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【写真あり】アップルストアに並んでたら荷物盗まれた → ホームレスが持ってた「お前すげえラッキーだよ!」→ 返してもらった

2012年12月27日

tashiroyoyogikouen

2013年1月2日販売予定のアップル福袋「ラッキーバッグ」を購入するために、東京・渋谷アップルストア前に並んでいる田代さん。今朝(12月27日)の6時45分頃に起床すると、イスやカバンはもちろん、靴までもが行方不明になっていたという。

その悲劇の出来事は過去に掲載した記事『アップルストアに福袋を買うため並んでたら荷物が行方不明に』をお読みいただきたい。

はたして荷物はどこへ消えたのか? ふと気になった私(記者)は、田代さん本人から詳しい事情を聞いてから渋谷の街を探してみた。アップルストア周辺には落ちていない。次に代々木公園に向かってみた。

すると……な、な、なんと! 探索開始から約5分後。いとも簡単にアッサリと、それらしき荷物を発見してしまったのである!!

・田代さんのイスで、知らない男性が気持ちよさそうにグースカ寝ていた

風は寒いが太陽ポカポカの代々木公園。「なんてのどかなんだ……」とひとり言をつぶやきつつ、代々木公園内のベンチで缶コーヒーなんぞを飲んでいると……視線の先に、とても気持ちよさそうに寝ている男性が見えた。リクライニング式のイスを傾け、ひなたぼっこしつつグッスリ寝ているのだ。

「なんて気持ちよさそうなんだ……」と少し羨ましく思いながら近寄ってみると、なにやら見覚えのあるモノが見えた。田代さんが持っていたモノと同じタイプの「アウトドア用の充電式ポータブル電源」である。薄汚れたノートパソコンと接続されており、どうやら充電中のようす。奇遇なこともあるもんだ……と思っていたが、次の瞬間、新たな事実が判明する。

・そのほかの荷物も……全部あった!

男性が寝ているリクライニング式のイスをよくよく見てみると、田代さんが使っていたモノと色・形が同じなのだ。さらにさらによく見ると、男性の傍らには田代さんが持っていたカバンと同じ色・柄のカバンが置かれており、その中には、田代さんが履いていたブーツと同じ色・カタチのブーツが入っているではないか!

あまりにも田代さんの紛失物と似すぎている。この男性を疑いたくはないが、素通りするには後悔するレベルで似ているのだ。とても気持ちよさそうに寝ていたこともあり、申し訳ないなとは思いつつ、私は静かに「あの、すみません……」と話しかけてみた。すると、予想だにしない事実が判明したのである!(次のページへ続く)

(写真、文=GO羽鳥


▼盗まれる前のようす(渋谷アップルストア前)

▼盗まれた後のようす(渋谷アップルストア前)

▼ホームレスさんの寝床

気持ちよさそうにリクライニング式のイスで寝ていたホームレス男性。私(記者)と彼の会話は以下のとおりである。録音データをもとに忠実に再現してみた。

・私と男性の会話

――お休み中すみません! ちょっとお伺いしたいことがあるのですが……。

男「はい?」

――今、渋谷のアップルストアっていうお店の前で、数日前から私の友人が行列で徹夜で並んでいるんですね……。

男「ふんふん」

――で、今朝方、朝起きたら、イスとカバンとクツなどが無くなっていたということで……とても困っているということで……いま私、このあたりをウロウロしながら探していたんですけども……。

男「はぁはぁ、うんうん」

――あそこにあるバッテリーとですね、そのカバンと、その中にチラリと見えるブーツと……。

男「うんうん」

――あの、このイスがですね……友人が持っているものと同じモノなんですね……。

男「ははーん」

――あの、友人、寝ていたんですね。で、横に置いていたみたいなので、捨ててあるものだと思われて誰かに拾われたのかなと……。

男「ははん、ははん」

――で、もしもですね、もし、もし、もし、もし友人が持っていたものがこれらだったとしたら、持って帰りたいのですが……。

(しばし沈黙)

男「それのこと言ってんだべ?(と、バッテリーを指差す)」

――はい! そのバッテリーと……。

男「あのイスか。(少しボロいイスを指差す)」

――あ、いや、あれではなくて、いま座っていらっしゃるそのイス……。

男「(驚きながら)ああ、こっちかァ!」

――はい……。

男「これがほしいんか」

――!? え、あ、あとクツと、カバンと……。

(しばし沈黙)

男「……だいたい話は見えたよ」

――!?

男「……ツレじゃないかな」

――!? えっ……?

