
ゴールデンウィーク期間中に、楽曲制作AIの「SUNO」にどっぷりハマっていた私(佐藤)は、休みが明けてもその熱が冷めないまま。日々、時間を見つけてはAIと向き合って、新しい曲の制作を試みている。
理由はカンタンで、若き日に作り切れなかった曲を聞ける形に残したいからだ。何曲かは手元に音源があり、それらは読み込ませることで何とか形になる。
問題は音源のない曲だ。それをどうやってSUNOに読み込ませてアレンジするか? 方法は1つしかない。音源データを作ること、つまり歌って弾いて録音するのである。それを実践し、何とか1曲を聞ける形に収めることができた。
・音源ないから歌うしかない
SUNOを使うことで1番助かるのは、自分で歌ったり弾いたりしなくていいことだ。今さら歌声が出るはずもなく、ギターがまともに弾けるわけでもない。そもそも音を出す環境がないし、十分に練習できる時間もないのである。
それらを全部パスして、いきなり曲になるところがSUNOの最大の利点であると考えている。音源がある曲はそれで比較的スムーズに、聞ける形になっている。
しかし1番曲を作っていた時期はもう30年も前。すべての曲を完成に導いていればよかったものの、いくつか投げ出したり、気まぐれで録音していない曲もある。というか、残っていない曲の方が多い。
すでに何曲か着手して、SUNOに魅了された今、そのハンパな曲も生き返らせたいと考えるようになってしまった。でも、音源がない……。
やるしかないな、またギターを持って歌わねば……。すでに自宅でも静かに弾けるナイロン弦のギターを購入済みだ。幸いなことに、我が家の徒歩圏内に大きいスタジオがある。
条件が整いすぎている。もしかして、これは神の思し召しか? 佐藤よ、歌えと仰るのか? やりましょう、やるなら今でしょ!
ってことで、先週末早朝にスタジオに2時間入り、コード進行を思い出して、1曲スマホに録音してきた。声量は足りないし、ギターはミスタッチしまくるしで、まともに聞けたものではない。それでもSUNOなら何とかしてくれるはず。
それに先立って、アカペラで同じ曲を録音してSUNOに読み込ませてみたら、進行はおかしくなったけど、メロディラインは私の歌った通りになった。AIの精度の高さもさることながら、私の歌声の音程が意外と正確かも? とうれしくなった。
ギター伴奏がつけば、さらに正確に再現してくれるはずである。そう信じて、実際に読み込ませて1曲アレンジさせてみた。
この曲『壊れかけた鉢植え』はバラードで、ギター弾き語りをしていたものだ。アレンジはアコースティックアンサンブルで、アコースティックギター・アップライトベース・アップライトピアノ、リズムはドラムではなくカホンを指定している。さらに歌詞を入力し、それに従って「Verse(Aメロ)」「Pre-chorus(Bメロ)」「Chorus(サビ)」などの進行を指定して制作した。
すると、見事なアンサンブルサウンドに仕上がった。この瞬間がいつも堪らないんですよ。長年封じられてきた魔法がその効力を取り戻したみたいに、世界が輝いて見える。大げさな表現かと思われるかもしれないけど、脳内で何かがスパークして眩しく見えるんだ、本当に。
・誰でも音楽を楽しむことができる
それでまあ、毎回SUNOに関してレビューするときに1番訴えたいのは、誰でもできるということだ。アプリを利用すれば、誰でも同じようにアレンジできる。たとえ演奏できなかったとしても、鼻歌でもアレンジできる。
それからお子さんが歌う、音楽の理屈を無視した可愛らしい曲であっても、フルバンドのアレンジに仕立て上げることができるので、興味があればぜひ試して頂きたい。
売りものになるような高いクオリティの曲を目指さなくてもいい。ネットでバズるようなことを狙わなくてもいい。誰でも純粋に音楽を楽しむことができるのが、このツールの魅力だと私は考える。だから音楽が好き・歌が好き、そういう素直な気持ちがあれば、きっと楽しめるはずである。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
Screenshot:SUNO
▼音源がないので、自分で弾いて歌った自作曲『壊れかけの鉢植え』をSUNOでアレンジしてみた