『カレーは飲み物。』で知られるのみもの株式会社が、2025年3月27日新業態の店をオープンした。その名も『たぬきは飲み物。』DA。

……絶対に違うだろ。もはやそう突っ込まざるを得ないほどに文章が狂っているが、これはたぬきそば専門店なんだそうな。しかし、そばと言えば同社はすでに『なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。』というそば屋をやっている。そこで違いをスタッフさんに聞いてみた。

・麺

当初、私(中澤)は「麺が違うのかな?」と思った。『なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。』のガシガシしてコシのある麺は、そばの括りで考えるとかなり特殊である。あっちはつけ蕎麦だからというのがあるけど、それがもっとザ・蕎麦という麺になっているのかなあと。

だが、店舗にいたスタッフさんに麺について話を聞いてみたところ、マイナーチェンジはしているものの、大枠は同じものらしい。食べてみると、確かにつけ麺感が強いバツっとした独特の食感は健在だった。

・つゆ

ちなみに、つゆにラー油も入っている。甘くコク深い口当たりから、ラー油のピリ辛が効いてくるつゆは確かにめっちゃウマイんだけど、だとすると具が違うだけ? いや、そうではなかった

スタッフさんいわく、『たぬきは飲み物。』は「ラー油とワサビのハーモニーを重視している」とのこと。なるほど、確かに器の端にワサビがついている。そこでワサビをよく溶かして食べてみたところ……

印象がすっごい変わった。ワサビがつゆの甘みを引き締める上、後味がスッキリしてむしろ爽やかな食べ心地。ラー油入ってるのになあ。不思議な味である。



・たぬきそばの概念を越える

なお、私が注文したのは冷やしたぬきそばM(890円)に肉盛り1.5倍(+450円)だったのだが、これに代表されるように、エビ天ぷら(+300円)、ちくわ磯部揚げ(+200円)など、トッピングにおいてもたぬきそばの概念を越えている

さらには、無料トッピングとして用意されている天カスが全然カスじゃない。天カスに入ってるのは春菊だろうか? むしろ、天カスをこれ用に作ってるレベルの大きさで、トッピング必要ないくらいのトッピング力(りょく)を感じた。

油揚げも入ってるし、添えられたうずら卵にはカレー味もついている。これら全てが、食べ進めるほどに一体化して濃厚に変化していく味はたぬきそばとは思えない。オリジナリティーが凄すぎて、海原雄山だったらブチギレるレベル。


というわけで、たぬきそばにおいても我が道を行きまくりだったのみもの株式会社。この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 たぬきは飲み物。
住所 東京都豊島区東池袋1-23-12
営業時間 11:00~16:00(ラストオーダー15:45)、17:30~21:00(ラストオーダー20:45)
定休日 無休

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.


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▼価格帯はこんな感じ。3月29日までたぬきそば半額キャンペーン中らしい

▼サンシャイン60通りの脇道飲食街の端にオープンしてるぞ

▼完全に立って食べるスタイル

▼Mサイズでもかなり多め

▼トッピングの肉には大和煮みたいな味がついていた

▼天カスの主張が強い

▼調味料に特製ニンニクラー油

▼食べ進めるうちに一体化していく味を、調味料を使ってより強くしたりもできる

▼めっちゃウマイけど海原雄山はブチギレそう

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