現在北極点に向けて、無補給単独徒歩でチャレンジしている冒険家の荻田泰永氏。10日目(2014年3月17日)の定期連絡が日本の事務局に入ったので、現在の状況についてお伝えしたい。
・荻田氏からの定期連絡(日本時間 3月17日 11:39)
現在地: 北緯83度26分 西経77度48分
この日の移動距離: 6.2キロ
天候: 晴れ
気温: マイナス40度
・移動距離がさらにのびる
冒険が始まって10日が過ぎた。どうやら荻田氏は完全に冒険生活に適応したようである。その証拠に、今回の報告が今まで一番移動距離が長く、6.2kmも距離をのばしている。日照時間がさらに長くなり、本人の体調も良好であるため、かなり順調に進行していると考えられる。
・気温はさらに下がっている
ただ、気温はこれまででもっとも低いマイナス40度に達している。日本は随分春めいてきたのだが、北極は春の訪れはまだ遠いようだ。
・ウォータースカイが報せるリードの可能性
今回の報告で、荻田氏は気になる気象現象を発見している。それは西の方角に「ウォータースカイ」があらわれたというのだ。北極海のように広範囲に氷が張っていると、通常は太陽光が氷に反射して、雲は白く見えるそうである。もしも、行く先に氷が張っていないとすれば、雲は白く見えない。これをウォータースカイという。つまり、大規模なリード(氷の亀裂)が発生している可能性があるということになる。
はたして、この先大規模なリードに遭遇してしまうことになるのだろうか? この先、カヌーを活用する機会があるかもしれない。
情報提供: 荻田泰永 北極点事務局
参照元: 荻田泰永公式ブログ
執筆: 佐藤英典
▼2014年3月17日現在の荻田氏のおおまかな位置
▼カナダ環境省が公開している北極周辺の衛星写真。赤い点が荻田氏のおおまかな位置(2014年3月17日の画像)
▼冒険中の行動食。ナッツも貴重な栄養源