ロケットニュース24

価格差3.5倍! 368円と1280円の片耳ステレオイヤホンを聞き比べたら意外な結果に【格安イヤホン探訪番外編】

37分前

格安イヤホン探訪」は、格安有線イヤホンから無線イヤホンのレビューに移行する。そのつもりで昨年、ダイソーで販売している税別1000円の4製品を比較した。

が! 私(佐藤)に「片耳で左右の音声を聴ける格安イヤホン」の評論を、お願いできますでしょうか?」とのメッセージがあったので、急きょ、片耳有線の聞き比べを行うことにした。368円と1280円の2製品、価格からして差は歴然なのだが、聞き比べたら意外な結果に!?

・ヤザワの片耳

本当は3製品を比較するつもりだったのだが、そのうちひとつが両耳だった。いかん、片耳は買い慣れていないので、空目して取り違えてしまったらしい。何卒、ご容赦を……。


ってことで2つの比較になるわけだが、まずひとつは「ヤザワコーポレーション」というメーカーの「TMS1063BK」(368円)というカナル式のモデルだ。

片耳イヤホンの聞き比べをリクエスト頂いた方はコレに近しいモデル(TMS1061BK)を使っているとのこと。100均よりも音が良いとの理由で使っているそうである。


製品仕様はこんな感じ。片耳とはいえ、仕様は両耳のものとあまり変わらないな。


開封して驚いたのだが、イヤーピースが3サイズ(S・M・L)付属している。100円台の両耳イヤホンでもイヤーピースがついてないのは珍しくなかったので、この製品はかなり良心的と言えるだろう。


当たり前だが、これにLR(左右)という概念はない。両方Lとも言えるし、両方Rとも言える。左右の音を一緒に聞けるというのは、なんとも不思議な感覚である。


装着した感触は悪くない。強いて気になることがあるとすれば、ケーブルが細いことだ。すぐに断線する気がしてならないな。


・富士パーツの片耳

そしてもう一方は、「株式会社富士パーツ商会」というメーカーの「耳掛け式 オープンイヤー型 片耳ステレオイヤホン」(税込1280円)である。


極端に価格の差が開いてしまったが、ステレオの片耳イヤホンは種類が少なくほかになかったからだ。モノラル片耳は結構あるんだけどね。


これに製品仕様の記載はなく、ざっくりとした売り文句しか記されてなかった。


耳掛け式なのでイヤーピースは不要。特徴としては線が太いことだろうか、断線しにくいだろうからなので安心して使えそうだ。


イヤホンというにはかなり大きい。片耳ヘッドフォンといっても差し支えないかも。音質が良ければ、ヘッドフォンを片耳で使う機会が多い、DJプレイでも役立つかな。


装着するとこんな感じ。耳をすっぽりと覆うような格好だ。引っ掛けるだけのタイプではないので、落ち着きがよくて外れにくい。


・聞き比べ

さっそく聞き比べてみたいと思う。今回使用する楽曲はレニー・クラヴィッツの「Are You Gonna Go My Way」、邦題を「自由への疾走」という。

この曲は、彼の3枚目のアルバムのタイトル曲で大ヒットして、彼を世界的なロックミュージシャンに一躍押し上げた。繰り返しのギターリフが印象的なロックナンバーである。


まずヤザワで聞いてみたところ、正直かなりビビった! 音がいいじゃないの! 片耳とはいえバランスが良く、高・中・低音、いずれも心地よく聞こえている。

これが300円台だと!? と驚かざるを得ない。片耳ゆえに、音場の広がりは感じられないけど、構造的に仕方がない。その弱点を補って有り余る音の良さである。かなり片耳を侮っていただけに、受けたインパクトはかなりのものだ。


続いて富士パーツの方を聞くと、先ほどとは逆のインパクト。高音ばかりが耳に入って、低音が感じられない。


これまた構造上の弱点なのだが、オープンイヤーであるゆえに耳とイヤホンの隙間から音が抜けてしまう。とくにオープンイヤーはカナル式より低音に弱い造りをしているので、それで高音が強調されているように聞こえたのかも。

いずれにしても、ケーブルの太さを踏まえたとしても、1200円に見合う価値かどうか……


余談だが、私は普段自宅で両耳イヤホンを片耳で使用している。というのは、動画を見るにしてもゲームをするにしても、両耳ふさぐと妻の呼びかけに気づかないからだ。

今回の結果を踏まえると、ヤザワを使っても良いかな? と思った。だが、やっぱり線の細さが気になる。3メートルの長いケーブルに足をひっかけて断線する気がしてしまうんだよなあ……。

とにかく、ヤザワの片耳イヤホンは音がよかった。しかも安い! 片耳を探している人にはオススメです。


執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼こちらもどうぞ!

モバイルバージョンを終了