イランという国について、皆さんはどんなイメージを持たれているのでしょうか。おそらくテレビなどの報道を通じて、「核開発」や「反米主義」などを思い浮かべるかもしれません。もしかしたら物騒な地域と思われている人もいるのではないでしょうか。私(記者)も正直、あまり現地のことを理解している方ではありませんでした。
しかし実際にイランの地にたどり着き、現地を旅行している日本人バックパッカーに話しを聞くと、「イランの人はめっちゃ親切だよ」や「すげー旅行しやすい国だった」と、誰もが口にします。なかには真顔で「イラン人の半分は優しさでできてる」とさえいう人もいました。
私も滞在するうちに、そう言われる理由が理解できました。私が体験したイランの人々に施された親切についてお伝えしましょう。以下はその代表的な10の出来事です。
1.街を歩いていると、「困ったことはないか?」や、「ようこそイランへ!」と、一日30回近く言われる
2.「どこのホテルに泊まってるの? 良かったらうちに泊まりなさい」と、一日に3回は言われる。私は実際に一度お世話になった。
3.街で地図を見ながらウロウロしていると、行きたい場所まで30分以上も時間を割いて、案内してくれる。
4.地下鉄に乗っていると、お年寄りに席を譲る場面にしょっちゅう出くわす。そして多くの人が、旅行者にも席を譲ろうとする。その申し出を断ろうとすると、「旅行者だろ! イランに来てくれてありがとう! 俺の気持ちだ、座ってくれ」と言われた。
5.世界遺産エスファハーンを散歩していると、家族連れなどに「一緒にお茶飲まない? イラン料理を食べなよ」と、一日20回以上言われる。
6.街を歩いていると、「一緒に写真を撮ろう」と、一日に20回以上言われる。
7.理由もなく、ご飯やお茶をご馳走してくれる。お金を払おうとすると拒まれる。
8.ほとんどのお店が旅行者に対して、ボッタクリをしようとしない。
9.観光地で立ち止まると、イラン人に囲まれる。そして「写真を撮ろう」と言われたり、「メールアドレスを交換しよう」と言われる。いつの間にか、自分の前にはイラン人の列ができている。
10.まばたきをしている間に、にっこりと笑顔で「ハロー!」と数え切れないくらい言われる。
私はこれまで、40カ国以上を旅してきたのだが、イランほど誰もが「親切」という国を知りません。これはお世辞ではなく、本当に「イラン人の半分は優しさでできている」と感じざるを得ないのです。上記に挙げたものはすべて「親切」と言い切れないかもしれませんが、少なくとも旅行者をもてなそうという気持ちは、十分すぎるほどに伝わってきます。
ちなみに中東の他国では、有名観光地などで旅行者に対して、ボッタクリをするところも少なくありません。現地価格の2~10倍の値段で商品やサービスを提供するところもザラで、レストランによっては現地人専用メニューと、旅行者メニューを設けており、2倍の料金で表記してるところもあります。
そしてメディアではあまり報道されませんが、気さくな人が多く、宗教や政治について正直に話す人もいます。「百聞は一見にしかず」と言いますが、イランほどイメージと実際がかけ離れた国も珍しいかもしれません。
取材、写真:Photographer Koach
執筆:フードクイーン・佐藤
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▼ 優しいイランの人々
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