岩手県出身の友達ができたので、さっそくネタにしようと銀座の『いわて銀河プラザ』(岩手県のアンテナショップ)へ同行してもらった。ライターはすぐ人をネタにしようとするので、仲良くなる際は注意したほうがよい。

東京に住んでいると岩手ってなかなか行く機会がないし、行ったとしても立ち回りがムズそうである。岩手といえばパッと思いつくのは……大谷翔平と佐々木朗希か。もちろん今回の趣旨はそういうことではなく、県民おすすめの・県民のみぞ知る岩手名物を教えてもらうこと。じゃ、ヨロシクお願いしま〜す!

・好きです、アンテナショップ

いわて銀河プラザはなかなかの規模感と信じられない好立地にあり、「さすが大谷と朗希を輩出しただけのことはある」と感じさせる。

銀河プラザ内のイートインスペースではソフトクリームなどを食べることが可能。これ、メッチャおいしい。実は岩手は全国有数の生乳の生産地で、乳製品の名物も多いのだそうだ。無知ですみませんでした。

とにかく品数が多い銀河プラザ内を30分かけてウロウロ。個人的に欲しい商品はいっぱいあるものの、どれが県民イチオシの品なのか? となると全然分からない。

この『ラガーラーメン』などソウルフード感をビンビンに放っている感じがしたのだが、友人いわく「ベスト5とかではない」とのこと。なお友人はものの10分ほどでベスト5を選び終えていた。さすが岩手民。


・(※ 注)個人の主観です

そんなこんなで、友人が選んでくれた「岩手のアンテナショップで買うべきものベスト5」がこちら。

「あぁ〜」ってなるヤツも「ん?」ってなるヤツもある。順番に試食してみよう。

まず1位は『くずまき高原ヨーグルト(900ml)』(860円)。パッと見だと牛乳に見えるが大容量の「飲むヨーグルト」である。


友人「岩手は牛乳もヨーグルトもおいしい。人によって好きなメーカーが異なると思うが、これを一番と思っている県民は少なくないと思う」


なるほど。私は割と飲むヨー(飲むヨーグルトの略)を飲むほうであるが、常飲しているコンビニの飲むヨーとは全然違う。のどごしサラリ。どちらかといえば “酸味のある牛乳” みたい。賞味期限は割と短めで、この量を確実に消費できる岩手県民って相当な飲むヨー好きだよなぁ。


2位の『山田せんべい(5枚)』(432円)は少し複雑。これは別に山田さんが作っているのではなく、山田町というところの名産品らしい。で、中でも一番メジャーなのがこの太田幸商店の山田せんべい。

複雑なのはそれだけではない。実はこの山田せんべいには「生せんべい」と「焼せんべい」があり、友人が本当にオススメするのは「生」。しかしいわて銀河プラザに「生」が売られていなかったため、若干不本意ながら選ばれたのが今回の「焼」なのである。

この山田せんべい(焼Ver.)、個人的には今回一番のお気に入りだったのだが……当然ながら「生せんべい」と「焼きせんべい」って、モノとしてかなり違う。「おいしいけど生も食べてみたかった」という、不完全燃焼な空気が漂ったことは言うまでもない。黒ゴマの風味とパリパリかる〜い食感がクセになる、どこか懐かしい銘菓。


・岩手といったら

3位は『ぴょんぴょん舎』の冷麺(972円)。

冒頭で「岩手といえば大谷と朗希」などと書いたが、言われてみれば岩手は冷麺である。「メーカーが多いので個人によって好みはある」と断りをいれつつ、「一番有名なのは多分コレ」とのこと。

熱湯で4分強ゆで、氷水で冷やしたのち付属のスープとキムチをかけるだけ。

いやはや、マジで冷麺ってバカうまいですよね! 「麺は硬けりゃ硬いほどいい」と断言してはばからない私にとって、この俗にいう “ツルツルシコシコ” は何にも替えがたい幸福の食感。カロリーの問題さえクリアできれば一生冷麺で生活したい。


4位は『巖手屋(いわてや)』というメーカーの南部せんべい(8枚入り624円)。青森みやげとして何度か頂いたことのある南部せんべいだが、岩手の名産でもあるようだ。知らんかった。

こちらも「このメーカーがいいってみんな言ってる」うえ、「どうせなら色んな味を食べられたほうがいいでしょ」という配慮から友人が8種類入りパックを選んでくれた結果。個人的には「いか」が面白くてよかった。


・ここへきて都市伝説

で、5位は岩手みやげの定番『かもめの玉子』(4個入り475円)である。

『かもめの玉子』がおいしいまんじゅうであることは多くの人が知るところだが、どうせならもうちょい「知る人ぞ知る」やつを紹介してほしかったぜ……そう小さく漏らしたところ、友人の口より衝撃の発言が飛び出した。


「かもめの玉子は昔より美味しくなった」らしい。


「あれほど有名なお菓子の味が変わるなどありえるのか」「気のせいではないか」等、強い口調で問い詰めてみたのだが、友人は「岩手の人は全員そう言っている」と頑なな態度を崩さない。ここへきて都市伝説っぽい展開になるとは想像もしない事態である。

「いつごろから味が変わったのか?」との問いに、「10年ちょっとくらい前かな」と答えた友人。そもそも『かもめの玉子』の味をよく把握していない私にそのあたりの判断は不可能なので、あくまでも個人の意見として聞き流してほしいが、「そういえば長いこと『かもめの玉子』食ってねぇな……」という方は久々に購入してみるのも一興かもしれない。

……ってな感じで、一切の責任を一般人の友人に丸投げした岩手グルメレポは以上である。そういえば大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にハマって以降「平泉に行きたい」と思ったまま2年が経過してしまった。今年はちょっと厳しいけど……来年こそ行きます、岩手!


・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 いわて銀河プラザ
住所 東京都中央区銀座5丁目15-1 南海東京ビル1F
時間 10:30~19:00
定休日 無休

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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