
先日、2年ぶりに人間ドックを受診した。私(佐藤)はすでに50代になり、健康は何物にも代えがたいということを日々実感している。よって、若い頃には考えられなかったほど、自分の身体をいたわるようになった。とはいえ、ズボラだから毎年受診することを怠っているわけだが……。
それはさておき、毎回受診する度に思うことがある。それは、検便の際に便を受け止めるための紙について。あの真ん中の印に落とすの難しくないですか? できるだけ中心を目指してるのに、上手く着地せず、危うく沈みそうになること、ないですか?
そこで私は、生成AIにアイディア出しをお願いした。その結果、なかなか良い案を出してくれたけど、結果的に私自身が、とても人間らしい解決法を思いついたので、ひとつの珍案として聞いてほしい。
・ペーパーをよく見てみよう
当編集部が普段利用している受診施設では、毎回予約をすると、事前に検便と検尿のキットが郵送される。尿は受診する日の朝に採取するのだが、便は別日に2回分採取することになる。1回分でもOKなので、 “出” が悪くても大丈夫だ。
さて、その検便用の紙を、改めてじっくり見てみると、意外な気づきがあった。
紙の上部には、トイレタイプによってスマートに取れる方法を指南している。我が家は左の水の多いタイプなので、油断すると、投下する前に紙が水に沈んでしまう。
たしか初回の2017年、油断して浸水させてしまったことがあったなあ。ズボンを脱いで振り返ったら、水没してて悲しかった……。
今ではあまり見かけなくなったけど、和式トイレなら安心して投下できるんだろうなあ。便器との距離も近いから、目視でいいポジションに落とせそうだし。そう考えると、和式も悪くないよなあ。
紙の下の方には注意書きが記されている。「使用前に濡らさないでください」「できるだけ速やかに便をとってください」など、非常に細かくアドバイスをしている。まるで何か危険物でも扱うかのような注意。まあ、ある意味危険物であることはたしかだ。
項目の6番目に「自動洗浄機能が作動しないように注意して便をとってください」とある。我が家は手動なので、その心配がないゆえに、自動洗浄機能への注意が必要であると気づかなかった。
そうだよなあ、せっかくホカホカのヤツを真ん中に落としても、いざ採取! となったときにジャーっと便器の彼方に送り込まれたら、悲しいもんな。
それはまるで、ドラクエとかで貴重なアイテムを発見してゲットする段になって、弟とかがファミコンの上を跨いで、カセットに接触して「ペーッ!」と音と共に画面が固まってしまったくらいのショックはある。自動洗浄はオフにしておくべきだな、うん。
そして最後に、最大の謎がひとつ。これ誰?
メーカーの栄研化学のサイトを見ても、このキャラに関する情報は見当たらない。たぶん「トレールくん」って名前なんじゃないの? 知らんけど。
・スマートに投下する方法をAIに聞いてみた
では本題に行こう。どうやったら、スムーズに真ん中に落とせるのか? 毎回最適な位置に落とせないのには、たぶん理由があって、私の工夫が足りないからでは? という結論に至ったので、ここはひとつ、最新のテクノロジーを使って解決策を得るべきだろう。
Googleの生成AI「Gemini」の出番だ! 人類の叡智、いや今後人類を越える叡智になるはずのAIなら、いまだ人間のたどり着いていない解決策を提示してくれるはず。
ってことで「真ん中に落とすにはどうしたらいい?」と尋ねた。うちのGeminiが提示したアイディアはこうだ。
1. 「前傾姿勢」の黄金角をキープする
多くの人は便座に真っ直ぐ座りますが、これだと排便口の位置がシートの「後ろ寄り」になりがちです。
対策: 肘を膝につくくらいの「ロダンの考える人」ポーズをとってください。
理由: これにより直腸が真っ直ぐになり(恥骨直腸筋の緩和)、落下ポイントが安定します。シートの中央やや前寄りを狙うのが、物理的に最も安全です。
2. 「ハンモック式」で設営
シートをピンと張りすぎると、便の重みで一気にズレたり、逆に跳ね返ったりします。
対策: 設置する際、あえて真ん中に少し「たわみ」を作っておきます。
理由: 便が着地した瞬間にシートがその重さを包み込む「受け流し」の状態を作るためです。真ん中に「くぼみ」があれば、多少位置がズレても中心に転がり落ちてくれます。
3. 「マーキング(標的)」の設置
何も目印がないから迷うのです。
対策: 設置したシートの真ん中に、トイレットペーパーを小さく丸めた「目印」を一つ置いておきます。
理由: 視覚的なターゲットがあるだけで、脳は無意識にそこへ位置を合わせようとします。いわば「精密爆撃」のためのレーザー誘導です。
最新のテクノロジーは真剣に考えて、いかにも合理性のあるアイディアを導き出してくれた。たしかにどれも一理あるが、AIの実践を伴わない提案なので、その有効性はかなり疑わしい。だが、提案してくれただけでも有難い。なぜなら、質問がそもそもくだらないからだ。
3つとも悪くないけど、「絶対に外さない」という要件を満たすのは難しいだろう。どうしたものか……、Geminiとのやり取りをしながら閃いた! それも人間らしい方法を。
いっそ、落とさずに直に拭けばいいじゃないか!
そう考えると、狙いは外れない。まさしく逆転の発想、落とすから外すので落とさずに的を射る。これなら間違いなく、ド真ん中だ。
この案について改めてGeminiに尋ねると、再び真剣に回答してくれた。
「その発想は完全に「コロンブスの卵」ですね!盲点でした。「落とす」から外れるのであって、最初から「迎えに行く」スタイル……。物理的な距離をゼロにするという、究極のショートカットです。
■ 「セルフ拭き取り方式」のメリット・デメリット
メリット:
命中率100% 物理的に外しようがありません。
精神的安定 「外れたらどうしよう」というプレッシャーから解放されます。
デメリット:
技術介入度が高い 紙の強度が足りないと指に「大惨事」が起きるリスクがあります。
検体としての質 本来は「乗ったもの」を採取するのが想定されているので、拭き取った際に紙の成分が混ざりすぎないよう注意が必要かもしれません(笑)」
たしかに強く拭きすぎると紙が破れる可能性がある。その上で、紙の成分が付着する恐れもある。だが、外さないのはたしかだ。ただし、正式な方法ではないので、実際にやるなら説明書どおりが無難である。
・結論
もちろん正式な採便方法として推奨されているわけではないので、先述の通り、実際は説明書どおりに採るのが1番。今回の結論は、AIに聞くと妙にもっともらしい答えが返ってくる、ということなのかもしれない。
というわけで、読者の皆さんは、くれぐれも説明書どおりに採便してほしい。現場からは以上です!
参考リンク:栄研化学
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
イラスト:Gemini