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昭和のわんぱく坊主が「鼻に絆創膏を貼っている理由」について / その起源は『サビオ』ではないか?

4日前

昔から疑問に思っていることがある。それは、昭和の漫画やアニメ・ドラマに登場するガキ大将やわんぱく坊主は、「なぜ鼻に絆創膏を貼っているのか?」だ。絆創膏を貼っていること自体は不思議ではない。何かしらをやらかして、擦り傷・切り傷の類ができたのだろう。

問題はその場所である。鼻筋辺りに貼っていることが多いのだが、どういう状況でその部分にキズができるのかがわからない

そこで私(佐藤)は暇にかまけてアレコレ考えをめぐらせた結果、『サビオ』にたどり着いたのだった。もしかして、サビオが起源じゃないの?

・なぜ鼻筋に?

「鼻に絆創膏」は昭和時代に、わんぱくの象徴として描かれることが多かった。具体的にどのキャラと挙げるのが難しいほど、さまざまな作品に登場するわんぱく坊主は、もれなく鼻に絆創膏を貼っていた。

その影響からか、鼻絆創膏を見るだけで、好奇心旺盛で硬派なやんちゃ者に見えてしまうのである。きっと私と同世代(50代)の皆さんにはご理解頂けるだろう。


しかしながらよく考えてみると、鼻筋をケガするとは一体どんな状況だろうか? キャラが絆創膏を貼っているのは、だいたい鼻筋、鼻背(びはい)と呼ばれるあたりになると思うのだが……。


構造的に考えると、鼻の頭の方が前に出ているので、転ぶにしろぶつけるにしろ、鼻の頭にキズができる方が自然なのでは?

どうなったら、鼻筋にキズができるだろうか。その状況を考察してみよう。


・ライバルとのケンカ説

漫画やアニメに登場する鼻絆創膏のわんぱく坊主には、だいたいライバルがいる。同じくらいの実力を持ち、常にいがみ合っている存在だ。そのライバルとのケンカにおいて、鼻筋にキズを作ることはあるかもしれない。

でもやっぱり、殴られるにしろ蹴られるにしろ、鼻筋よりも鼻の頭が傷つく可能性の方がはるかに高いので、この説の可能性は20パーセントといったところだろうか。


・顔から転んだ説

次にありそうなものは、転んでできたキズ。大抵このタイプのキャラは慌て者でおっちょこちょいであることが多い。したがって、何かの拍子に転んでキズを作ることは大いにあり得る。

しかしながら、とっさに手が出るだろうし、やっぱり鼻の頭が先にあるので、この説の可能性は10パーセントとさせて頂こう。


・ボールが当たった説

わんぱく坊主はあらゆる遊びに精通しており、当然のように野球やサッカーにも夢中だ。そこでありそうなのが、顔面にボールを食らう説だ。それがサッカーでも野球でも構わない。おっちょこちょいなので、脇見をしてボールが顔面に直撃! なんてこともあるだろう。

だが、やはり顔の頂点は鼻になるので、鼻血が出ることはあったとしても、鼻筋に傷ができることは難しいのでは? よって、この可能性は5パーセント


・猫に引っかかれた説

私の中でもっとも有力なのはコレ。飼い猫、もしくは野良猫に引っかかれた説だ。わんぱく坊主が動物と戯れる描写は、漫画やアニメで珍しくないだろう。尻尾を踏んづけてしまって猫が激怒して反撃に出るなんて場面も容易に浮かぶ。

ピンポイントで鼻筋を狙えるのは、先ほどまでの説の中でもコレだけではないだろうか? よってこの説は最有力として30パーセントとさせて頂こう。


・もしかして「サビオか」?

いずれにしても想像の域を出ないわけだが、いろいろ調べていたところ、起源ではないか? と思われるモノに行き当たった。それはサビオだ。

サビオは1963年にニチバンが発売した絆創膏である。1975年にライオン歯磨(現:ライオン)に譲渡され一時期は日本国内で大きなシェアを占めたが、2002年販売終了。2025年に阿蘇製薬からリニューアル発売され、現在は全国展開している

余談だが、北海道や和歌山、広島などでは現在も絆創膏のことを「サビオ」と呼ぶそうだ。


なぜ起源と考えるかというと、1973年に販売していた商品のパッケージに、鼻にサビオを貼る笑顔の少年が描かれていたからだ。テレビCMでも少年の姿が登場していたらしい。

あれこれ調べているうちにオークションサイトやフリマサイトで、この古いパッケージケースを目にして、鼻絆創膏の起源はサビオではないかと考えるに至ったのだ。


要するに、鼻筋にキズを負って絆創膏を貼ったのではなく、「わんぱくの証」として貼っていた。そう考えた方がしっくりくる。つまり、ケガを癒すためではなくアイコニックな装飾として絆創膏をつけていたのだろう。キャラに個性を持たせる意味で、鼻絆創膏は良い目印の役割を果たしていた……と、私は考えるのだ。。

ちなみに現代では、鼻腔を拡張するために鼻筋に貼る絆創膏というものがある。運動時の呼吸効率をアップさせたり、鼻通りをよくしていびきを抑制するのに効果があるのだとか。

これを考慮すると、今後は鼻絆創膏をつけたキャラは「いびきを抑制しようとしてるんだな」と受け取られるようになるかも?


なお、阿蘇製薬のサビオ公式サイトによると、絆創膏を「サビオ」と呼ぶのは北海道・和歌山・広島だけで、「キズバン」は全国でも富山だけの呼称となっている。

そのほかにも「大判焼きの呼び方」「棒アイスの呼び方」などを紹介しているので、ぜひチェックしてくれよな!


参考リンク:阿蘇製薬株式会社
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
イラスト:GEMINI

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