
オッサンだらけの当編集部には、毎年のようにダイエットに挑む者、禁煙に挑む者、育毛に人生をかける者など……ストレスや悩みを抱え、それをネタに変えて力強く生きる記者がズラリと揃っている。しかし!
私(砂子間)とあひるねこは、ダイエットをしていない。タバコを吸ったこともない。育毛対策もまだしていない。なんなら健康診断もほぼA判定。ストレスもそれほどない……つまり、悩みがないのである。もしかして、オッサン記者として致命的ではないだろうか。
そんな我々「No No ブラザーズ」が、自らの殻を破って「Yes Yes ブラザーズ」になるべく、圧倒的な変身を遂げることに成功したので報告したい。
・殻を破りたい
ある日の編集部。我々はいつもどおりオフィスの片隅で穏やかにキーボードを叩いていた。こんな仕事を選んでおきながら、波風立てず、炎上せず、無難に生きるのが我々のスタイル。
しかし同時に「このまま無味無臭の中年で終わっていいのか?」という焦りがないわけではなかった。もはや我々の問題は “悩みがないこと” ではない…… “自分の殻を破ろうとしていないこと” だと言えるだろう。
自分で言うのも何だが、他のメンバーが刺激的過ぎるし、逆に我々は好青年過ぎた。死ぬほど頑張ってズバ抜けなければ認めてもらえないこの世界で、我々はあまりにも「ちょうどいい普通のオッサン」という枠に収まりすぎている。ならば……
「自分の殻を……」
「破るしかねぇ……!」
「絶対に……」
「破るしかねぇ……!」
「自分の殻なんか……」
「バリバリに……」
「破るしかねェェエエエエ!」
・破ってみた
編集部は個性の海だ。岸で潮風に吹かれているだけでは何も起こらない。自ら荒波に飛び込み、波に飲まれ、溺れかけてでも、その海を泳ぎ切る者だけが「ロケニューの記者」を名乗ることができる。我々はその岸に長く立ちすぎた。
──などと格好つけたことを言っているが、要するにギャル男に変身した。
いや、「我々の思うギャル男」と言った方が正しいかもしれない。殻を破って(ギャル男になって)気づいたことがある……景色は一切変わっていない。変わったのは俺たち自身だ。
いつもの編集部が歌舞伎町に見える。どうやら眠っていた魂(ソウル)が目を覚ましたらしい。俺たちの青春はまだ終わっていない……いや、始まってすらいなかった。
ちなみに我々の変身費用はかなりリーズナブルで……カツラはネット通販で約2000円、上着はワークマンで約1000円、短パンはユニクロで約2000円、サングラスとバラはダイソーで110円。2人分でトータル約1万円。殻を破るコストとしては激安だ。
気づけば、オッサンとギャル男のシンクロ率は400%を突破……我々の肉体がギャル男の魂と一体化して取り込まれていく。
我々はただ自分の殻を破ろうとしただけなのに、このままでは完全体のギャル男になってしまう。あひるねこは「それはそれで望むところ」と小声で呟いていた。覚悟が違うし、バラが異常に似合っている。
そういえば「殻を破る努力は本当に苦しいもの、そして怖いもの」と聞いたことがある。たしかに暗闇に飛び込むようなチャレンジは勇気が必要だった。しかし……
・新宿が祝福
実際は殻を破ってからの方が怖さを感じる。もしかしたら我々は殻を破りすぎたかもしれない。「ギャル男とは何か?」を知らずにギャル男になった健康診断A判定のオッサンは世に出ていいはずがないだろう。しかしもう遅い。我々を止めることはできない。
──勢いのまま編集部を飛び出すと、繁華街のあのメロディが我々を祝福してくれた。
バ〜ニラ、バニラ
バ〜ニラ
求人!
バ〜ニラ、バニラ
高収入〜♪
・個性とは
ダイエットをせず、タバコも吸わず、育毛もせず、健康診断A判定のままストレスなく生きてきた普通のオッサン「No No ブラザーズ」が……
ついに自分の殻を破り、新宿で舞った……!
そしてその時! 我々の目の前に急に現れたのは……ちゃんみなに憧れてまゆげブリーチをした男・サンミナだった。
サンミナ「あんたたちはNo No ブラザーズじゃないよ……Yes Yesブラザーズだよ」
ありがとうサンミナ。
完
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼殻、破れたかな……
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