最近は「世界一の朝食」や「朝食の女王」などをうたっている店がブームだが、もし本当にそこで食べる朝食がベストだと思っている人がいたらぜひ熊本県にある『バイエルン』というレストランに行ってみてほしい。

なぜならばココではドイツの農業協会が主催する、1887年から100年以上も続く加工食品の品質協議会(DLG)で何回もメダルを獲得したハムやソーセージを焼きたてのパンとともにいただく、本当の意味での「最高の朝食」を体験することができるからだ。

『バイエルン』があるのは熊本市から真東に位置する「南阿蘇村」というところ。ココでは酪農や畜産がさかんで、バイエルンで提供するハムやソーセージを作っている『阿蘇ナチュラル・Jファーム』の工房や、観光客や地元の人で賑わう観光農園がたくさんある。

お店のホームページを見てみると朝11時からの営業と書いており、グルメ口コミサイトでは朝9時半からの営業と書いてあったのでお店に電話したところ、「9時からでも予約は大丈夫ですよ」とのこと。予約すれば朝からでも入店は可能なようだ。(要確認だが)

まるで欧州の庭のような道路を通り、ドイツのデリカテッセン風の可愛らしいお店へ到着。なかに入るとこれもまた素朴で雰囲気の良いインテリアで、どこかホッとする作りになっていた。お店のおススメはやはりパンが付いたソーセージとハムの盛り合わせとのことなので、盛り合わせと生ハムのサラダ、コーヒーを注文することに。

数分後生ハムサラダが到着。見た目はブーケレタスの上に生ハムとオニオンがのった非常にシンプルなものだが、まず香りが今まで食べてきた生ハムとはまったく違う。ここまで燻製の薫り高い生ハムはあっただろうか…? というか生ハムはココまで良い香りがするものだということに軽いショックを受けた。

「普通のサラダですよ!」というフェイントから来る、食べなくても分かる「極上の香り」でボディーブロー。そして一口食べたら分かる「芳醇な豚肉の旨味と丁度良い塩気」で完全にノックダウンしてしまった。ウマすぎます。

ようやく正気に戻れたころ、焼きたての香ばしいパンとハムの盛り合わせが。うーん、パンもしっかりと焼かれていてとっても美味しい。そしてやっぱりスゴいのがハムとソーセージ。こんなにスゴいものを食べてしまったら、スーパーで売っているハムとソーセージは本当にハムとソーセージと呼んでいいのか分からなくなってしまった。

もちろんどのハムも素晴らしいのだが、もっとも衝撃を受けたのがDLGで銀メダルを獲得した『ロースハム』。コレも見た目はまったく普通のロースハムなのだが、とにかく香り・旨味・塩気のバランスが段違いすぎる。写真や文章ではなかなか伝わらないと思うが、きっと食べたことのある人ならみんな納得してくれる感想だと思う。

焼きたてのパンとともに食べる最高のハムやソーセージ…そして食後に飲むコーヒー…外には美しい南阿蘇の風景が。これこそがまさに「最高の朝食」なんだな…と別に店が言っているわけではないが、勝手に思ってしまった。

ちなみに熊本市内にもバイエルンと同じ『阿蘇ナチュラル・Jファーム』のハムやソーセージを食べられるレストラン『ゲルマンハウス』があるようだ。こちらは特に何も言わなくても朝9時からやっているようなので、クルマや時間の無い人はそちらへ訪れても良いかもしれない。

だが、できるならばバイエルンで南阿蘇の雄大な自然を見ながら、最高の朝食を体験して欲しいぞ!

参考リンク:阿蘇ナチュラル・Jファーム
文・写真:なかの