日本でも非常に人気が高い、モチモチした耳と薄い生地が特徴的な『ナポリピッツァ』。世界的に有名な料理であり、本場イタリア・ナポリだけでなく国内でも「真のナポリピッツァ協会日本支部」という機関が設けられ、ナポリピッツァの普及活動が行われている。
そんな「真のナポリピッツァ協会」に認定された美味しいナポリピッツァを出すお店は「真のナポリピッツァ協会認定店」となり、ナポリの道化師「プルチネッラ」がピッツァを焼いているデザインのマーク使用を使うことができる。
日本にも認定を受けた店が多数あるのだが、そのなかでもリーズナブルな値段でカジュアルに「真のナポリピッツァ」を楽しめるのが、関東をメインに出店しているチェーンのピッツェリア『マルデナポリ』だ。
・コースもお得
記者が訪れた大泉学園店では、もっともリーズナブルなものだとパン・前菜・ピッツァ・ドリンク・デザートがついて1980円からとお得な値段でコースを楽しむことができる。ピッツァも定番のマルゲリータはもちろん、数種類から選べるシステムが実にうれしい。
注文したのは2名で「パン・温菜・前菜3種盛り・ピッツァまたはパスタ2種類・ドリンク・デザート」のコース。温菜は小エビやヤングコーン、ししとうのフリット。前菜は小アジのカルピオーネ(南蛮漬け)、ピクルス、モルタデッラの三種類だ。味についてはどれもコスパを考えると、十分納得できるものである。
・ピッツァの味は
メインはプチトマトがのったマルゲリータの『ポモドリーニ』と、たくさんのキノコがのったトマトソース味のピッツァを注文。なぜか2枚同時に出てきたのはご愛嬌だが、肝心のお味はどうだろうか? 早速パクッと食べてみると……。
美味しい。普通のイタリアンチェーンからするとズバ抜けた美味しさなのだが、これが「真のナポリピッツァ」と言われると「真のナポリピッツァって何なんだろう」と考えさせられてしまう味である。客側からすると「真のナポリピッツァ」は究極のピッツァと勘違いしがちだが、そうではないのだ。
・「真のナポリピッツァ協会認定店」とは一定レベル以上の店を知る指標?
記者は数軒の「真のナポリピッツァ協会認定店」を体験してきたが、どこも味にバラつきがあり、美味しく感じる度合いについても正直店によってかなり違うと思った。ただ、ひとつだけ言えるのは、「認定店であればある程度のレベルのピッツァが食べられる」ということ。これだけは間違いない。
しかし、「真のナポリピッツァ協会認定店」でなければ美味しくないのかといえば決してそうではない。たとえば何度か紹介した熊本の名店『イルフォルノドーロ』や、東京・東銀座の『ヴォメロ』は一般の認定店に勝るとも劣らない絶品のピッツァを提供するお店だし、大阪の『ガレリア』は国産の強力粉を100%使用した美味しいピッツァを提供する、異色の名店である。
とはいえ、グルメ口コミサイトで絶大な評価を受けている人気の協会認定店も存在する23区西部の某エリアにあるピッツェリアは、2回行ったがなんだか出来損ないのソースやオイルでビショビショになった生焼けパンピザみたいなものを出していた場合もあるし、認定が一定以上のレベルを保障するものであることは間違いない。
・「真のナポリピッツァ協会認定店」を客側から考える
認定されるには試験はもちろん焼成や具材などの厳格な決まりもあり、簡単に受けられるものではない。今回訪問したマルデナポリも絶品というわけではないものの、「ナポリピッツァに興味を持つきっかけ」や「リーズナブルで美味しいピッツェリア」という位置づけであれば納得できる。
「真のナポリピッツァ協会」は認定店でなくてはダメということを公言しているわけではないし、認定店以外のピッツァ職人が参加できる大会なども開催している。ぜひ「真のナポリピッツァ協会認定店」に行き本場の味を確かめ、「ナポリピッツァってこんなに美味しいんだ!」と思ったら、認定店・非認定店問わずナポリピッツァの食べ歩きをすると面白いかもしれないぞ。