あなたは道に落ちている1円を拾うだろうか? 「1円を笑うものは、1円に泣く」という言葉を知っていても、わざわざ立ち止まって拾う人はあまり多くないかもしれない。
しかし今回お伝えしたいのは、10年間コツコツ町中の小銭を拾い集め、ノラ猫のために寄付した男性の話だ。その額、約230万円! 10年間の歳月を思うとちょっと気が遠くなるが、やはり「ちりも積もれば山となる」のである!!
・地域のノラ猫のために小銭集め
米フロリダ州マナティ群に暮らす69歳のリック・スナイダーさん。動物好きで、地域のノラ猫の面倒を見てきた彼はある日、町のいたる所に小銭が落ちていることに気が付いたという。
以来スナイダーさんは、10年間ほぼ毎日休まずに町中の小銭集めるようになったのだ。何のために? 地域のノラ猫のお世話に役立てるためだ!
・自動販売機の釣り銭口などから小銭を回収
毎朝4時に家を出て、スナイダーさんが回るのは、自動販売機の釣り銭口や、アメリカの町で見かける自動車車内用の大型掃除機など。車内に落ちている小銭に気づかずに掃除機で吸い上げてしまう人が多いようで、ダストボックスを探ると小銭が見つかることが多いらしい。
もちろんダストボックスの中は、ゴミだらけだ。でも、スナイダーさんは気にしない。
・リサイクルでもお金を作っている
小銭集めの他にも、ペットボトルなどのリサイクルでもお金を収集しているということで、毎朝の収穫は平均5.6ドル(約600円)。住民の中には、彼の毎朝の日課に良い顔をしない人もいるという。
それでも、スナイダーさんは気にしない。地域のノラ猫のためにコツコツお金を集め続けたのだ。
・2万1000ドル以上(約230万円)も集まった!
そして訪れた、2014年9月30日。ついに小銭たちに命が宿る日がやってきた! ノラ猫のために全ての小銭を寄付する日がやってきたのだ!!
スナイダーさんと数名のボランティアは手分けして、全ての小銭を地元の銀行に持ち込み、総額2万1495ドル(約230万円)にもなったそのお金を動物保護団体「ガルフ・ショア・アニマル・リーグ」の口座に全額寄付したのである。
保護団体の代表シェリル・ウェイドさんは、「今回のスナイダーさんからの寄付を大変嬉しく思います。これで、たくさんの猫を助けることができます」と語っていた。
・「何歳になっても地域貢献ができる」との信念の元に
小銭を拾い集めているからといって、スナイダーさんは決して貧しいわけではないようだ。マンション48部屋を所有しており、借り主が置いていった家具などをリサイクルに売っては、寄付金に充てるなんてこともしていたという。
そして、69歳という結構な高齢でもある彼。なぜ朝4時に起きてまで、このような大変な仕事を続けているのだろうか? その理由をスナイダーさんはこう語っている。
「私たち、引退した後の高齢者は、自分のことだけに関心を持ちすぎている気がします。もっと他のことに目を向けて、他人のために貢献してもいいのではないかと思うんです。」
今回の寄付は、スナイダーさんにとってのゴールではなく、まだまだ社会とノラ猫のために活動を続けていくということだ。
たかが小銭と侮っても、お金はお金。今回のように230万円ものお金があれば、助かる命も多い。一度にたくさんでなくても、このようにコツコツと自分でできることをやっていけば、何かの役に立つことができるはずだ。
参照元: Facebook、Herald Tribune、ABC Action News(英語)
執筆:小千谷サチ
▼すごい小銭の量だ!
▼地域のノラ猫を気にかけるスナイダーさん
▼小銭を集めるスナイダーさんの姿
▼この子も、今回の小銭寄付に参加していたんだって