
昨年、伊勢神宮へ参拝した際、タクシーの運転手さんに案内してもらったのが近鉄・宇治山田駅前の沢村栄治像だった。戦前の大投手の像がこんな場所にあったのか……と感心しつつ写真を撮っていたのだが、そういえば宇治山田駅もただならぬ雰囲気を放っていた。
伊勢観光といえば伊勢神宮くらいの認識しかなかったが、沢村栄治像も凄いし宇治山田駅もなんだかヤバい。ちょっと見学してみたい……というわけで、駅舎をじっくり見てきたでござる。
・宇治山田駅が凄い
調べたところ、宇治山田駅が開業したのは1931年(昭和6年)。当時の市名が宇治山田市だったことが駅名の由来で、伊勢神宮への参拝客を迎える玄関口として整備された駅だという。駅舎自体が「登録有形文化財」になっているという。そりゃあもう完全に納得。
たしかに地方のターミナル駅とは明らかに違う存在感で、現役の駅でありながら時間が止まっているような感覚すら覚える。貴賓室があり、天皇陛下や内閣総理大臣等の伊勢神宮参拝の際の乗降駅となっているらしい。調べれば調べるほど凄い駅だということが分かる。
外観だけでも十分に見応えがあるが構内もヤバい。天井は高く、照明や窓のデザインもクラシックで教会の聖堂のようなオーラ……「日本一美しい駅舎」の1つなのは確か。当時の人たちは「伊勢に来た」という高揚感をここで味わっていたのだろう。
・当時の雰囲気がそのまま味わえる
今回訪れた夕方の時間帯はちょうどライトアップされていて映画のワンシーンみたいだった。観光地としてガッツリ紹介されることは少ないが、写真好きや建築好きなら押さえておきたいスポットではないだろうか。沢村栄治像と併せてじっくり堪能してほしい。
伊勢観光といえば多くの人が伊勢神宮を目的に訪れるはず。参拝を終えて、長旅の疲れを癒す消化のよい伊勢うどんを食べてそのまま帰ってしまうのはやはり惜しい。
・見ておいてよかった
宇治山田駅は、伊勢神宮が最もにぎわっていた時代の空気をそのまま建物として残しているような存在だ。タクシー運転手さんに沢村栄治像を案内してもらわなければ正直スルーしていたと思うが、知ってしまうと「見ておいてよかった」と心から思える駅だった。
改札を出て駅舎を眺めて写真を撮るだけでも十分価値があるし、伊勢市駅からも近いのでぜひ!
・今回ご紹介した施設の詳細データ
名称:宇治山田駅
住所:三重県伊勢市岩渕2丁目1-43
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.