ロケットニュース24

【西新宿ラーメン紀行】古き良き中華そばの味を頑なに守り続ける創業60年の老舗「中華そば光来」

2014年7月29日

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東京都新宿区にある「新宿大ガード」と呼ばれる界隈には、驚くべき数のラーメン・つけ麺店が存在する。その一つひとつを隈なく探索するのが、この「西新宿ラーメン紀行」である。

今回ご紹介するのは、昭和28年創業。あの界隈で指折りの長い歴史を持つ中華そばのお店「光来」である。ラーメン激戦区で次々と新しいお店が誕生するなかで、老舗の味を頑なに守り、絶大の人気を誇る名店。激戦区の礎をきずいたお店といっても過言ではないだろう。

・製麺所直営店

このお店がもっとも特徴的なのは、製麺所の直営店ということではないだろうか。東京・中野区沼袋にあるフジキン光来が、お店の運営を行っている。老舗であると同時に、直営店ならではの安心感が長年支持を集めているのだろう。

・混み合い昼時を避けて

昼時は混み合うので昼を少しずらした時間、14時にお店を訪ねた。お店はカウンターのみ11席。想像した通り席は結構空いていて、数人の客がラーメンをすすっている。券売機でご奉仕品と書かれたの「特・中華そば」と、「パリッと餃子」を購入。お店の人が「いらっしゃい」とも言ってくれなかったのだが、空いた席についてカウンターの上に食券を置いた。

・食券を確認してもらえない?

カウンターのなかには、年配男性がひとり。この人が大将だろうか? 何やら慌ただしく、仕込みや片付けを行っている。カウンターの上に置いた食券は確認してもらえただろうか? 気になったのだが、しばらくそのままで待つことにした。

・時間がゆっくりと流れる

店内には古めかしい歌謡曲が有線放送で流れている。強めの冷房がきいていて、外の暑さを一瞬忘れさせてくれるのだが、厨房の熱気が時折客席側にも流れてくる。きっとカウンターのなかは別世界なのではないだろうか。特に最近は猛暑が続いている。推定50台後半の大将の歳を考えると、カウンターのなかに立ち続けるのは大変なのではないだろうか。そんなことを考えている間にも、他の客が出入りしている。私(記者)がカウンターに置いた食券はそのまま。

・懐かしの鳴門巻き

そろそろ声をかけた方が良いのだろうか……。10分くらいが経過した当りで突然大将が、「お待ち」と中華そばを提供してくれた。なんだ、作ってくれてたのか。そう思いながら、丼を受けとり、続けて餃子の皿を受け取った。丼のなかを見ると、昔馴染みの具材に気持ちが和む。黄色が鮮やかなゆで玉子、今ではあまり見ることのなくなった鳴門巻き。大き目の焼きノリが存在感を主張している。

・柔らかく優しい

スープが鶏ベースのしょう油で、ほんのりとした甘さがある。これこそ中華そばというお手本のような味で、全体的に丸みのある味わいである。麺は、もっちりとした中太麺でほんのり柔らかいスープと良く合っている。柔らかなスープの味わいに、同じ調子で柔らかな食感の麺。全体的に、古き良きゆったりとした時代を感じさせる優しい味で統一されている。何より、煮玉子ではなく、ゆで玉子がトッピングされていることに心が和む。

奇をてらったお店が増え続けるなかで、こうして頑なに王道を守っているお店が支持されるのも頷ける。これぞ中華そば! を味わうのに、持って来いの老舗である。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 中華そば 光来
住所 東京都新宿区西新宿7-14-14
時間 11:00~21:00
定休日 日・祝

Report: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24

▼看板メニューの東京・中華そば。増税後にこの値段は本当に良心的

▼今回オーダーしたのは、ご奉仕品の特・中華そば


▼スープは鶏ガラベースのしょう油。中華そばのお手本とも呼べる色と、柔らかい甘さを感じる味

▼麺は、スープと響き合うような柔らかい食感

▼ワンタンが入っているのはちょっとうれしい

▼餃子は、パリッとした食感の焼き餃子にするか、モッチリした食感を楽しめる水餃子にするか悩む

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