アメリカには「顔のない猫」と呼ばれる猫がいる。彼女の名前はチェイス。チェイスは幼い頃、事故で、鼻、そして顔面の皮膚を失ってしまった。これは安楽死させられるほどの重傷だ。
しかしある女性がチェイスを家族にと引き取ったそうだ。そして。「チェイスを通して完璧でない自分を受け入れて生きることに気づいてほしい」と、チェイスの写真をネット上にアップし続けている。顔をなくしてしまっても天真爛漫に生きるチェイスの姿に多くの人が心を打たれている。
チェイスが顔を失ったのは2005年のこと。ブログによると、当時4カ月の名もない子猫だったチェイスは交通事故に遭ってしまったそうだ。それを助けたのが現在の飼い主であるメリッサ・スミスさんである。
チェイスは顔面を激しく損傷、後ろ足を1本切断という重傷を負ってしまった。一命は取り留めたものの、経過がおもわしくなく顔面の皮膚、まぶた、鼻を失うこととなってしまった。
医師は何とか顔を復元させようと尽力したが、手術は成功せず、結局チェイスは顔のない猫として生きることになった。その後、メリッサさんが正式にチェイスを引き取ったそうだ。
チェイスは後ろ足がなくても、顔がなくても元気いっぱい。他の猫と何ら変わりはない。メリッサさんはそんなチェイスを見てブログを始めた。その理由は「多くの人々にチェイスを知ってもらい“完璧ではない自分を受け入れることの大切さ”に気づいてほしいから」だという。きっとそれは、メリッサさん自身もチェイスに教えてもらったことなのだろう。
Facebookやブログにはチェイスの普段の様子が多く掲載されている。チェイスの姿は衝撃的なため、ネットでの掲載を批判する声もあるそうだ。しかしほとんどがメリッサさんとチェイスを支持する声だという。
「チェイス! あなたは本当にすばらしい」
「私は泣いてしまいました。チェイスの顔が怖かったからではありません。飼い主のメリッサさんに心打たれたのです」
「チェイスには同情する。でもいい人にめぐり合えて本当に良かった」
「人間は動物と違って自分と違うものをすぐに仲間外れにしようとする、本当に恥ずかしい」
「チェイスの強さとメリッサさんの優しさに感動しました」
「命に美しいも醜いもないと思った」
「初めて見たときは驚きました。でも見終わって心が温かくなった」
「もし私がチェイスみたいな猫と出会ったらメリッサさんみたいにふるまえるかな……」
「安易な安楽死はどうかと考えさせられた」
などである。
事故から7年たった今もチェイスは複数の病院で「健康体」とお墨付きをもらうほど元気だ。目が乾かないように毎日点眼薬をささなければならないが、視力も良くハエなどを追い掛け回すのも大好き。他の動物とも仲良しだ。どこにでもいる平凡な猫と同じように生きているのである。
参照元:Facebook Chase No Face
▼こちらチェイスの普段の様子(人によってはショックに感じる画像が含まれます)