
年齢を重ねると食が細くなる。50代に突入して2年を経た私(佐藤)もまた、例に漏れずにそれほど多くは食べられなくなってきている。とはいえ、その気になればまだ結構食える気がしている。少なくとも一般的に食が細いとされる若い女性よりは食える……はずなのだが、最近訪ねた店でその自信がゆらぐことになった。
というのは、東京・新大久保で評判の韓国料理店でジャージャー麺を頼んだところ、タライのようなデカい器に入った品が出てきた。これが1人分!? と思うような量だったのに、他の卓を見ると若い女性が平気で食べているじゃないか。
私の食が細くなったのか、それとも彼女たちがよく食べる人なのか。わからなくなった……。
・ジャージャー麺2杯?
ここを訪ねることになったのは、ちょっとしたきっかけがある。先日、このお盆中に韓国で人気のカフェブランド「ソウルエンムセ」が新大久保にオープンした。
このお店はシナモンロールやクイニーアマンが人気とのことで、訪ねたら1個がめちゃくちゃデカい! イートインで2個購入したのに1個しか食べることができず、あまった1個を持ち帰ることになった。
その時に見かけたのが、「肉 & 麺」というお店である。パンならペロリだと「ソウルエンムセ」の帰りに寄ろうと思っていたのに、1個で撃沈した私がその足で寄れるはずもない。改めて出直すことになったのである。
さて、後日訪れて入店すると女性客がほとんど。外国人観光客の姿も見える。1人の男性は私ともう1人だけ。ここも他のお店と同じく、新大久保を訪ねる多くの女性客に認知されているらしい。
それでもメニューを見ると、最初に記載された「おすすめセット」で私は手を止めた。
うん? このBセット「ジャージャー麺 “2”」って、ジャージャー麺が2杯出てくるってこと? Dセットは「チャンポン “2”」だからチャンポンが2杯出てくるってことだよね?
ついて来る酢豚は「小」とか「ミニ」とか書かれてるから、ジャージャー麺も小さいのかな? 興味本位でBセットを頼もうとしたが、何となくやめておいた。
その選択は結果的に正しかった。なぜなら、Aセットで出てきたジャージャー麺はこのサイズだったからだ。
デ、デカくないか? Bセットならこれが2杯出てきたってことか? 軽く顔をツッコめるサイズ。つまりタライくらいはあると思うんだが……。
初めてうどん専門店の「つるとんたん」に行った時も、器のサイズに驚いたな。このくらい、いやこれ以上のサイズだったかもしれない。あの時も、器はデカいのにお客さんは女性ばっかりだなって思ったんだよなあ。
今回は麺の量が尋常ではないように思うんだが、とにかく食べてみるとしよう。
韓国式のジャージャー麺は、ソースに黒味噌(チュンジャン)を使っており、甘くてコクがあるのが特徴。これをしっかり混ぜ合わせて麺をすする。
麺にはコシがなくてフニャフニャしている。コシがないおかげでソースともよく絡むのである。見た目にパンチが強そうだが、味は甘くて食べやすい。食い切れるか? と思ったけど、苦戦することなくあっさり完食できそうだ。
少ししてセットについている酢豚が出てきた。
付け合わせにはたくあん、それにさらし玉ねぎ。この玉ねぎが驚くほど美味しかった。黒味噌ソースで重くなった口中をさっぱりとリセットしてくれる。
酢豚は韓国式の中華料理で「たんすゆく」とも呼ばれている。2度揚げしたカリカリの豚肉を甘酸っぱいタレで食べるらしい。まずはそのまま食べてみると、衣はカリっと香ばしく、中には豚の旨味がしっかりと閉じ込められている。
隣の人がタレを全部かけているのが見えたので、それを真似したら、どうやら本来は都度タレにつけて食べるものだったらしい。余計なところを真似してしまった……。
だが、美味しさには影響ない。ほんの少し衣のカリカリが削がれるだけで、むしろタレをかけたことによって、衣の食感が一層引き立った。本来の中華の酢豚も良いけど、私はカリカリ食感を楽しめる韓国式酢豚の方が好きかも。
それにしても、この界隈で食べ歩く人はみんな大食いではないか? と疑いたくなる。食べ放題もさることながら、フラリと入ったお店でも、タライサイズの器が出てくるのだから、食が細くなりつつある私は入るお店を選ばねば。
ちなみにあの麺2杯のセットは、おそらく2人連れ向けなのだろう。それぞれ1セットずつ頼むと、酢豚を食い切れなくなるかもしれないので、2杯と酢豚をセットにしたのではないだろうか。
とにかく量は多いけど、味は評判通りだったので、おすすめです。
・今回訪問した店舗の情報
店名 肉 & 麺
住所 東京都新宿区大久保1-12-24
時間 11:00~24:00
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24