
生成AIによる描画を楽しんでいる方も多いだろう。SNSでよく見かけるのは、漫画やアニメのキャラのオマージュ。もしくは、自分がその作品世界に入り込んだような、キャラクターイラストを描く人も多く見かける。
それらも良いのだが、もう少し実用的に使ってこそ、AI描画を活かせるのではないか? と私(佐藤)は考えている。前回9種の髪型比較の画像生成についてお伝えした。
それと同様に実用的な使い方として、服の着合わせ。いわゆるコーディネートの参考画像の作り方を紹介したい。今回もGoogleアカウントをお持ちなら、誰でも実践可能だ。
・参考画像の作り方
描画は今回も生成AI「Gemini」(Nano Banana2)に任せる。以下がそのプロンプト(AIへの指示)で、入力項目を変えることで服やスタイルを変更することができる。変更できるポイントは後述しよう。
<コーディネートの参考画像を生成するプロンプト>
あなたは、世界的ファッション雑誌のチーフスタイリスト兼、ビジュアルディレクターです。
【入力】 アップロードされた自撮り写真。
【解析】 人物の「顔の構造、特徴(アイデンティティ)」を深く分析してください。
【指示】 解析結果に基づき、人物の「アイデンティティ(顔)」は完全に維持したまま、異なる3通りの「着こなし(スタイリング)」を並べた、1枚の「正方形(1:1)」画像を生成してください。
【生成ルール(構図固定)】
1. 構図: 全体は正方形(1:1)。その中に、「完全に同じサイズ」の3つの縦長(例:2:3)の画像コマ(画像エリア)が、右から左へ向かって、完璧に縦一列(3×1)に整列していること。2. コマのデザイン: 3枚の縦長コマの間には、洗練された白、またはミニマルなグレーの細い境界線(マージン)を設け、「映画のフィルムストリップ」のようにすること。
3. 人物の配置(重要): それぞれの縦長コマには、人物が、「全身(頭から足元まで)」の構図で、そのスタイリングを象徴するポーズで収まっていること。
4. コマの流し込み: 以下の「【3つのスタイリング・バリエーション】」を、この順番通り( Variation 1 → 2 → 3 )に、右から左のコマへ一つずつ配置すること。
【スタイリングルール(固定アイテム)】 3コマすべてにおいて、主役となる[ 1. 黒のテーラードジャケット] は必ず着用すること。
【3つのスタイリング・バリエーション】
・Variation 1:[ 1. クリーンな休日 ]
・固定アイテムに、[ 柄物のTシャツ、ベージュのチノパン、白のスニーカー、ミニマルなバックパック ] を合わせる。自然な笑顔。・Variation 2:[ 2. 夜の街にくりだす ]
・固定アイテムに、[ 柄物のドレスシャツ、黒のスリムデニム、黒のレザーブーツ、高級な眼鏡 ] を合わせる。知的で少しクールな表情。・Variation 3:[ 3. ストリート・遊び心 ]
・固定アイテムに、[ 詰襟の白シャツ、黒のワイドパンツ、厚底の編み上げブーツ、ハット、チェーンネックレス ] を合わせる。自信のある表情。4. 品質: ハイエンドなファッション雑誌のエディトリアル(雑誌)クオリティ。服の質感(綿、レザー、デニム)がリアルに表現されていること。
5. 質感: 写真レベルの高精細なリアリズム。
以上の物理的な構図ルール(3×1縦一列)と、座標ノイズを排除したリスト形式のスタイリングルールに従い、人物のアイデンティティが維持された完璧な画像を生成してください。
このプロンプトは、ジャケットなどのアイテムを固定して、それに合うものを考える時に使える内容になっている。したがって、3パターンの上着は黒のテーラードジャケットに固定されている。ここを書き換えることで、参考にしたい着合わせを描くことができるのだ。
また提示されるバリエーション(3パターン)もすべて書き換え可能となっている。以下の2つの項目が書き換えられるポイントだ。
<書き換えポイント>
1.スタイリングルール(固定アイテム):「1. 黒のテーラードジャケット] は必ず着用すること」を好きなアイテムに書き換えられる。
2.3つのスタイリング・バリエーション:3パターン、それぞれを書き換えて、着合わせを指定できる。
実はこの生成画像は、いくつか上手く行っていない点がある。たとえば、黒ジャケットの指定には従っているのだが、バリエーション1のインナー(柄物Tシャツ)が白シャツになっており、バリエーション2のインナー(柄物のドレスシャツ)も黒のTシャツになってしまった。
また以前の描画指示を引き継いでしまって、なぜか謎のロゴ(カセットテープとSUNOの文字)が乗っかってしまっている。
ときどきこういうことがあるので、気になる場合はやり直すといい。ちなみにインナーを白いTシャツで固定するとこんな感じ。
生成AIは何度も同じ指示を出していると、データログが溜まって、過去の指示に引っ張られていくので、パソコンとスマホを適宜使い分けて、ログに引っ張られないようにすると、割と上手く描ける場合がある。
スマホで同じように試してみたら(アウターを革ジャンで固定)、雰囲気が変わった!
けど、中途半端に文字を書かれてしまった。そんな指示出してないんだけどな……。
いずれにしても、着合わせをたしかめる参考になるので、季節の変わり目に着る物に悩んだり、また通販等で新しいアイテムを試す際に役立てて頂きたい。
執筆:佐藤英典
イラスト:Gemini(Nano Banana2)
▼半袖のボーリングシャツを固定して、3パターンを描かせたらこんな感じになった
▼この春あたりに、スーツに合わせるベストの着合わせを考える時にも活用している。色味を見るときにも生成AIの描画は役立つ