男「ツレのじゃないかな」

――ツ、ツレの……!?

男「わかんない? わかんないっか」

――……!?

男「(ここに)持ってきたやつ、知ってる」

――……!!

(しばし沈黙)

男「……あの、おまえ……いや、知らないからさ、あなたのこと……」

――はい

男「出すのは簡単だけどさ。めちゃ簡単だよ、出すのは。これを。今その話を信用しなきゃいけないからさ」

――あっ、誰かがここに持ってきたという話なんですね?

男「うん」

――けっ、今朝、今朝に……。

男「うん、それは事実だ。俺も認めるよ」

――はい。

男「うん。なんかの縁だべ。持ってけっ……持ってってくれよ」

――あっ、いいんですか!

男「うん、いいよ。(持ってきたやつに)あとで言っとくって。怒っとかなきゃいけねえべな、うん」

――はい! はい!

男「うん、わかったよ。これ、そうだろ?(と、カバンを持ちながら)」

――はい!

男「おー、そうだろ?」

――はい! あとクツ……。

男「これだべ! そうだべ?」

――はい! それです!

男「これ、そうなんだ。おかしいなって思ったんだよ。なんでこんなもん置いてくんだと思ったんだよ。ああ、そうか。そういうことだったのか。これだべ?」

(田代さんのカバンの中には、すでに他のモノがたくさん入っていたが、それらをジャラーっと地面にぶちまけながら)

男「他に何が入ってた?」

――あの、ブルーシートとか……。

男「これだべ?」

――そうだと思います!

男「(カバンに詰めて)あー、おめぇ、よかったなァ!」

――はい! すみませんなんか……。

男「おめェ、マジ、よかったよ!」

――はい! きっと、どこかに落ちているかと……。

男「落ちてたみたいだよ! ああ、そう! おまえ、それ、すっげーラッキーだよ!」

――はい! ほんとすみません!

男「ラッキーだよ! ああ、そう、ラッキーだよ!」

――よかったです……。

男「よかったよ! よかったよ! なんか(ここに持ってきたツレの行動が)おかしいなって思ったんだよ! そうか、そうか!」

――よかったです……。

男「ごめんな。怒っとくから。ちゃんと。おう。……ビックリしたべや?」

――はい! 友人が一番ビックリしたみたいで……。

男「だよなぁ! なんかおかしいと思ったんだよ」

――私も、なんかいきなり話しかけたりしてスミマセン!

男「いやいや。おかしいとおもったんだよ! なんか、おっかしーなぁと思ったんだよ」

――はい。

男「おっかしーなぁって思ったんだよ」

――すみません、ほんとに……。

男「いえいえ」

――すみません……。

男「俺らホームレスだよ。そんなもんだよ」

――すみませんすみません!

男「うん。(私の話を)信用はしてみるよ。たしかに今朝、(ツレの行動が)ちょっとおかしーなぁって思ったんだよ」

――はい!

男「あとで怒っておくから。ちゃんと。あと、(田代さんに)謝っておいて。ほんとに。申し訳ないなって」

――はい!

男「俺の朝の記憶があるから、うん。いいんじゃねえかって。うん。うん、まあいいや。がんばって」

――はい!

男「あなたの話、信じてみるよ。ウン」

――はい。では、どうも! ありがとうございました。さようなら!

男「うん、そいつ(田代さん)に謝っておいて。ほんとに」

――はい! 伝えておきます! さようなら!

……というような感じである。つまり、「ツレ」という何者かが就寝中の田代さんの横に置いてあった荷物一式を今朝方に持ち去り、代々木公園の男性のもとへ朝に置いてきた。男性は「なんかおかしいな」と思いつつ、そのままバッテリーでノートPCを充電しつつ、リクライニング式のイスで寝てしまった……ということだったらしいのである。

その後、私はすぐに田代さんに「見つかったよ!」とメールで一報を送り、そのまま彼の元へ荷物一式を届けた。田代さんは「えっ? えっ! ど、どこにあったんですかっ!? しかも見つかるの早すぎますよ!」とビックリしまくりながらも、愛用のブーツやカバンなどが戻ってきたことを喜んでいた。

ここは世界的にも安全とされる日本の東京である。しかしながら、たとえ日本でも、そこに何かが「置いてあったら」何者かに持ち去られる危険性があることは忘れてはならない。所持品の自己管理には十分に気をつけたいものだ。

(写真、文=GO羽鳥

▲田代さんに荷物を届けるGO記者。(この写真は田代さんが撮影)

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日本, 東京都渋谷区神南2丁目1 都道413号線
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