はるか昔、東と西の文化を結んだ「シルクロード」。一生に一度は訪れてみたいところである。だがあまりにも遠すぎて、費用的にも日程的にもあきらめてはいないだろうか。
身近すぎて忘れがちだが、シルクロード文化伝播の終着点はこの日本。奈良県東大寺には西方文化を感じられるものが多数所蔵されている。先日その集大成である「東大寺ミュージアム」が開館した。
シルクロードは西は現・トルコ共和国ハタイ県アンタキヤ、東は現中国・河南省洛陽市)を経て日本にまで伝わったというのはよく知られた事実である。
全長7000キロにも及ぶというシルクロードは交通手段が発達した現在でさえ旅するのは難しい。当時の旅は全く想像もできないほど大変だっただろう。その難しさが却って神秘的だ。
だが手軽にシルクロードを感じることができる場所がある。終着点・日本奈良県だ。寺院なども国風文化色濃厚な京都とは異なり、異国の雰囲気が非常に強い。また先日、東大寺内にオープンした「東大寺ミュージアム」では西から伝わったものやそこから発展した仏像などが多数展示されている。
また、手軽さと言えば23日(日)放送予定のテレビ番組『世界遺産』でもシルクロードの雰囲気を味わうことができるだろう。
ちなみに記者はシルクロードの中国側の起点である洛陽近辺に行ったことがあるが、アジアである中国でギリシャ彫刻風の写実的で彫りの深い顔の仏像に出会ったときは、世界の広さと感じると同時に、壮大すぎるつながりに感銘を受けたものだ。
この感動は言葉では言い尽くせない。シルクロードは要所全てと言わないまでも、一生に一度は訪れておきたい場所である。
▼仏像はシルクロードでギリシャ彫刻と出会い影響を受けた
▼中国でこのように発展し
▼東端・日本ででこう進化を遂げた(東大寺)
▼東西文化の融合、とてもエキゾチックだ