
熱狂的に支持される人気グルメながら、初心者にはハードルが高い二郎系ラーメン。「呪文のよう」と称される独特のオーダー方法やローカルルールのほか、周囲と食べるペースが合わない「ロット乱し」は嫌われるとも聞く。
食べきれなかったらどうしよう、遅れたらどうしよう……そんな不安から筆者は一度も入店したことがない。でも食べてみたい。本家は無理でも、二郎インスパイアというものを体験してみたい……!
そんな思いで悶々としていたのだが、ハッと気づいた。あるじゃないか、少食でも遅食でも猫舌でもまったく問題なく食べられる方法が……!
・カラオケパセラの「ラーメンパ郎」
やって来たのは「カラオケパセラ 秋葉原昭和通り館」。同店限定のフードメニュー「ラーメンパ郎」をオーダーするのだ。実は「ラーメンパ郎」自体は過去に当サイトで紹介しているのだが、10年以上前なので改めて取り上げたい。
さて、南国バリ風の店舗デザインを特徴とするパセラのなかで、秋葉原昭和通り館だけは異色。ゲームやアニメ作品とコラボしたコンセプトルームのほか、スタンダードルームもテーマパークのような昭和レトロデザインになっていた。
今回利用した部屋は、ふすま、ちゃぶ台、黒電話、和だんすなどが配置された「ちゃぶ台ルーム」! 経年劣化を表現したウェザリング加工が雰囲気満点!! 座椅子に座って歌うという摩訶不思議な体験ができる。
思わず写真を撮りまくってしまったが、こんなことをしている場合ではない。フードをオーダーしなくては。
オーダーはタブレットから。二郎系で初見殺しとされる「ニンニクスコシ ヤサイマシマシ アブラ カラメ……」などのトッピングオーダーも、ラーメンパ郎なら画面をタップするだけ。実店舗ほどの細かいアレンジはできないが、まったく焦ることなく自分のペースでオーダーできる。
歌いながら待つことしばし。ノックとともにフードが届いた。余談だが、同店のスタッフは筆者のような一人客にもとても優しく、感激するくらい親切だった。
ちゃぶ台に据えられた「ラーメンパ郎」(税込990円)! ウワサ通り野菜が山盛りになっている!
角煮か!? と言いたくなるような分厚いチャーシューが2枚。てっぺんに載っているとろっとしたペーストはアブラ?
昭和の和室に高さ15cmの山盛りラーメンが鎮座しているというシュールな光景。いただきます!
モヤシとキャベツの比率が7:3だという野菜部分は、シャキシャキ食感。ダイス状にカットされたタマネギもたっぷり入っている。
野菜をある程度減らさないと麺が見えないので、雪崩を起こさないよう注意しながらせっせと食べる。
スープが見えてきた! 麺がぶっとい!!
グヮシグヮシと噛みごたえがあり、麺だけでもひとつの料理になりそうなくらい存在感がある。
醤油味の濃厚スープで、豚骨のクセやクサみは強くない。野菜が常温に近かったので「運んでくるうちに冷めたのかな?」と思ったらとんでもなかった。麺&スープの部分はあっつあつだ。
チャーシューは甘くて軟らかく、ほろほろと口の中で崩れる。
10分経過。野菜の山がだいぶなくなった。合間にちょいちょい麺も食べていたので、残りはわずかだろうと思ったが違った。スープの下にはまだ「手つかずの丸々ひと玉」くらいの麺があった。嘘だろ。
今回オーダーしたレギュラーサイズの「ラーメンパ郎」で総重量約1kg!!!! さらに同店では2倍、3倍、大鍋入りの鍋パ郎などがある。
作戦変更。スープと一緒だとかなり苦しくなってきたので、取り皿に分けて食べることにする。あとは何も考えずに黙々と麺を口に運ぶ。この時点で食べ始めてから20分になろうとしている。
なかなか減らない麺と格闘。でもここは個室だ。背後で待っている人もいないし、人目もない。口がぱんぱんになるくらい麺を詰め込んでも恥ずかしくない。プレッシャーとは無縁だ。なんて気楽!
およそ30分弱、麺と野菜を食べきった! スープが残るのは許容されるだろうか。すくいきれなかったタマネギも何とぞご容赦いただきたい。あとで絶対に喉がカラッカラになる濃さだったけど、美味しかった!
・カラオケ店という特殊空間のアドバンテージ
カラオケ室料は別途かかるので、金額的には割増となるし、実店舗のようなライブ感もないかもしれない。けれど、普通の店舗には入りにくい……という人にも門戸が開くのはありがたい。一人前は食べられないくらい少食な人でも、カラオケ店なら「複数人でシェア」もできるだろう。
成人女性としては一般的な食欲、食事スピードと思われる筆者でも完食にはなかなか苦戦。もしこれが行列店だったら「いつまで食ってんだよ……」という視線に恐れおののいていたはずだ。カラオケパセラ、貴重な機会をありがとう!
個室で訓練を積んだら、行列店に挑んでみてもいいかもしれないな。精進だ。
参考リンク:カラオケパセラ 秋葉原昭和通り館、ラーメンパ郎
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼レトロルームはちゃぶ台、銭湯、電車、十二星座の4室
▼小料理屋にあるような座椅子と、せんべい座布団
▼黒電話は実際にフロントに通じる
▼部屋はレトロでもシステムは最新! 曲選択もサービスもタブレットから
冨樫さや


















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