
「渋谷がデスゲームに侵食されているらしい」という、それが事実なら今すぐ渋谷を離れるべき案件の真偽を確認するため、あえて渋谷へやってきた。本物のデスゲームであれば真っ先に死ぬ奴の行動と言わざるをえないが、とりあえずスクランブル交差点を渡ってみよう。
すると……何やら不穏なビラ配りに遭遇。そこには「鬼ごっこをするだけで、最大1000億円」と書かれていた。誰がどう見ても “失敗したら命取られるタイプのデスゲーム” であるが、果たしてルールはどうなっているのだろう?
気になってきちゃったので、ちょっと渋谷を探索してみることにしたぞ!
・事件を目撃
12月21日の昼。渋谷スクランブル交差点・三千里薬局前跡地には、このような巨大看板が出現していた。
「ランニング・マン、募集中」……何のこっちゃサッパリ分からん。そう思いながらしばし眺めていたところ、道ゆく人々も「え、何これ?」と言いながら通り過ぎていた。ですよね〜。
そろそろネタばらしをすると、これは2026年1月30日に公開される映画『ランニング・マン』のプロモーション。「主人公が30日間の “イカれた鬼ごっこ” に参加する」という内容で、ルールは「捕まれば即死」とのことだ……うん。そんな気はしてた。
・突然の激アツ展開
他にも渋谷駅周辺で『ランニング・マン』の様々なプロモーションが展開されているらしいので、あてもなくフラついてみることに。すると……どこからか、平成を生きた日本人の耳にこびりついて離れない “あの声” が聞こえてきた。
「今日はみなさんに、一攫千金のスペシャルなニュースがありま〜す!」
こ、この声は!!!!!!
ランニング・マンのアドトラックから流れてくるのは、ミヤムーこと声優・宮村優子さんの声。本プロモーションにおいて、宮村さんは “デスゲームのルール説明のナレーション” を担当されているらしい。
アニメ『エヴァンゲリオン』シリーズのアスカ役として知られる宮村さんだが、2000年公開の映画『バトル・ロワイアル』に “ルール説明ビデオのお姉さん” として出演したことで、当時を知る者に強烈なインパクトを残した。
『バトル・ロワイアル』から25年の時を経て、宮村さんボイスによるデスゲームのルール説明を拝聴できる……バトロワブーム世代にとって、思わず拳を突き上げそうになるほどの興奮が、そこにはあった。「不穏だ」とか言ったけど前言撤回。このナレーションを聴くだけでも渋谷へ来る価値アリ!!!
・街じゅうランニング・マン
また現在、首都圏では約1300カ所以上に「ランニング・マン募集中」のポスターが掲示されている。
飲食店が並ぶ雑居ビルのさりげない壁面に……
一見して映画のポスターだとは気づかない、「人生逆転してみない?」と書かれた怪しいピンクのポスター。本当の参加者を募集しているワケではないから注意な!
それからランニング・マンの電子ポスターを背負ったアドマンも無言で渋谷を徘徊中だ。なんと捕まえると記念品がもらえるとのこと。毎日いるわけではなく、残りは12月27日(土)と12月28日(日)らしいので急いで捕まえてくれ!!
・なんかヤバい人おる
至るところがランニング・マン仕様になっている渋谷駅周辺。ひととおり満喫し終え、最初の地点へ戻ってきた。
すると……
おや!?!?
1時間前とは違うビラが配られている……だと!?
先ほどまで「鬼ごっこをするだけで、最大1000億円」などと景気のいい言葉が並んでいたビラは白く塗りつぶされ、「絶対に検索するな!!」「だまされるな!!」といった手書き風の文字に書き換えられている。
そればかりか……
看板にスプレーで落書きしとる人おる。
渋谷スクランブル交差点で白昼堂々行われた看板書き換えパフォーマンス。幸いなことにコレもプロモーションの一環であるが、「渋谷の治安ヤベエ」と震え上がった通行人もいただろう。
「一攫千金の鬼ごっこ」の部分が白く塗りつぶされ、「絶対に検索するな!!」と真逆の意味に書き換えられていく巨大看板。この怖そうな人は一体どういう立ち位置なのか? そして映画『ランニング・マン』とは、果たしてどういうストーリーなのか……?
完成した看板がこちら。さすがに気になるので調べたところ、『ランニング・マン』はスティーヴン・キング原作の究極デスゲーム映画。原作は80年代に出版され、『バトル・ロワイアル』、『イカゲーム』、『イクサガミ』といった、デスゲームジャンルの原点となった伝説的な小説である。監督を務めるのは唯一無二の選曲センスとスタイリッシュな映像美で知られるエドガー・ライトだ。
グレン・パウエル演じる主人公のベンは娘の治療費を捻出するため、巨額の賞金が得られるというリアリティショー「ランニング・マン」への参加を決意。しかしその実態は、殺人ハンターの追跡に加え、全視聴者すら敵になる、捕まれば即死の30日間の “鬼ごっこ” だった……。
というのが、映画『ランニング・マン』のストーリーである。自分の身に起きるのは絶対カンベンだけど、映画としてはほぼ確で面白いヤツですね、これ。
ちなみに看板の現在の様子がこちら。「よく分からんけど写真撮っとこ」とカメラを向ける通行人が続出する事態となっている。
映画『ランニング・マン』の渋谷ジャックは12月29日まで。何度も言うけど、個人的にはアドトラックだけでも絶対に見ておいてほしいと思う。どことなく不穏な渋谷を感じたい人、スクランブル交差点あたりに集合!
参考リンク:ランニング・マン
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.