世界唯一の “迷惑メール評論家” としてネット犯罪を地味に追いかけ10年以上が経過しているが、昨今のネット犯罪の状況には深く絶望している。
ステルス的に身分を隠して安全を確保し、ネット界のとあるエリアを潜入的に調査しているのだが、そこは私が思っていた以上の地獄だった。
そりゃ闇バイトも、ネット詐欺も、デマもウソも無くならないわ……と絶望中。
世直しのため炎上覚悟で書くが……
あまりにもバカが多い。
それはもう信じがたいほどに。
たぶんこういう人たちが騙されて闇バイトとかのレールに乗っちゃうんだろうなぁ……と思いながら眺めている。
多岐にわたり調査しているので具体的な記述は避けるが、全体を通して言えることは、
・ビビるほど無防備。
・信じがたいほど無知。
・ビックリするほどのバカ。
……が多いなと。もちろん念押しで書くが、いま私が潜入調査している「とあるネットのエリア(ゾーン)」に関してのことである。
「どのようにネットを使っているのか?」を100人に聞いたら100通りの答えが返ってくるように、インターネットには様々なエリアがある。
どことは言わないが、健康的かつ幸せに人生を送るうえで絶対に近寄らないほうがいいエリアもネット界にはたくさんある。
それはもう本当にリアルな世界と同じく。
・騙すやつと騙されるやつの2種類しかいない世界
たぶんこのWEB記事を読んでいる皆さんは絶対に踏み入れるわけがないエリアに、覆面を被った私は他人のフリをして潜入している。
そしてたぶんこのWEB記事を読んでいる皆さんなら絶対に交わらないような人々を見ているし、時にはコンタクトをとっている。
間違いなく皆さんが想像できないであろう知的レベルの低い光景が目の前で繰り広げられている。
なんと言えば良いのだろう。
“騙すやつと騙されるやつの2種類しかいない世界” みたいな、とんでもなく治安の悪いエリアで行われている “ヤバい求人祭り” 的なのをパトロールしている。
ものすごく簡単かつ超古典的な一例を紹介すると、とあるSNSで「お金を配るので、現金かPayPay、どちらを希望かコメントして」と言う人がいたとしたら、それを信じでドワーっとコメントが集まっている。
もらえるわけないだろう。
普通に考えればわかるだろう。
なのに「現金」「PayPayで」「助けてください」とか書き込んでいる。
なんと本名を書く人すらいる。
その後何が起きるのかは様々な可能性があるので一概に「こう」とは言えないが、ほぼ間違いなく悪用される。
彼らに教えた情報が悪用されたり、書き込んだ人そのものが悪用される(駒にされる)こともある。
そんなの「常識」なのに、過去に私も何度か記事にしたくらい、もう散々コスられてきたネタなのに、まだそんなことをやっている。
それはなぜか。
以前にも書いたが、それはある種の「バカ(カモ)を見分けるためのシステム」になっているからだと私は推測している。
無知でバカで金のない者を、それはまるでラジコンのように思いのまま操る方法を “闇の奴ら” は知っている。
極まってるなぁ……と思ったのは、もう私のようなウザい人間(迷惑メール評論家)に対応する的な「単なる時間の無駄」を絶対にしないようになったこと。
私がいくらスットボケてバカなフリをして近づいても、彼らはものすごい精度でそれを見抜く。
言葉は悪いが、「思い通りに動かせる本当に本当のバカにしか対応しない絶対的ルール」みたいなのが出来上がっているのだ。
仮に魚釣りに例えるならば、すぐに水面に引き上げられるような “浅めに浮くエサ” には絶対に食らいつかない。
何の躊躇もなく、自分のお金や個人情報などを抱えたまま、エサめがけて思い切り深海に潜ってしまうようなヤバイ奴しかマトモに相手しないようになっているように見受けられるのだ。
・絶対的な “知の差” が生む悲劇
連日報道される「闇バイト」のニュース。
「え、なんでそんなウソくさい文言を怪しまなかったの?」と思ってしまうような、容疑者たちのトンデモ証言が連発している。
しかも捕まっているのは “ネットネイティブ” であろう年代の若者たちがほとんど。
ネットに疎い高齢の方々が騙されるならまだわかるが、逆に若者たちが騙されているのだ。
なぜそうなるのかといえば、はっきり言えば「知」が無さすぎるからであろう。
テレビのニュースも見ない。ネットのWEBニュースも見ない。警視庁が注意喚起をしているSNSも見ない。
