私(佐藤)は偶然の発見が好きだ。事前に調べたお店を訪ねるのも良いけど、たまたま目にした看板に誘われるように、店に入っていくのも楽しい。最近もそんなめぐり合わせがあった。

新宿「オカダヤ」に買い物に行った後、すぐ近くで「和牛レアステーキ重」と書かれた看板を目した。こんな店、あったっけな? とりあえず入ってみよう。ってことで入店したところ、聞き覚えのある店名だった。

「はらぺこ亭」だと? もしや、あのグループか? ネットで調べたらやっぱりあそこだった! いつの間にそんなに店を増やしていたんだ!!

・ハラペコの仲間だと!?

そのグループとは、「ハラペコステーキ」グループである。歌舞伎町の1号店(現:本店)に私が最初に訪ねたのは、2019年のことだ。


あの頃はまだステーキ業態には勢いがあって、「いきなり! ステーキ」も今より店舗数が多かったはず。前年の暮れに「焼肉ライク」が誕生し、1人焼肉が広まりつつある中でコロナ禍に突入して、ステーキ業界は元より飲食業全体が大打撃を受けることになったのだ。

その間もハラペコステーキグループ(株式会社トライポッド)はゆっくりではあるが着実に店舗数を増やしていき、「ハラペコステーキ」は直営2店舗(直営外で渋谷にも1店舗)。セカンドブランドに「ステーキの虎」(元ハラペコステーキ六本木店)。それとダイニングバーの「メンヘラの壁」を運営している。


そのほかにも数軒のプロデュースに携わっているようだ。コロナの波を乗り越えつつ、さらに事業規模を拡大するとは、ハラペコステーキグループ、侮れない!


グループでもっとも新しいお店がここ、「はらぺこ亭」なのである。どおりでどっかで聞いたことのある名前だと思ったよ。



場所は私がメイク道具をよく買いに行く、オカダヤの裏手。狭い通りの中ほどの雑居ビルの2階にある。

店内の設(しつら)えは「大正ロマン」をイメージしており、ステンドグラスやローズウッドのカウンターを配したノスタルジックな雰囲気だ。これまでのステーキ業態のワンパクな印象とは異なり、ここは落ち着いた店舗内装を施している。

入店すると、まずは券売機で食券を購入する。せっかくノスタルジックな店なのに、券売機はファストフード感があって、ちょっと「アレ?」となってしまった……。


メニューのメインは看板にあった和牛のレアステーキ重。それから焼きステーキ重に提供も行っている。それらの中から「【こぼれ】和牛レアステーキ重」(税込2800円)をオーダーした。



提供を待っている間に卓上を見ると、美味しい食べ方の解説書のようなものがある。まずはそのまま、次に卵黄を絡めて。最後にお出汁をかけて。いわゆるひつまぶし風に食べられるらしい。


そうして出てきたのが、コレ!


レアステーキがお重に垂れさがっている。たしかにこれは「こぼれ」と言って良いかも。溢れんばかりの肉を表現できている盛り付けである。


肉の厚さは数ミリ程度。肉質が良いこともあって、口に入れると溶けてなくなってしまう。噛む必要すらなさそうだ。


まずは説明にしたがって、そのまま食べてみると、肉にはタレがかかっていて、そのままでも十分に美味しい。醤油ベースの優しい味付けで、店構えにふさわしく、品の良さを感じられる。


続いて、大分のブランド玉子「蘭王」の卵黄を乗っけて食べてみよう。


この玉子は色付けのために、鶏のエサにパプリカを与えているそうだ。そのほか植物性たんぱく質などを重視した専用の飼料を使っており、抗生物質などの薬物は使ってないというこだわりの玉子である。


トロリと粘りのある黄身で、自然な甘さを感じられる。レアステーキの味を引き立ててはいるけど、なにしろ肉がウマいので、玉子はなくても十分に満足できる


最後に出汁をかけて茶漬けにして頂こう。


お出汁も美味しいんだけど、結局肉のウマさをダイレクトに楽しむには、そのままが1番。個人的には玉子も出汁もなくても良いんじゃないか? という結論に至った。



それにしても、飲食業にとって厳しい時代にあって、コロナ禍でも事業拡大をできるとは、ハラペコステーキグループはこの先、さらに大きくなっていくかもしれないぞ。

なお同社は今後、赤身鉄板ステーキ専門店・ステーキ食べ放題専門店・和牛レアステーキ食堂などを都内ターミナル駅周辺に展開する予定とのこと。こりゃ、マジで大きくなりそう!


・今回訪問した店舗の情報

店名 和牛処 はらぺこ亭
住所 東京都新宿区新宿3-23-4 黒澤ビル2F
時間 10:00~15:00、17:00~22:00
定休日 なし

参考リンク:PRTIMES株式会社トライポッド蘭王たまごの郷
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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