
唐突に私事で恐縮だが、最近コーヒーを飲めるようになった。
もともとカフェインに弱いのに加え、苦味や酸味が苦手なお子ちゃま舌の筆者。ゆえに20ウン年の長きに渡りコーヒーを好まなかったのだが、最近やっとこさ美味しさが分かりつつある。コーヒーってなんかかっこいいので喜ばしい限り。なおカフェインには今もって弱いままなのは内緒である。
さてそんな折、ぼんやりとInstagramを眺めていると、突如としてトンデモビジュアルのコーヒーが筆者のタイムラインを駆け抜けていった。
筆者の見間違いでなければ、コーヒードリッパーに氷がモリッと盛られていたのである。
・「氷出しコーヒー」
スワイプしかけた指を慌てて戻し、動画をちゃんと見てみれば「氷出しコーヒー」と銘打たれている。ビジュアル重視のウケ狙いかと思いきや、あらためて検索すると結構な数ヒットするので どうやら真面目なレシピのようだ。
その名の通り、熱湯や水の代わりに氷を使い、長時間かけて氷を溶かしつつコーヒーを抽出する方法だそうで、「コクとまろやかな味わい」が楽しめるとのこと。
コーヒー通を気取りたいお年頃の筆者。そんなこと言われたら気になってしまうので、さっそく試してみることにした。
・つくってみよう
とは言っても基本はコーヒーなので、材料や道具は普通のコーヒーと大差ない。サーバーにドリッパーにフィルター、粉。で、
氷。
まずは普通にドリッパー、フィルター、粉をセット。
チョロリと満遍なく少量の水を掛ける。文字通り「呼び水」的なヤツだな。
さて問題はここからである。氷を……
盛る!
盛る……
あっ
大丈夫……?
よく言えば面白い、悪く言えば正気とは思えない見た目になった。このまま5時間くらいだそう。ま~~不安である。
5分後でこんな感じ。当然ながらまだ全然何も起きていない。不安。
1時間後。ちょっと抽出され始めた。薄いかな……?
その後もちょこちょこ様子を確認したり氷を足したりしつつ……
・完成
できた。
味の違いを確かめてみたかったので、あらかじめ「水出しコーヒー」も仕込んでおいた。これらを飲み比べてみよう。
見た目は当たり前にどっちもコーヒー。「氷」のほうが色が若干薄い気もするが誤差だろうか。
では、まずは「氷出し」を一口――。
あー。うん、確かにまろやか。コーヒーの風味はあるものの酸味や苦味がほぼ感じられず、むしろちょっとした甘味がある。単純にちょっと薄めになってしまったのかもしれない。
今度は「水出し」……あ!?
思ったより違うぞ!?
明確にこっちのほうが苦い。こっちも薄めっちゃ薄めではあるものの、「水出し」の方が味が硬いというか、「氷出し」にはない後味の苦みがある。
劇的な差ではないため交互に飲み比べてるうちに味が混ざる……だろうと思っていたが、わりとわかる。「氷出し」の方は一気飲みできるが、「水出し」はクッとなるのだ。「氷」のほうがマイルドな味わいで、したがって筆者には非常に飲みやすい。やはりこれは単に薄さの問題だけではなく、「氷出し」の特徴である気がする。
ただ、コーヒー通の御仁がどっちを好むかはわからない。
すでにお分かりいただけているかと思うが、筆者はコーヒーに関してはニワカもニワカ、ド素人である。産地や種類、製法などの違いもほぼ分からず、ゆえに判断基準としては「飲みやすさ」が一大項目となる。
だからコーヒー特有の苦味や酸味がほぼなくマイルドな味わいの「氷出し」は筆者にはありがたい。のだが、その分「その苦味が良いんだよ!」というオトナな皆様には物足りないと感じられる恐れがある。もうちょい濃く淹れたりしてみてどうなるかだなー、と思いつつ未だ試してはいない。
・案外玄人好みかも
そもそも、コーヒー飲みたい! と思った瞬間に氷出しコーヒーをゼロから用意することは当然不可能なわけで、あらかじめたくさん作っておくか時間を逆算して計画的に作り始めるか、といった工夫は必要となる。あと、この数奇なビジュアルを数時間置いておく場所と心の余裕も。
更にちょっと気になったのは、水の量が分かりづらいこと。氷の重さを量れと言われたらそれまでなのだが、コーヒーメーカーにあらかじめ引いてある線のとこまで注ぐのと、自分で量りを引っ張り出してきて数字を合わせるのではやはり労力が違う。
そう考えると、案外このレシピはむしろ玄人好みというか、コーヒーに対して熱意があり ある程度の労力をいとわない皆様のほうが楽しめるのかもしれない。
抽出時間にはじまり、氷の質や量、果ては室温とか、色々深掘りのしがいはありそうだ。理科の実験みたいに色々試して、好みの分量なんかを見つけていただきたい。うわそれは楽しそうだな!
参考リンク:クラブサーモス「第231話 氷で抽出!」
執筆:砂付近
Photo:Rocketnews24.
▼ちなみに筆者はまず正午ごろに氷を仕込み、なんやかんや夜まで常温放置したのち、さすがに夜にコーヒー飲み比べは……ということでそのまま一晩明かし、朝に飲み比べることになった。これが仕込んですぐ。
▼なんやかんや氷を足したりしつつ
▼8時間経過後の午後8時。氷を足した分ちょっと長くなった。
▼翌朝。コーヒー党の母は長時間放置による酸化を懸念して味見してくれなかったが、筆者が飲む限りでは全く気にならなかったぞ。とはいえこんな長時間になったのは完全に筆者の無計画性によるものなので、朝飲みたいなら寝る前に仕込むくらいで良いと思います。深夜12時〜朝6時とかね。
▼マジで飲みやすいが、調子乗って一気飲みしたら後ほどきちんとカフェイン負けしたのでその点は注意である。ほどほどにね。