なんでかって? 興味のあることしか見ないから。
そうなると今のネットのシステムは「似たようなこと」をオススメしてくる。どんどんどんどん情報が狭まり、どんどんどんどんバカになる。
そんなこんなで「外の世界」を知らぬまま、「外の怖さ」を知らぬまま、かなり無防備に「うまい話」を信じて手を出してしまうのだろうと私は推測している。
つまり「普通の人たち」と、「闇バイトやネット詐欺やデマやウソに騙されてしまう人たち」の間には、「絶対的な知の差」みたいなものが生じているのだ。
入れたほうが良い情報や経験を自ら遮断しているから、嘘を嘘と見抜けない人間が出来上がる。
今のままでは、この悪循環は変わらない。
この波を止めるには、もう警察が本気出して “闇” へ潜入しまくるしかないと思う。
自らがラジコンになり、操縦者の懐に入るくらいの覚悟がないと止められないと思う。
なぜなら、実行犯にさせられる人(駒)たち、本当に何もわかってないのだから。
実行犯に「させられている(単なる駒になっている)」ってことすら気づいていないのだから。
本気で「即日」「高額」「ホワイト案件」「簡単なバイト」ができると思い込んでいるのだから。
要するに単なるバカだから。
↑※だからこそ恐ろしい!
そんな “単なる駒” の末端を捕まえていても、この負の連鎖は断ち切れない。
本気で潜り込んで本丸を捕まえていかないと、もはやアフリカはケニアのナイロビ以上になったとさえ私には思える、日本の治安の悪さが改善することはないだろう。
・どんな人間がSNSを使っても良いのか
そんなさなか、オーストラリアが「16歳未満のSNS禁止」にしたというニュースが飛び込んできた。
私はその判断、正しいと思う。
そんな若い頃からSNSなんて見るもんじゃないし、やるもんじゃない。
善悪の分からない頃から、顔や身分を隠した見知らぬ人と関わるべきではない。
しっかりと「リアル」で修行してからでないと、SNSを使いこなすのは難しい。
むしろ、青春真っ只中なのだから、リアルな交流を楽しんだほうがいい。
仕事も、バイトも、ちゃんとリアルなところで探したほうがいい。
「闇バイト」みたいなしょーもないことで青春を、果ては人生を棒に振らないでほしい。
ものすごく貴重な「若い」ころ。
2度とその時間は戻ってこないのだから。
・いまの主流はテレグラムでない
ちなみに記事冒頭のトップ画像は、調査中の1コマ。
数年前は匿名性の高いアプリ「テレグラム」が主流だったが、いま私が調査している状況を見る限り、昨今は「シグナル」が基本となっているもよう。
もう相手から「シグナル」という言葉が出てきたら犯罪だと思っても良いレベルだと思う。
このあたりのことも、変にアプリ名を伏せずにどんどん報道すべきだと私は思うし、以前の記事でも「テレグラムかシグナルが来たら逃げろ」と書いた。
なぜそんなシンプルに書いたのかと言えば、究極に簡単に書かないと、騙されるような彼らが読んでくれないし理解できないと思ったからだ。
この記事を読んでいるあなたたちが思っている以上に、この世の中、いや、ネットの中には救いようのないバカが多い。
連日の報道にあるような犯罪はもちろん、「言葉」で簡単に人を傷つける行為をするようなバカも後をたたない。
私はオーストラリアの「16歳未満のSNS禁止」でも生ぬるいと思っている。
前々から「インターネット免許制」にした方が良いとさえ私は本気で思っている。
インターネットが良い使われ方をすることを切に願う。
インターネットでメシを食っている人間として、今の状況は、あまりにも絶望的すぎるから。
参考リンク:AFP
執筆:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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▼いまだに「お金配ります」にはこんなに人が集まる
▼中には本名らしきアカウントで応募する人も
▼完全に「バカのリトマス試験紙」みたいなことになっている
▼ヤラセが混じってる可能性もあるが、おそらく “それに釣られるバカ” も探しているのだ
▼過去には迷惑メール評論家として自治体から防犯の講演を依頼されたことも。この時は市長様や警察署長様もご来場いただきました。依頼あればどこでも行きますので、お声掛けください。