現在はロシアが実行支配をしている南樺太。そこに入るにはロシアのビザが必要だ(国際法上はロシアでも日本でもない帰属未定地域)。実際、サハリン州の州都「ユジノサハリンスク」には2001年に日本国総領事館も設置され、今では日本との貿易やビジネスは活発化し、多くのビジネスマンたちが行き来している。

そんなサハリンに今回記者は北海道稚内から行ってみることにした。しかも飛行機じゃなく船で!

■ 料金は往復4万円
まず気になるのが、料金だ。いちばん安い等級(2等)で往復4万円である。2等は、雑魚寝タイプの部屋でプライベートな空間はないのだが、それはそれで楽しく、旅で会った多くの人たちと交流ができた。ちなみに、オプションで自転車や自動車、バイクなども船に積むことができる。

■ 片道5時間半
距離は159km。5時間半かけて港町のコルサコフに向かう。帰り(コルサコフ→稚内)も同じ5時間半。

■ 乗船するとまずお弁当
まず、船に乗るとお弁当と飲み物が提供される。行きは幕の内弁当で、帰りはパンを中心とした弁当だった。特別美味しいものではないので、あまり期待はしないほうがいいだろう。

■ ミネラルウォーターよりもビールが安い
なんと! 自動販売機で売っているサッポロ生ビール(350mm)が100円なのだ。これは船の上が免税対象となるので、この値段で売っているわけ。ミネラルウォーターが150円なのでなんとも不思議な光景だ。ちなみに、何人かの人が100円ビールをまとめ買いしていた。

■ 船に喫煙コーナーがある
国際船にも関わらず、デッキに喫煙コーナーがある。喫煙者にとっては、非常に有り難いコーナーだろう。ちなみに、記者は以前福岡から釜山(韓国)まで船で行ったことがあるが、タバコはNGだった。サハリンではロシア人が至るところでタバコを吸っていたのでその配慮なのだろうか。

■ 売店もある
お酒、タバコ、お菓子などを売っている売店が船内にあった。が、タバコと酒以外は定価もしくは定価以上だった。

■ 総評
結論から言うと、飛行機ではなく船で行って良かった。というのも、クラスが2等でタコ部屋だったため、多くの人たちと会話ができたからだ。なかには、樺太の生まれの日本人もいて、自分が住んでいた場所が今どうなっているのか見に行くのだという。

また、大正時代の新聞を持ってきて、当時の日本がどうだったのか、事細かく説明してくれる人もいた。でも、なぜなのだろう、歴史のなかで大きな辛い思いをしたはずの当事者らは、一切憎しみや憎悪を持っているようには見えなかった。

Photo:rocketnews24