久しぶりの格安イヤホン探訪。近頃、遠方に出かけることが多く、格安イヤホンの検証がおろそかになってしまって申し訳ございません。今回は以前リクエストで頂いた製品の音を聞いてみたいと思う。
おすすめ頂いたのはオーディオテクニカの「ATH-CK350X」だ。この製品はオーディオビジュアル機器の総合アワード「VGP」で2023年に2500円未満の「インナーイヤー型ヘッドホン」カテゴリーで金賞を受賞している。
はたしてその音質やいかに!?
・VGP金賞製品
この製品のAmazonの取り扱い開始は2022年7月である。これまで紹介してきたものの中では比較的新しいものだ。メーカーによると、これはロングセラーの「ATH-CK350」シリーズを、再生プラスチックで作ったモデルとのことで、環境にもやさしいサスティナブル素材を使っている。
製品の梱包も環境に配慮しているようで、ビニールやプラスチックを使わない工夫が見られる。ときどき過剰包装の製品があって困っちゃうんだよねえ。こういうの助かる!
ビックカメラでの購入価格は税込1240円。中には本体とイヤーピースが4サイズ(XS・S・M・L)が入っていた。
イヤホンは耳穴に入れやすいカナル型らしい構造をしている。
装着してみると耳穴にしっかりとフィットするけど、丸型イヤーピースはやや圧迫感がある。もう少しストレートな形の方が個人的には好みだな。
・聞き比べ
早速聞き比べてみるとしよう。今回使用する楽曲は、ボブ・マーリー & ザ・ウェイラーズの「Exodus」である。先攻は「ハイユニット HSE-A1000」から聞いてみるとしよう。
この曲は、1977年にリリースされた同名のアルバムに収録されている。ボブがジャマイカの自宅で襲撃された後に制作されており、その影響もあってメッセージ性の強い曲だ。
ベース・ドラムのリズムがうねるように曲を前へと進め、その向こうでギターカッティングやキーボードのリフが警鐘のような緊張感を与えている。そしてホーンセクションの音はサイレンのごとく、けたたましく鳴り響く。音がいきり立っているようだ。繰り返される「Exodus」(解放・脱出を意味する)は、ボブの切実な訴えだったに違いない。
ハイユニットで聞くと、その緊張感とグルーヴが胸に響く。自然と身体が動き出すような心地良い音だ。
一方の「オーディオテクニカ ATH-CK350X」でも聞いてみよう。
こちらも負けじとグルーヴィーなレゲエサウンドを聞かせてくれるが、もうひとつハイユニットの聞き応えに届かないかなあ。悪くないけど、抜き出るものがない。
音色としては、DENONの「AH-C260」と同等か。バランス型のJVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」よりも、高音の鳴りは良いように思う。
したがって、音質的にはランキング入りも望めるレベルと言えるだろう。
ただ、やっぱりイヤーピースが気になる。柔らかいつくりをしているので、硬めのものに変えるとさらに良い音を聞かせてくれる気がするのだが……。
ためしに交換しようと思ったら、めちゃくちゃ外しにくい代物だった。苦労して外してみると、ジョイント部分がめっちゃ長い! これはカンタンに取れんよ。
おそらく人生で1番外すのに苦労したイヤーピースだ。こういう仕様なのか? まさかと思って説明書を確認してみると……。外れにくい設計にしているとのこと。そりゃ取れんわ。
で、まあ付け替えてみると、好みの音に近づいた。が! 今回はランク入りを見送った。というのは、他の上位3製品が全部100円台であるのに対して、これは1000円台。コスパ的に他の3製品を超えるものではなかったからだ。よってランク変動はなしです。
1.アルペックス(Hi Unit)「ハイユニット HSE-A1000(PK)」 税込712円
2.JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」 税込821円
3.DENON「AH-C260」 税込927円
このランクは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。