台湾南部の高雄市で、2014年7月31日の深夜から翌8月1日未明にかけて、広範囲で大規模な爆発が複数回発生した。市街地を通る配管に、石油化学原料のガスが漏れ、これに引火して大規模爆発が起きたと見られている。
引火による爆発は2~3キロの範囲にわたっていると見られ、この被害で24人が死亡、約250人がけがをしたと報じられている。爆発のその瞬間をとらえた車載映像が公開されている。それを見ると、相次いで火の手が上がる様子や、ドライバーの混乱がつぶさに垣間見え、背筋に冷たいものを感じるのだ。
・信号待ちの向こうで爆発
YouTubeで公開されている映像には、録画時刻が表示されている。それを見ると、時刻は「2014/7/31-12:16:29」となっている。そこから約2分間映像は続いている。友達か知人を乗せたドライバーは信号待ちをしている。すると、前方の交差点の向こう側で突然ボンッ! と爆発音が響き、激しい煙が立ち上がるのだ。
・激しく火の手が上がる
はっきりは見えないのだが、車の右方向で激しく火の手が上がったらしく、にわかに周囲は昼間のような明るさになる。その光景に戦慄し、車は急きょ来た道を戻ることに。ところが……。
・ガス爆発と知らない
方向転換してしばらくすると、再び火柱に遭遇。さらに方向転換して安全な場所を探して、車を走らせるのである。すでに報じられている通りに、これがガス爆発によるものであると、動画の視聴者は知っているのだが、このときドライバーたちはそのことを知らないはずである。
・もしも爆発の場所にいたら……
したがって、何が起きているかわからないまま、次第に追い詰められるような気持ちになったかもしれない。もしも自分がその場にいたら、うろたえて怖気づき、車のハンドルを握ることもままならなかったかもしれない。幸いだったのは、あの爆発した場所に彼らの車がいなかったこと。もしあの場所にいたら、車もろとも……。本当におそろしい事故だ。
参照元:YouTube、朝日新聞
執筆:佐藤英典
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