
昼と夜で異なるスタイルの飲食店は珍しくない。いわゆる「二毛作」というヤツだ。近年はとくに夜しか営業していないバーで、昼だけカレーを提供する「間借りカレー」なんていうのも増えている。
埼玉・越谷には焼肉店なのに、バングラデシュ料理を提供しているお店があるとの噂を聞きつけた。実際に行ってみたところ、すでに焼肉店として営業していなかったけど、本場のバングラデシュ料理を食べ放題で楽しめるお店とわかった。
そして謎のドリンク「ドキドキ 男のロマン」とはナニ!?
・平日1100円食べ放題
そのお店「アリファ ハラルレストラン」は、ハラル認証(ムスリムでも安心して食べられる、厳格なルールを守って作られた証)を取得しているお店だ。
私(佐藤)が調べた段階ではバングラ料理と焼肉店をかねており、なおかつ昼はランチ食べ放題とのこと。行ってみたいと思い、東武伊勢崎線の蒲生駅に降り立った。
駅の東口からほぼ直進、約10分歩いたところにお店はある。外観からは焼肉店の雰囲気はうかがえないな。
壁に貼り出されたメニュー写真は、どれもバングラ料理のものばかりだ。焼肉は夜だけとかかな?
メニュー看板を見ると、ランチバイキングは平日税込1100円、土日祝は税込2200円となっている。あとからお店の人に聞くと、土日祝は休日価格というわけではなく、平日よりも品数が増えるから値段が高くなるそうだ。
ちなみに平日は約10種に対して、土日祝は約30種類になるとのこと。また、平日夜は食べ放題ではなく、通常のレストラン営業らしい。
メニュー看板の下には、お店の説明があった。料理長はバングラデシュで15年、マレーシアで5年のレストラン実績があるベテランなのだとか。
・本場のバングラデシュ・バイキング
私が訪ねたのは月曜日のお昼。入店するとランチは食べ放題である旨を伝えられた。口頭での説明はなかったが、卓上には英語とベンガル語での注意書きがあり、食べ残しは200グラムにつき500円払うことになるので、取りすぎに気をつけよう。
それで料理を盛ろうとしたところ、お店の人が丁寧に説明してくれた。私がバングラ料理を知らなかったために、うまく説明を聞き取れなかったところもあるので、帰宅後に調べて内容を補足している。
1番手前のウォーマーにあったのは「ニハリ」と呼ばれるシチュー風の煮込み。牛のすね肉を骨ごとじっくり煮込んだものだ。その隣が「チキン・レザラ」、これはバングラ流のチキンカレーである。
続いてのウォーマーは「チキン・パスタ」、鶏肉とショートパスタをカレー風味で和えたもの。そして「エッグ・ダル」はインド料理などでもお馴染みのゆで卵の入った豆カレーである。
角の丸いウォーマーには「ルチ」と呼ばれるサクサクの揚げパン。現地仕様らしく、サイズがデカい。
その隣の丸ウォーマーにはスパイスかき揚げの「パコラ」。
ご飯のジャーとスープ(チキン・ベジタブルスープ)を挟んだその向こうに「チョトポティ」、ひよこ豆とゆで卵のスパイス和え。
そしてアップルジュースとお茶のサーバーの前に、バングラデシュの伝統的なお菓子「ジラピ」が置かれている。
・最後の気になった「男のロマン」
ひと通り料理をそろえて席に着いたら “宴” になってしまった。ってわけで昼から宴と行きましょ~!
それにしても、ルチの皿の占有率が高いな。インドのナンに匹敵する大きさ、一体どんな味がするんだろう、はじめて食べるから楽しみだ。
まずはニハリから。牛のすね肉を骨ごと使っているので、旨味が強く味が濃い。その濃さをスパイスで和らげている。これトマトとデミグラスソースと合わせたら欧風のビーフシチューになる。クローブやカルダモンと合わせるとニハリだ。つまり、これはバングラデシュのビーフシチューだな。
ここでお店の人が裏技を教えてくれた。カットレモンを出してくれて、これを絞ると味が変わると仰る。実際に絞って食べてみると、強い酸味が加わって旨味がギュッと引き締まった。
肉の旨味だけでなくスパイスの香味も引き立っている。これは断然カットレモンありの方が美味しいな。
続いて、次に強くおすすめされたのがチャトポティだ。これはニハリとはまったく逆のベクトルの美味しさ。ひよこ豆と野菜の甘さが特徴で、少し口に含むとニハリの肉々しさが一掃され、まろやかな甘さが口に広がる。
そしてチキン・レザラ。チキンカレーと聞くと、汁気の多い日本式のチキンカレーをイメージしてしまうが、カレーソースがほとんどなくて、鶏肉を煮込むだけでも立派なカレーだ。ココナッツやヨーグルトと共に煮込まれた鶏肉は柔らかく、ほのかに甘い。
ここでルチの登場です。見た目にカラッとしているけど、実は表面に油をまとっている。生地はパリパリで、インド料理でいうところのプーリに当たるのかも。
これをちぎってエッグ・ダルに浸して食べる。ダルのもったりとした食感と、サクサクとしたルチの食べ合わせは絶妙。互いに味と食感を引き立て合っている。
一応ご飯とも合わせて食べたけど、ルチの方が断然私の好みだったので、次回はご飯なしでルチ一択だな。
最後に、スイーツのジラピを頂いた。ほかのお店で同じモノを食べたことがある。それがとにかく甘すぎて悶絶したので、ぶっちゃけそれほど期待せずに食べたところ……。
ここのは違う! 前に食べた甘いだけのものと違って、表面は全然甘くなく、パリっとした歯ざわりが心地よい。
甘くない? と思ったら、中からシロップがジュワリと出てきた。これが本当のジラピなのか!? 甘さと食感の両方があって本当の美味しさを発揮するスイーツだと理解した。これは美味しい!
満足して帰ろうとしたところで、壁に貼ってあるメニューのひとつが目に入った。あれはナニ!?
「ドキドキ 男のロマン」だと!?
これが何かを知らずに帰るわけにはいかない! 気になって、夜、眠れなくなってしまう。「これはなんですか?」とお店の人に尋ねたら、デーツ(ナツメヤシ)を使ったジュースとのことだった。
なぜこの名前になったのか? それは謎だ。なぜなら、正体を知った時点で満足してしまって、ネーミングの由来を聞くのを忘れてしまったから……。いずれまた行ってお伺いしよう。
それからテーブルに排煙設備があったので、焼肉もやっているのかも尋ねてみると、今はバングラデシュ料理を専門にやっているそうだ。それで外観に焼肉屋感がなかったのにも納得。とにかく本場バングラデシュ料理を楽しめる、美味しいお店である。
・今回訪問した店舗の情報
店名 アリファ ハラルレストラン
住所 埼玉県越谷市蒲生旭町10-3
時間 11:00~15:00、17:00~22:00
定休日 水曜日
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24