肉は国産の方が高い。ふわっとそういう認識を持っている人は多いだろう。実際、スーパーなどでも国産の方が高く、外国産がリーズナブルに売られている光景をよく見かける。

ただ、一方で肉について何がどう違うかと聞かれたらハッキリしたことはイマイチ分からないところもある。そんななか、その答えを教えてくれそうな商品を見つけたから買ってみた。ずばり「牛丼の具」である。

・冷食「牛丼の具」

冷凍食品コーナーで売られている多くの「牛丼の具」が外国産の牛肉を使用しているなか、国産をウリにしているものがあった。それが……

「国産牛肉でつくった牛丼の具」というコープの商品だ。名前から国産をアピールしていて135gの2食入りで861円。1食あたり430円となかなかお高い。


比較対象にしたのは吉野家の商品で、135gの2食入りで829円。同じ内容量ながら1食あたり414円でコープに比べて少しだけ安い。

ちなみにこちらの牛肉は外国産で、米国またはカナダまたは豪州(5%未満)と原材料の欄に書かれていた。両者の間には一体どんな違いがあるのだろうか。

・比べてみた

さて、さっそく中身を比べてみよう。どちらもレンチン、湯せんに対応していて簡単に食べられるようになっている。まずはそれぞれ温め、並べてみると……

同じ牛丼なので当然ではあるが、見た目で肉をどうこう言えるほどの違いは見当たらない。しかし、「牛丼の具」全体だと違う顔を見せてきた。

肉の量は吉野家(外国産)の方が多く、コープの方がかなりの “つゆだく” 仕様。どうやら牛丼の方向性が違うらしい。


また、食べてみると味の方も全然違う。先に肉だけ食べたら国産の方が圧倒的に柔らかい!

汁の影響もあるだろうが味にどことなく甘さがあって、口に入れたら牛肉の旨味と一緒に広がっていく。他の素材も国産にこだわっていて、コープのただならぬ気合が感じられた。


対して吉野家。こちらの肉は食べた瞬間こそフワッとした食感で柔らかいな〜と思うも、ところどころで硬い部分があることに気づく。でも、それがダメかというとそうじゃない。


むしろ……


牛丼を食べるとしたら、その硬さが絶妙に合っていたから驚いた。玉ねぎも吉野家の方が硬いのだが、白米と一緒に食べれば満腹中枢が刺激される食事まっしぐら。牛丼の肉は柔ければいいってものじゃないのか……!

・牛丼で強い吉野家

好みはもちろん、食べ方によって個人差が出てくることだってあるだろう。でも……それでも……

生卵との相性も含め、あくまで今回のケースだと吉野家の腕が光っているのを強く感じた。肉の柔い、甘いが全然違っているのに、牛丼の美味しさと比例しなかった不思議……!

第一印象はコープの国産がよかったにもかかわらず、牛丼というフィールドになると自然と吉野家に引きずりこまれた。これが本業の力ってやつか。

調べると吉野家は牛丼に合う穀物で育てた牛肉を安定供給するため、バイヤーが米国まで足を運んでいるそうな。つまり、計画通りの外国産なのだ。

なお、コープの牛丼も当然美味しかったのだが、個人的には米との相性がマイナス査定。肉と一緒に食べようとするも、つゆだく仕様なので箸で簡単につかめなかった。

とはいえ、かきこむようにして食べれば問題ないし、何ならつゆだくの牛丼が好きなら刺さる可能性が高い。肉の柔らかさは確かにイイものがあったので、国産の牛丼がどんなものか気になる人はお試しあれ。

参考リンク:吉野家HP
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

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