インドのクレープ「ドーサ」の美味しさを知って以降、私(佐藤)はナンを食べていない。ドーサのあるインド料理のお店なら当然ドーサを頼むし、そもそもドーサのないお店には行くことがなくなった。

大抵は都心から離れたお店が多いのだが、実は銀座にもドーサを食べられるお店があることに気づいた。しかもそのお店「カーン・ケバブ・ビリヤニ」は食べロクの百名店の常連だ。ランチに訪ねてドーサセットを頼んだみたところ、メニューに記載のない付け合わせが出てきた。ドーサにコレが付くんだ!

・7度選出に実力店

お店は銀座の博品館6階にある。2014年にオープンして、2017年に初めて百名店に選出されて以降、ほぼ毎年選出される実力派のインド料理店である。


90席を有しており、着席で最大120席を用意できるのだとか。こう見えて割と大型店、これからのシーズンは忘新年会で利用されるだろう。



さてメニューを見ると、平日のランチメニューは16種類もある。もっとも安いのが「3種類のカレーランチ」で税込995円。もっとも高い「サヒファセット」が税込1892円。そのほかほとんどが税込1260円で、銀座の中でもかなりリーズナブルなお店である。


注文するのはもちろん「ドーサセット」(税込1260円)。アルファベット表記は英語なのかと思ったら、「Minami(南) Indo(インド) Dosa Set」で日本語だった……。


ドーサはマサラ・エッグ・プレーンのいずれかから選択。付け合わせには、本日のスペシャル南インドカレー・サンバル(豆と野菜のスープ)・チャトニ2種(チャツネ)・サラダとなっている。


で、注文しようかと思ったら、先にサンバルとサラダが出てきた。まだ頼んでないのに! 全部のメニューにこの2つが付くから、先に提供しているらしい。何も頼んでないのに、いきなり出てきてビビったよ。


改めて「ドーサセットをお願いします」と言ったら、お店の人が「え?」って顔して「30分かかりますけど」という。どうやらドーサを頼む人はあまりいないのかも。しかしながら、私はドーサを食べたいので、待ちますよ。いくらでも。ってことで「30分でも大丈夫です」とお伝えしてドーサをオーダー。

1時間もかからないなら、待ったうちには入らない。そう自分に言い聞かせて、スマホをいじってたら、15分で来た! 早く出てきてよかった!


このお店のドーサはこんな感じです!


普段なら真っ先にドーサに注目するところなんだけど、付け合わせの方が気になった

サンバルとサラダはすでに来ているので、あとはカレーとチャトニ2種で3つの器が付いて来るはずなのに、6つあるよね? 1つはヨーグルトだと思うんだけど、あとの2つはナニ?


1つはバスマティライスで、もう1つはラッサム(豆と野菜のスープ)かな? これは想定外だった。いや、有難いけど、ドーサにライスが付いて来るとは思わなかったよ。ゴヴィンダス以来の衝撃だ。



・柔らか生地のドーサ

付け合わせに驚いたところで、ドーサを見てみよう。まずは恒例の長さチェック。アプリで測ってみたところ、長さは37センチ。ドーサシリーズでは1番短いけど、ライスが付くことを考えると大きさとしては適性じゃないかな。


生地はこれまで食べたなかで1番柔らかい。パリパリ感はなく、フワフワとしている。ドーサの生地は、米とウラッド豆を吸水してすり潰し、ペースト状にしたものを発酵させている。この発酵時間が長いために、フワフワしているのだろう。

パリパリ食感が好みではあるけど、パンのようなふんわりした食べ応えも悪くはないな


中にはマサラ(じゃがいも炒めもの)が端から端までしっかり詰まっている。これだけでもだいぶお腹に貯まる。ライスを食うだけの余力を残しておかねば。


ラッサムは豆のスープだ。クミンがたっぷり入っていてとても香りが良く、食欲を刺激する。


この日のカレーは「ニリギリ キーマ カリ コルマ(ラムとチキンの合挽肉)」。ミントとコリアンダーがしっかり効いているので、肉の臭みはゼロ。臭みを打ち消すどころか、ミントとコリアンダーの香りしかしない、さわやかなカレーだ。


2種のチャトニは何を使っているのか、ちょっとわからなかったなあ。お店の人に聞けばよかった。大抵のお店ではココナッツとトマトのチャトニなんだけど、ここは初めての2種で、ひとつはおそらく豆のチャトニ。ドーサにつけて食べると、ほんのりと柔らかい甘さがある。サンバルとカレーが少々スパイシーだったので、口直しにちょうど良い甘さだ。


もうひとつがパプリカのチャトニではないかなあ……。見た目は真っ赤で、めちゃくちゃ辛そうだけど、全然辛くない。油分が強く、肉につけても美味しそう。


ドーサをカレーにつけて食べようと思ってたんだけど、マサラの量が多くて、ドーサを千切ってカレーに浸すのが無理だったので、バスマティライスをカレーに入れて頂きました。香味が強いんだけど、ライスを入れるとちょうど良い香りと辛さに中和された。



それにしても銀座でこのお値段。ヨソのインド料理店とランチの価格がそれほど変わらないのは、かなり良心的な気がする。銀ブラ(銀座をブラブラ)で高級店を利用するのもいいけど、カーン・ケバブ・ビリヤニもオススメだ。安く実力派のお店の味を楽しめるぞ~!


■ドーサ長さランキング(実測分)
1位 54センチ 南インドキッチン虎ノ門ヒルズ店(港区虎ノ門)
2位 51センチ ゴヴィンダス(江戸川区船堀)
3位 46センチ ゴングル南青山本店(港区南青山)
3位 46センチ アーンドラダイニング渋谷(渋谷区宇田川町)
4位 45センチ ルシ インドビリヤニ蒲田店(大田区蒲田)
5位 44センチ ブリティッシュ インディアン カフェ1930(渋谷区神宮前)
6位 37センチ カーン・ケバブ・ビリヤニ(中央区銀座)

・今回訪問した店舗の情報
店名 カーン・ケバブ・ビリヤニ
住所 東京都中央区銀座8-8-11 銀座博品館 6F
時間 11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~22:30(L.O.22:00)
定休日 なし

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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