2025年12月12日から、くら寿司で「かにフェア」がスタートした。ちょうど旬だしなぁ。ラインアップは定番ネタで固めてきた感じかな?

いや、待て……なんだこれは。このメニューに、回転寿司屋がそんな手間を? 正気か? 

・3年かけた

それは、フェアのページを下までスクロールすると出てくる「おすすめサイドメニュー!」のコーナーにいる。

この「極太くら麺」というやつだ。見た感じ、ちょっと麺が太いだけのうどんに見える。しかし「開発期間3年」と書かれている。


くら寿司は東証プライム上場のけっこうデカい企業だ。それが3年もかけたというのは尋常ではない。

丸亀や はなまるうどん みたいなうどん屋が新型麵の開発に投資するならわかる。しかし くら寿司は寿司屋。

開発対象が、うどん界最大勢力の讃岐うどんなところもポイントだ。讃岐うどんなら、絶対その辺で極細から極太までどんなものでも作ってる専門業者がありそうだろ

3年もかけて自社開発する意味とメリットは、本当にあったのか? 好奇心が限界突破した私は、とりあえず くら寿司に向かった。


・本気の太さ

問題の極太うどんは2種。釜玉と釜揚げを選べるようだ。価格は公式HPだと前者が600円、後者が540円となっている。しかし店舗によって価格が異なるもよう。私の行った店舗では両方とも10円高かった。


ようし、とりあえず釜玉でいこう。オーダーし、待つことしばし。いざ届いたものを目の当たりにしても、ぶっちゃけ麺のサイズ感がよくわからない。


しかし、箸でつまんでみたら、ガチで極太なことが実感できた。これは本当に太いじゃんね……


麺の太さは完全に均一とはいえず、所によって1ミリ前後の揺らぎがあるのだが、とりあえずつまんだ部分の断面の1辺は、恐らく割る前の割り箸の先端と同じくらい太い。1㎝弱くらいの太さがあるのでは?


これはガチで、香川県内の特製の極太麺がウリな有名うどん屋とかでしか見ない太さですわ……! 業務用としてその辺で売ってる乾燥うどんの極太タイプより明らかに太い。


これなら、自社開発するしかなかったとしても納得だ。そして、食べたら3年かけた意味も大いにあったと確信した! よくできてるぞ!!

ゴッニュゴニュの歯ごたえで、コシの権化みたいになっている。失敗した太麺にありがちな粉っぽさとかは無く、プルチュルで美味い! ちゃんと讃岐うどんとして美味しい極太麺に仕上がっている

濃い味付けの つゆ もよく合う。これは主役のクオリティ。もう くら寿司、極太系うどん屋でいいだろ。惜しむらくは、やっぱりくら寿司は寿司屋なので、うどん単体の量が少なく、バリエーションが乏しい点か。

しかしこれは本当に仕上がってるぞ。実は東京とその近郊に、極太系讃岐うどんの店は少ない。桐生うどんや武蔵野うどんのような、讃岐ではない別のうどんの極太タイプならあるのだけれど。

もしかしたら「極太くら麺」の登場をもって、くら寿司が極太讃岐うどん界の最大勢力になったのではないか。関東でマジな極太讃岐うどんを食べるなら、現状はくら寿司という面白すぎる状況は発生している。

参考リンク:くら寿司
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼せっかくなので、他のサイドメニューも試した。うどんの横にチラ見えしてポテンシャルを感じたのが「国産天然ふぐ出汁らーめん」。

けっこうちゃんと、フグの出汁が出ており、フグスープ感。麺や具は、こいつをラーメンたらしめるための装飾みたいな感じ。

しかし香味油の量の問題かスープがいささかオイリーで、フグの繊細なフワッとした軽やかさと反発しているようにも感じた。どうにかもう少しクリアで澄んだ口当たりになっていたらトップを狙えたかもしれない。

フグな気分ならラーメンよりも「超熟成 まふぐ一貫」がお勧め。

▼「太刀魚ミニ丼」。本当にミニサイズな点に留意。

カリッカリに揚がった太刀魚が特徴的だ。タレはとても甘いタイプ。

私の好きな太刀魚丼は、熊本のものだ。特に不知火海のあたりでよく出てくるタイプがたまらなく好きだ。身がふっくらフワッとなる揚げ方で、ただ甘いのではなく、ピリッと唐辛子も利かせ、甘辛に仕上げてくるのだ。

くら寿司のとはだいぶ異なるので、私の好みでは無かった。しかしカリカリで甘いタイプも、好きな人には刺さると思う。