凍てつくような寒い日に、暖かい部屋で食べるおでんは格別の味だ。我々日本人の感覚からすると、コンビニでおでんを買うことはあっても、持ち帰って食べるのが一般的だと思う。しかし中国では、若者たちがおでんを食べ歩いている姿をよく見かける。なんでも「おでん」は若者を中心に人気を集めており、おやつ代わりに食べるものらしい。

取材班は現地の友人に連れられるがまま「全家(ファミリーマート)」へ足を運び、おでんを購入してみることに。一目見て、日本のおでんとはかけ離れた姿に驚愕。まずダシが赤く、油が浮いているのは「麻辣味」。黄色のものは「カレー味」。我々に馴染みのある「醤油ベース」のおでんと合わせて3種類とバリエーションが豊富である。

「僕らの間で一番の人気は麻辣味!」という友人の言葉を信じ、見るからに辛そうな「麻辣味」を購入してみることに。麻辣味のおでんダネはカレー味のものと同じで、イカや貝、肉を入れた練り物、豆腐を混ぜ込んだ練り物、豆腐、ウィンナー、牛筋、春雨などさまざま。値段は1つ1元~2.5元(13~32円)。醤油ベースのおでんには大根や昆布、巾着といったお馴染みのタネも。醤油ベースのタネを麻辣味に入れてもらうことも可能だ。

肝心の味は、「つゆを飲み干したくなるぐらい、ウマイ!」。見た目ほど油っぽくなく、辛いものが好きな人は食べだしたら止まらなくなりそうな味だ。春雨を入れてもらえば、ラーメンのようにおでんを食べることも可能。ちなみにこの四川火鍋でお馴染みの辛~い麻辣湯のようなスープなので、おでんのイメージとはかけ離れている。ちなみに麻辣味おでんは中国のセブンイレブンでも購入可能で、同店には醤油ベースのおでんはなく、麻辣味だけであった。
(執筆・写真/sweetsholic)

▼麻辣味のおでん。縦長の紙の容器に入れて手渡される

▼バラエティー豊かなおでんダネ


▼中国ファミマの外観