最近、街中でよく見かけるようになった『無人販売所』。いろいろな商品がサッ! と爆速で購入できちゃうので、本当に便利な存在だと感じている。

しかし、神奈川県 厚木市には行列に並ばないと購入できない『玉子サンドの無人販売所』が存在するのだとか。気になったので調査しに行ってみたら、ユーモアと感動にあふれた素敵すぎる商品と出会うことができた。

・噂通りの行列

ここが噂の無人販売所。神奈川県 厚木市の上荻野にある『ヤマモトヤ自販機』だ。


日曜日の13時すぎに伺ったのだが、あいにく商品は売り切れ。15時半に品出しが行われるとのことなので再訪してみたところ……


うぉー! 噂通り行列ができている!


その後も行列は途絶えることなく、かなりの人数に。これほどまで人気のある無人販売所は初めて見た。果たしてどのような商品が購入できるのか? 今から楽しみである。

・衝撃的に濃い

時間になると店員さんが商品を運んできてくれた。行列ができている場合は、無人販売機に補充はせず直売スタイルで販売するのだとか。


こちらが、購入した『あふれる玉子サンド(税込300円)』。店員さんの捌きが上手で、10分程度並んだだけですんなりと購入することができた。

濃い黄色で、ものすごく美味しそうな玉子サンドなのだが……


何より惹かれてしまったのがパッケージに記載された『恋人は 玉子サンドと 言っておく』のパンチライン! 強烈すぎて食べる前から心を掴まれてしまった。 


パッケージ裏には栄養成分と、製造者「山本幸子」の文字を発見。恐らくだがこの方が、玉子サンドを恋人あつかいしちゃうスゴい(ヤバイ?)人物なのであろう。いつかお会いしてみたい。


では、さっそく食べてみよう。手に持ってみると玉子のギッシリ具合に驚かされる! これは期待大だ。それではいただきます。


濃ぉッ!

見た目以上に、玉子の味が衝撃的に濃い!


今まで食べたことのある玉子サンドはマヨネーズの味わいが強い印象があったのだが、こちらは完全に玉子の旨味が主役。で、その旨味が強いこと強いこと。これは行列ができるのも納得のクオリティーだ。

・まさかの!

別格の美味さを誇る、ヤマモトヤの『あふれる玉子サンド』。その美味しさが忘れられなかった私は、無人販売所へ再訪をすることに。


この日は、平日の12時ごろ伺ってみたのだが……ナント! 行列に並ばずとも購入することができた。ちなみに今回は無人販売のスタイルで購入。

冷蔵庫に陳列されている商品を取って、備え付けのボックスにてお金を支払うシステムとなっていた。


で、再訪して感じたのだが……ここの無人販売所、随所に散りばめられたネーミングが独特で面白い! 


『ひんやり涼子ちゃん』


『イチゴの言訳』。


さらには『放課後の豚サンド』。

と、そのどれもが妙にクセになる味わい深い名前だ。見ているだけでも楽しい気分になってくる。


でも、これらの名前にはどんな意味が込められているのだろうか? 気になったので、品出しをしていた店員さんに聞いてみたところ……


「それでしたら、こちらへ。」


販売所に隣接する『玉子サンド研究所』という、何やら怪しげな施設に案内されてしまった。

急な展開に驚きつつも、言われるがまま研究所内を進んでいき案内された扉を開けてみる。すると……


その先に現れたのは……


まさかの……


ドン! ドン!


社 長 登 場!


なんと、驚くことに『あふれる玉子サンド』の生みの親である山本幸子社長が私を待ち構えていたのだ。

・ということで!

せっかくの機会をいただいたのでいろいろ聞いてみよう。


まずは、随所に散りばめられたインパクト抜群のフレーズについてだ。一体どのような意味があるのか伺ってみると


『あれ、全部ワタシが考えているのよ。面白かった(笑)? 意味は……まぁ思いつきよ』


思いつきかい! でも、見た瞬間クスっと笑えて最高でした。


『あのね、人の心が動くときは「 笑い と 感動 」のどちらかが生まれる瞬間だと考えているの。誰かに何かを伝えたいのなら……この2つは絶対に大切にしないとダメ!』

『特にユーモアは重要よ。笑顔って心に残るし、なにより幸せな気持ちになれる。些細な笑いかもしれないけれど……訪れた人をクスっとさせて、幸せにしたいのよ


な、なるほど~。幸せな気持ちになれる「ユーモア」。それに加えて「おいしい感動」。この玉子サンドはまさに社長の大切にしている信念を体現しているというワケだ。

そんな「ヤマモトヤ」。驚くことに10月で創業50周年を迎えるとのこと。玉子サンドを作り続けて50年は凄すぎる。創業当時どんな心境だったのかを聞いてみた。


『当時、経営していたお店の続行が厳しくなったの。で、人気商品だった「玉子サンド」でもう一度勝負しようと思って。それが始まりでね……』


はい……。


『ワタシはね、訪れる事柄はどんなモノでも「チャンス」だと思っているの。だから……あの時もどうなるか分からないけれど、チャンス到来! ヨッシャやっちゃえ! って感じで始めた。そうしてみたら、有難いことに皆様に愛していただいてね。気が付いたら50年続けてこれたのよ』


ほぉ! 逆境を生かした訳ですね。


『そう。チャンスって意外とあふれてるものなの。だから、とりあえず掴んで行動しちゃうことが大事。あの時も夢中で掴もうとしていて……だから、恐怖とか心配はなかった(笑) あれこれ考えるのはそのあとって感じ!』

『アナタも躊躇せずに何事も掴んでみなさい。チャンスって恥ずかしがり屋さんだから、どこかに隠れちゃう前にね。少しでも触れてみれば必ず良い方向に向かうから。それでも辛いと感じた時は、またここへ来ればいい。元気になれる美味しい玉子サンドをご馳走してあげるからね』


なんと、ありがたいお言葉……知らず知らずのうちに涙が出てきた。本当に貴重なお時間とお話ありがとうございました!


──以上がヤマモトヤ 山本幸子 特製の『あふれる玉子サンド』の調査である。格別な美味しさはもちろんのこと、同等に込められた「優しさ」と「幸せなパワー」が大人気の秘訣なのだろうと感じた。

近くに訪れた際は足を運んで損はないはず。皆様もぜひ召し上がって幸せな時間を堪能してみてほしい。

執筆:イナバタクヤ
Photo:RocketNews24
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▼社長は現在『恋人は濃い恋プリン』なる新商品を開発中とのこと! こちらも楽しみだ。

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