ニューヨーク・ヤンキースでは、長髪や口元以外のヒゲが禁止されている。イチロー選手が蓄えていたヒゲをきれいに剃ったのも、その規則があるからだ。そういった背景もあり、「ヤンキースは紳士的な球団」というイメージを持っている人も多いだろう。
しかし、紳士球団にも悪者はいるもの。なんと試合中にもかかわらず、盗みを働いた選手がいたぞ。少年相手でも容赦なしに盗んだ様子はしっかりTVカメラでとらえられており、動画「Mattingly snags fan’s popcorn」で確認することが可能だ!
・目にも止まらぬ早業
時は1992年9月16日、ニューヨーク・ヤンキース vs シカゴ・ホワイトソックスの試合で事件は起きた。犯行時間はものの数秒。TVカメラが気づいた時には犯行後であり、彼は観客席に向けて「ありがとよ」的なジェスチャーをしているぞ! 一体、何を盗んだというのだ!?
・犯人は少年のいる観客席に近づいた選手
動画では、打者のティム・レインズ選手の打ったボールが一塁内野席浅めの場所へ飛び、ボールを追って観客席に近づく一塁手のマッティングリー選手のシーンが映し出される。この時点で犯人はおわかりかもしれないが、唯一少年と接触できた人物……そう、犯人は彼だ。続けて流れるリプレイでその様子をご確認していただきたい。
・犯行現場
リプレイだと犯行現場が実にわかりやすい。観客の視線がファールボールに奪われている隙に、最前列にいる少年へと忍び寄る犯人の姿が鮮明に映し出される。少年が持ったポップコーンへスッと手を伸ばし……任務完了だ。そして満足した犯人のマッティングリー選手は、ジェスチャーを混ぜつつ定位置に戻るのだった。
・紳士的犯行!?
この一連の動きに実況席は大笑い。気づいたらポップコーンを盗まれていた少年は、明らかに不満そうな表情を浮かべ、首をひねって怒りをにじませるが、なぜだかほのぼのしてしまう光景でもある。それにしても、スマートにやっているところに紳士的要素を感じてしまうのは気のせいだろうか。
ちなみにポップコーン泥棒をしたマッティングリー選手は、現在52歳でロサンゼルス・ドジャースの監督を務めている。現役時は1982〜1995年までヤンキース一筋で活躍し、つけていた背番号「23」は永久欠番となったほどの実力者でもある。ポップコーンを盗まれた少年は、今では自慢話にしているかもしれない。