▼ラジコンヘリに搭載して、行方不明者発見に役立てることができる


▼見守りモードを搭載したモデル

▼見守りモードは、あらかじめ設定した親機と子機の距離を超えると、アラームが鳴る

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