みなさんは「トランスジェンダー」という言葉をご存じだろうか? これは、生まれ持った性とは異なる性別を自認している人やグループを指す言葉。男性として生まれながら女性の心を持っている人や、逆に女性なのに男性の心を持っている人たちのことだ。
今回はそんなトランスジェンダーにまつわる感動的な話をお届けしたい。体は男性なのに女性の心を持った高校生、つまりトランスジェンダーである1人の高校生を助けるために、クラスメイトが一致団結して立ち上がったのである。現在、世界中で感動を呼んでいるストーリーは、以下の通りだ。
・ブラジルの高校生
その高校生とは、ブラジル・リオデジャネイロに住むマリア・ムニーズさん。生まれた時は、マリオ・ムニーズと呼ばれていた。名前を見れば察しがつく人もいるだろうが、体は男性、心は女性のトランスジェンダーである。
本記事では、本人の意思を尊重するために「彼女」「マリアさん」と記載したい。
・スカートをはいて学校へ
新学期が始まった時、マリアさんは大きな決断をした。それは、スカートをはいて学校へ行くこと。それまではズボンをはいていたマリアさんだが、その格好でいる時、いつも「抑圧されている」と感じていたという。そこで、ありのままの自分をさらけ出すために、彼女は勇気ある行動をとったのだ。
・教師がマリアさんの行動をとがめる
だがしかし! それに反対したのが、学校の教師。学校側は、マリアさんの格好が校則に違反するとして、ズボンで登校させようとした。おまけにスカートをはいて登校したことで、罰則が課せられることに……。
・クラスメイトが一致団結
その9日後、変化が起きた。なんと、男子生徒15名がスカートを穿いて学校に来たのである。スカートで登校するマリアさんを後押しするため、ズボンを穿かせようとする学校側に抗議するため、クラスメイトが立ち上がったのだ!
・ネットにも飛び火
この動きは、ネット上にも飛び火。Twitter では「#VoudeSaia」というハッシュタグが作られ、このケースが紹介されることに。すると……「素晴らしい少年たちだ」「よくやった!」「ブラボー!」などマリアさんとクラスメイトを応援するコメントで溢れることになった。
・学校側は撤回
このような事態になり学校側は、マリアさんの性別に関する事情を知らなかったとして、「ズボンをはかせよう」とするそれまでの方針を撤回。おまけに、校則が見直されることになったそうだ。
ちなみに、今回の件に関してマリアさんはこうコメントしている。「このケースが、正しいことをしようとする人たちに勇気を与える一例になればうれしいです。私はいつも学校で “自分自身を受け入れなさい” と教えられてきました。私はただそれを実践していきます」と。
参照元:Twitter @virasorovirtua、Elite Daily、orange news(英語)
執筆:和才雄一郎
▼スカートをはいて登校してきたクラスメイト。写真はネット上で拡散中