牛丼は日本を代表する国民食である。おいしいうえに手軽に食べられることから、時間のない昼時に、チェーン店を訪ねる人も多いのではないだろうか。その牛丼と、意外な食材の組み合わせのメニューを出しているお店がある。そのお店は、牛丼にバターをトッピングして提供してくれるのだ。果たしてお味のほどはいかがなものなのだろうか。
牛丼にバターをトッピングしているのは、東京・JR上野駅広小路口正面に店舗を構える「東京牛丼 牛の力」である。このお店は、カウンターだけの比較的小さなお店だ。小さなお店ではあるものの志しは大きく、「東京で一番美味しいと言われる牛丼を提供したい」との思いから、東京牛丼と名付けたそうだ。
ここの看板メニューはなんと言っても「東京牛丼」である。全国から厳選した牛肉を取り寄せ、特選しょうゆを使ったつゆで肉を煮込んでいる。他の牛丼チェーンのものに比べて、味が濃く、どこか懐かしい味わいが楽しめる一品だ。
スタンダードな牛丼も魅力的なのだが、こちらには牛丼の「赤」と「白」がある。赤は糸唐辛子をふんだんに盛り、辛味噌で仕上げたピリ辛牛丼。そして、白はなんとバターと温泉卵でマイルドな味付けのものなのだとか。牛丼とバターって本当に合うの? 実際に食べてみたところ、意外な発見が。
オーダーすると店員さんが、「良く混ぜてお召し上がりください」とアドバイスをくれた。なるほど、丼を混ぜることにより、固形バターと卵をぐちゃぐちゃにするのだ。さらにカウンターには生のにんにくがおいてある。好みで潰してトッピングするようだ。卵の上からにんにくを乗せ、すべてをぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃとかき回すと、ほんのり溶け出したバターの香りに鼻腔をくすぐる。これはなかなかおいしそう~。
食べてみたところ、しょうゆの利いたすき焼き風の味。どこかしら懐かしいすき焼きの味わいである。そこにバターのマイルドの甘みが加わって、バターしょうゆ風味の牛丼に仕上がった。そして合間に、にんにくの刺激が口に広がる。なるほど、ここでしか味わえない唯一の牛丼といっても過言ではないだろう。
バターのコクが少々重たく感じるのだが、生にんにくの辛味がまったりとした口のなかを刺激してくれる。バターと牛丼の意外な出会い、このミスマッチの妙を体験してみたい方は、一度足を運んでみてはいかがだろうか。
写真:Rocketnews24
■ 店舗情報 「東京牛丼 牛の力」
・ 住所 東京都台東区上野6-14-7
・ 電話番号 東京都台東区上野6-14-7
・ 営業時間 8:00~23:00
・ 年中無休
▼ 生のにんにくをギューッとしぼる
▼ バター、温泉卵、生にんにくが牛丼のうえに
▼ すき焼き風のお肉が絶品
▼ 上野駅を出てすぐ