ちょっと信じられないことが起きたので、最初にありのままをお伝えしておこう。「ただ新宿駅を歩いていただけなのに、気づいたらケツが丸出しになっていた」……これは私の身に起きた100%偽りのない真実である。
「この場合ケツと顔どちらを隠すべきなのか?」そんなことを考えながら当サイトの事務所へ駆け込んだ私は、たったいま自分の身に起きた出来事を包み隠さず同僚たちに伝えた。すると……
「そんなことあるワケねぇだろ」と一蹴されてしまい、怒りに身を震わせ拳握りしめる私。こうなったら同じ状況を再現し、本当にケツ丸出しになることを証明してみせるしかねぇ!
・コトのいきさつ
この日、私は自宅最寄駅から電車で新宿駅へ向かっていた。電車のドアを鏡代わりに全身をチェックするクセがあるので、この時点では決してケツは出ていなかったハズである。
そこからメトロプロムナード(新宿の地下道)を延々と進み……
途中、サブナードの三平ストア(スーパー)で買い物をした。
そのまま新宿3丁目方面へ向かい、いつもの「C8出口」のエスカレーターを登ったところで……
私はようやく、鏡に映った自分の姿を確認した。ケツ丸出しというより「下に何も履いていない」状態だった。スカートがめくれ上がって腰周辺で腹巻き状になっていたのである。
正確にはパンツとタイツを履いていたので “下にパンツとタイツだけ履いてる人” となり、これが男性であれば職務質問じゃ済まない騒ぎだったと思う。
電車を降りてからここまで、約30分。歩行距離約1キロ。一体なぜこんなことに? いつからこうだった?
そして、なぜ誰も教えてくれなかった…………?
・ありがちミステイク
こちらがその日の私のファッション。
私にとって今シーズン初のタイツ着用日。しかし冬と呼ぶにはあまりにポカポカ日和だったため、 “夏物のスカートの下にタイツ” という、あまり大きな声では言えないコーディネートになっていたことは事実である。
「ま、見た目じゃ分かんないし別にいいっしょ」という考えが後の悲劇を生むワケだが……一旦おいといて、来た時と同じルートを同じ服装で歩く検証を敢行したいと思う。
上記の服装に、フリースダウンと総重量約3キロのリュックを背負っていざ、新宿駅方面へ。
・検証開始
事務所を出て50メートル。今のところケツが出る気配はない。
200メートル……変化なし。
ただ、撮影者に言われて気づいたのだが、スカートとタイツの密着感がエグい感じになっていた。体感として、おそらく静電気と摩擦が影響していると推測される。ちなみにスカートの成分は「ポリエステル44%・綿43%・ナイロン13%」、タイツは「110デニール」……え〜と、よく分かりません。
・危険! 季節の変わり目
さらに歩みを進め……
伊勢丹の地下あたりで、一旦止まるよう撮影者に指示された。彼いわく「かなりキている」らしい。
本来は足首あたりまであったはずのロングスカートが、気付けば膝上ミニスカートになっていた。「一気に短くなったとかはなく、気が付かないくらいの速度で徐々に短くなっていった感じ」と撮影者は語る。
ルミネエスト手前。私個人の感覚としては「もう出ている」のだが、撮影者目線では「ギリ出ていないように見える」のだそう。タイツの黒さでうまくごまかせている系だろうか?
そしてJRの改札へ向かう階段の途中で……
撮影者「あ、完全に出たのでここでストップです」
非情にも撮影中止が告げられた。事務所を出てからここまで、わずか14分。つまり昼間、三平ストアを訪れたあたりの段階で、私はすでにケツ丸出しだった可能性が高い。嘘つき疑惑が晴れたことは喜ばしいけど、シンプルに恥ずかしい。あと動画とか晒されてないか怖い。
それにしても……利用者が日本一多い(1日約300万人)とされる新宿駅で、誰一人「ケツ出てますよ」と私の肩を叩いてくれる人がいなかったのは、あまりにも悲しすぎる現実ではないだろうか。これが東京か? 狂った街なのか?
・あなたならどうする?
結局のところ、私のケツが丸出しになった正確な理由は不明。しかし先にお伝えしたとおり、おそらく「薄手の夏物スカートがタイツの摩擦に耐えられなかったうえ、リュックとダウンがストッパーの役割を果たしてしまった」ことが原因であると推測される。
寒かったり暑かったりするこの季節、衣替えが中途半端なままになっている人も多いだろう。それ自体は別に悪いことではないが、今回のような悲劇の当事者にならぬよう、なるべく頻繁に鏡を見ることをオススメしたい。自意識過剰くらいがちょうどいい。
なお “誰も教えてくれなかった問題” について、先ほど「TOKYO 狂った街」などと恨み言を申し上げたが、後から冷静に考えてみると「自分が逆の立場でも教えてあげられないかもしれない」と思った。
なぜならここ新宿には “ケツ丸出し、もしくはそれに準じたファッションの人” がザラに歩いているから。よほどの異常事態でない限り「ワザとか・ワザとじゃないか」を判断するのは至難の業だ。私に声をかけるべきか、悩んだ人もいたかもしれない。だとすれば逆に申し訳ねぇ。
ってことで、1つだけ言い切れるのは「自分のビジュアルは自分で管理しろ」ってこと。特にタイツは危険だ……現場からは以上です。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼正面から見るとセーフだったんですけどね