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【闇の大人たち】第15回:マレーシアグルメ紀行 謎料理「便所」の謎

2011年2月13日

マレーシアの首都・クアラルンプールの下町を、空きっ腹で散策中、屋台に毛の生えた、小さな小さなハンバーガーショップを発見した。

マレーシアまで来て、ハンバーガーはちょっとなぁ……。

うんざり顔で通りすぎようとしたその時。壁のメニューに記された「ある単語」が目に入り、私は金縛りに遭った。

「BENJO(便所)」

見間違えではなさそうだ──。メニューには確かに便所と書いてある。値段は1.80マレーシアドル(約50円)。ハンバーガーの半額だ。トイレを借りるにしては妙に高いような……。その場で約五分間。考えに考えた末、私は小太りのマスターに叫んだ。

「べっ……、便所!」

それを聞いたマスター。

「便所? そこにあるぜ」

そんなセリフとともに便所のドアを指さされたら一体どうしようかと思いきや、丸い型枠に冷蔵庫から出した生卵を流しこんで卵焼きを作り、パンズに挟んでサンバルソース(酸味のある辛いソース)で味付け。出来上がったバーガーを見事な手さばきで包んでくれた。

卵焼きと刻みキャベツに辛みの強いソースをかけ、パンで挟んだだけのシンプルかつヘルシーなバーガー。それが「便所」の正体であった!

皆さんもマレーシア旅行中、突如襲った便意がこらえきれず、近くのハンバーガーショップに飛び込んだはいいが、うっかり日本語で「便所便所!」などと叫ぼうものなら、散々待たされた挙げ句、ホカホカのエッグバーガーが出てきてしまうので要注意だ。
(取材・文・写真=クーロン黒沢

▼無口なバーガー屋のおやっさん

▼型に卵を流しこんで

▼焼きあがったらひっくり返し

▼特製サンバルソースで味付け

▼普通に美味しかったです

▼別の店にて、チーズ便所もあるよ

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