あまり自分のことばかりネタにするのもどうかと思うが、42歳にして妊娠した。

いわゆる高齢出産の部類に入るわけで、妊娠の喜びと同時に不安も抱く毎日。現在、妊娠6ヶ月に入って安定期を迎え、つわりの症状も落ち着いた。

高齢ゆえに周囲には出産経験者が多く、なんとな〜く「つわり」の知識はあるような気がしていたのだが……。

私が経験した「つわり」は思ってたのとだいぶ違う感じで、悩まされたのは意外な症状だった。

※あくまでも私個人の体験談です

・妊娠初期の「つわり」

一般的に会社や周囲の人に妊娠を報告するのは、流産の可能性が落ち着いた妊娠12週ごろ。

しかし、まだ腹も出ていない妊娠8週〜12週ごろが、つわりのピークと言われている。ホルモンバランスの変化でめちゃくちゃ体調が悪いし、とにかく気持ち悪い。

周囲に言ってないからマタニティーマークも付けづらいし、腹も出てないから妊婦だとわかりづらいのに、体調は死ぬほど悪い。しかも流産の可能性も高いしで、試練の時である。

もし全然お腹が出てないけどマタニティーマークをつけてる人を見たら、電車やバスでぜひ席を譲ってあげてほしい。この頃、席を譲ってくれる人は本当に神か仏に見えていたし、心の底から感謝し「この人に何かいいことありますように」と祈りまくっていた。

手っ取り早く徳を積みたいなら、妊婦に席を譲るというのはアリだと思う(もちろん無理する必要はないが)。


・人によって全然違うつわり

これはよく言われることだが「つわり」の症状や辛さは千差万別。めちゃくちゃつわりが重い人もいれば、そうでない人もいる。

映画やドラマでよく出てくる「ウッ」と口をおさえて、トイレに駆け込み嘔吐する……というのが一般的なつわりのイメージだと思う。

それはいわゆる「吐きづわり」というやつなのだが、みんながみんなゲロを吐くわけではない。

私のつわりは「食べづわり」というやつだったのだが、実は「食べづわり派」もかなり多いのである。

妊婦の多くが入れていると思われる、たまひよアプリの掲示板でも吐きづわり派と食べづわり派は半々くらいだったと思う。

・食事が苦痛の「食べづわり」

「食べづわり」というと「な〜んだ、吐くより食欲が増すなら健康的でいいじゃん」などと思われそうだが、言葉のイメージとは全然違う。

食べづわりは空腹感を少しでも感じると、めちゃくちゃ具合が悪くなる……という感じなのだが、かといって、食べても気持ちが悪いし、なんなら食欲自体はそんなにないのである。

「全然何も食べたくない、でも食べないとさらに具合が悪くなるから、なんか口に入れないといけない」という矛盾した状態で、しかも、食べられるものは限られており、日によって全然違った。

「何を食べてもマズいけど、かろうじて食べられるものを必死に探す」という具合で、めちゃくちゃ食べるのが好きな私とは思えないほど食事が苦痛だった。

脂っこいものとか、ダシの味がするもの、肉類、温かい食べ物が全然ダメで


・食パン
・焼き芋
・冷麺
・カロリーメイト
・お餅
・ツナマヨや梅のおにぎり
・フライドポテト(妊婦はなぜかフライドポテトなら食べれる人が多い)


あたりなら食べられていた気がする。はたから見たら食いしん坊だが、全然そんな感じじゃない。

食べ物が並んでるのを見るだけで気持ち悪くて吐きそうなのに、スーパーを彷徨って「今日」食べられそうなものを必死に探す。食べられたものをまとめて買ったとしても、次の日は気持ち悪くて一口も食べられないこともある。

でも、食べられるだけマシだったかな……とも思う。吐きづわりの人の中には、水すら飲めずに点滴を打つ人もいるくらいだから。

余談だけど、辻ちゃんが第5子妊娠の第6週から17週までのつわりレポートをしていたが、マジでノーメイクで具合悪くて何もできないのを公開していて、あれは共感しきりだった。「妊娠中でも元気で綺麗なママ!」みたいな姿は全然見せてないので、本当にリアル。

・それ以上に困ったメンタルの変化

「食べづわり」の他にも眠くなるとか、異常に疲れやすいとか、頭痛とか頻尿とか色々あったが、個人的に困ったのがメンタルの変化だった。


ある日突然、すべてのものに興味がなくなってしまったのだ。


自分の中がからっぽになった感覚で、グルメはもちろん、面白かったはずの小説や映画も、街歩きもメイクも服も、SNSも、美しいと思っていた花も、な〜〜〜〜〜〜んにも興味がなくなってしまった。これは実はけっこう多いらしい。

とにかく何にもしたくない。ひたすら横になって寝るだけ。世界が灰色に見える。

ネットの記事や小説を読んでいても、集中力がまったく続かなくて、ただ目が疲れるだけ。書店に行っても、棚に並んだ本の情報量でウッとなってすぐに出てきてしまう。

マタニティ系の本には、出産後には子連れで行きづらい場所が出てくるから、行きたい場所は妊娠中になるべく行ったほうがいいなどと書かれているけど、どっこも行きたくないし、何が好きだったかも思い出せね〜〜〜!


人生42年、好奇心だけで生きてきたというのに、自分が自分じゃなくなる感覚が恐ろしかった


何より、記事を書いたり世の中にアンテナを張ったりするのを仕事にしているので、仕事の面でも致命的で、記事が進まないこと進まないこと。

このまま「無」の人間になったらどうしよう……仕事を辞めないといけないかもしれないと絶望感すら感じていた。死にたくなるとか、やたらと悲しくなるとかじゃなくてよかったけど……。

・安定期に入って治った

メンタルの無気力症状は、ホルモンバランスの変化によるつわりの一種だったようで、安定期に入ったら落ち着いたので、本当にホッとした。自分が自分じゃなくなる感覚、本当に怖かった……。

今はマタニティハイだかなんだかわからないが、やたらと世界が輝いて見えるときがあり、ちょっとしたことで感動して泣いたりしている。とりあえず好奇心が戻ってきてよかった。

ただ、食欲に関しては前ほどは戻っておらず、胃の圧迫による胃もたれがあるので、グルメ系の記事には苦戦している。


参考リンク:厚生労働省
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.

▼辻ちゃんの6週から17週のつわりレポート動画。ずっと具合悪そう。男性も必見!