2014年4月5日アイルランド・ミース州の古い教会で、新婦レアーと新郎クリスは家族友人に見守られながら、結婚式を執り行っていた。
式は粛々と進み、これから2人の誓いを宣言する場面。レイ・ケリー神父が演台の前に立ち、今まさに言葉を放つであると思われたその瞬間、2人が想像もしない事態が起きたのである。きっとその場にいたら、誰でもポカーンとなってしまうに違いない。だが、次第に胸が熱くなってなぜか涙が流れそうになる。とても感動的なサプライズが起きたのである。
・「歌いますけど」
2人は教会から十数キロ離れた場所にあるホテルで、披露宴を行うことになっていた。式を挙げるのにふさわしい場所として、レイ神父の務める教会を選んでいたのである。
式の2日前にリハーサルが行われ、レイ神父は2人にこう話していたのだ。「たぶん、(式で)歌いますけど」と。新婦は冗談を聞いているような感じで、「もちろん、いいです」と笑顔で応えたそうだ。2人はこのとき、レイ神父がどのタイミングで歌い出すかを確認していなかった。
・新郎新婦はポカーン
さあ、これから誓いの言葉、というタイミングでレイ神父はいきなりBGMをバックに歌い始めたのである。曲はレナード・コーエンの『ハレルヤ』だ。新郎新婦は一体何が始まったのか、まったく理解できずにポカーンと見守るばかり。参列者も状況をイマイチ理解できない様子だった。
・胸を打つ歌声に感動
ところが、レイ神父の歌唱力は凄まじく、最初は驚きで口を開けていたはずが、その美声に圧倒されてしまっているのである。実際彼ののびやかで力強い歌声は心に響く。2人を祝福する気持ちがひしひしと伝わってきて、感動せずにはいられないのである。まさに胸を打つ歌声である。
はじめは「神父どうしたの?」と、若干ざわついていた参列者も、最後は賞賛の拍手と共に立ち上がる人の姿もあった。それにしても、神父の穏やかな見た目を裏切る美声。ステキやんッ!