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以前、韓国政府がユネスコに「キムチとキムジャン文化」を無形文化遺産(世界無形遺産)に申請したと報じられた。審査結果は2013年12月に判明する予定だったが、その後、韓国国内では「無形文化遺産登録は確実」と報じられ、大いに盛り上がったそうだ。

しかし、ここにきて、ユネスコが「キムチが無形文化遺産に登録は間違い」であるとし、韓国側に警告をしていたことが判明。さらに「間違った情報が商業利用される恐れがある」と苦言を呈しているというのだ。

・キムチとキムジャン文化

韓国で無形文化遺産候補と報じられたのは「キムチとキムジャン文化」だ。キムチとは、ご存知のとおり唐辛子やニンニクなど複数のスパイスでつけた野菜の漬物、とくに白菜のものが有名だ。

そしてキムジャン文化とは、キムチの漬け込み行事のこと。韓国で本格的な冬を迎えるまでに一斉に大量の越冬用キムチを漬ける、言わば、韓国の冬の風物詩だ。

この韓国人のソウルを揺さぶる食べ物とイベントがユネスコの無形文化遺産への登録確実と韓国で報じられていた。

・韓国「キムチも無形文化遺産へ」→ユネスコ「特定の食品を登録することはない」

無形文化遺産とは、ユネスコが民族文化財、口承伝統、伝統行事などの無形のものの保護と継承を目的とするもの。日本でも歌舞伎や雅楽、祇園祭の山鉾行事が登録されている。

「キムチ」のように具体的な食べ物が登録された例は見られないため、海外でも注目されていた。だが、先日、ユネスコが「特定の食品を無形文化遺産にすることはない」という立場を明らかにしたのだという。

・ユネスコが懸念「キムチが人類の遺産と知られれば商業利用される恐れ」

韓国報道によると、ユネスコが登録候補としてあげているのは「キムジャン文化」のみであり、キムチそのものは含まれていないとのこと。

にもかかわらず、韓国側が「キムチも登録確実」としたことに対し、ユネスコは「キムチが人類の遺産であるかのように知られれば商業利用される恐れがある」と懸念を示しているそうだ。

・ユネスコ「間違った情報を流し続ければ『キムジャン文化』の登録も困難」

さらに、ユネスコは、「韓国が間違った情報を流し続け、商業利用されたと認められた場合、キムジャン文化の無形文化遺産登録そのものも困難になる」と警告しているという。

これを受け、韓国の文化財庁は「キムジャン文化にとってキムチは重要なポイントだったので『キムチとキムジャン文化』と記載した」と弁明。ホームページの内容を「キムジャン文化が登録候補」と改めたそうだ。

果たして今回の騒動は、有力視されていた「キムジャン文化」の登録に影響を与えてしまうのだろうか? キムジャン文化の無形文化遺産への登録の可否は、12月2日~8日にアゼルバイジャンで行われる「第8回無形文化遺産委員会」で決定するそうだ。

参照元:stooMBC NEWS(韓国語)
Photo:Rocketnews24.