全世界における2009年のデジタル一眼レフカメラの出荷台数は、対前年比約10%増の約1,020万台に達した。2010年は世界経済の回復にともない、デジタル一眼レフカメラ市場は、対前年比で約18%増の約1,200万台と、順調な拡大が見込まれている。そうした市場に対して、キヤノンが戦略的な機種を投入する。

キヤノンは2010年8月26日、キヤノンSタワー 3階 キヤノンホールSにおいて、デジタル一眼レフカメラの新製品として、『EOS 60D』を9月中旬より発売すると発表した。価格は、オープンプライス。市場想定価格は、『EOS 60D』が13万円前後、『EOS 60D・EF-S18-55 IS レンズキット』が14万円前後、『EOS 60D・EF-S18-135 IS レンズキット』が17万円前後。すべて税込み。

『EOS 60D』は、2008年9月発売に発売された『EOS 50D』1をベースに、基本性能を向上させたモデルだ。写真表現の可能性を追求することで、カメラ初心者からハイアマチュアまで本格的な写真撮影を楽しめるデジタル一眼レフカメラに仕上がっている。

デジタル一眼レフカメラでは、写真の美しさは、CMOSセンサーと映像エンジンの性能によって決まると言っても過言ではない。
今回発表された『EOS 60D』では、APS-Cサイズで約1800万画素のCMOSセンサーと高性能映像エンジンDIGIC 4により、常用設定できるISO感が100~6400まで、ISO感度拡張時は12800まで拡大した。また、『オールクロス9点AFセンサー』による高精度なAFや独自の測光センサーによる正確な露出制御など、本格的な写真撮影を可能にする充実した基本性能を備えている。

特筆すべき点は、EOSシリーズ初となるバリアングル・クリアビュー液晶モニターを搭載した点だ。ハイアングルやローアングルでも液晶モニターを見ながら撮影を楽しむことができる。さらに、大型のバリアングル液晶モニターを搭載しながら、従来機種からさらに小型化したコンパクトなボディを実現した。

機能的な面では、『ふんわりやわらかく』『くっきり鮮やかに』といったイメージを選択するだけで写真の雰囲気を設定することができる表現セレクト機能を新たに搭載した。また、撮影した画像に特殊効果を加えることができるアートフィルター機能をEOSシリーズとして初めて採用した点も見逃せない。

発表会には、コミュニケーションパートナーの俳優 渡辺謙氏が応援に駆け付けた。渡辺氏は『EOS 40D』から使い始めて、『EOS 50D』『EOS 7D』と使っているが、今回の『EOS 60D』はコンパクトで軽くなり、グリップ感もよいので、非常に使いやすくなったという。『EOS 60D』のCMは、『EOS 5D MarkII』でほとんど撮影したそうだ。

渡辺氏は、「CM撮影時にしか『EOS 60D』を使っていないんですけど、おそらく動画もいけますので、相当多岐にわたって、場所も時間もいろんなシチュエーションで楽しめるカメラだと思います。ノートラブルなんですよね。それが僕はスゴイなと思って。砂漠だったり冬山だったり、いろいろなところに持って行くんですけど、本当に故障がないので、それが良いです。」と、『EOS 60D』を使用した素直な感想を語った。

『EOS 60D』は、EOSシリーズ初のバリアングル液晶モニターを搭載し、表現セレクト機能やアートフィルターなど映像表現の世界を広げる新機能を満載したデジタル一眼レフカメラに仕上がっている。

キヤノンは、『EOS 60D』によって、デジタル一眼レフカメラを牽引できるだろうか。

Photo by Rocket News24 Staff / 本誌記者撮影