ロケットニュース24

日本唯一の下水道テーマパーク『ふれあい下水道館』で見ることができる「豪雨の時の下水道映像」が怖い……

14時間前

近年は異常なまでの暑さの影響で、各地でゲリラ豪雨や線状降水帯が発生し、その度に河川の増水や道路の冠水、家屋の浸水などが報じられている。街中でも排水溝から水があふれ返ったり、アンダーパスが水没するケースもある。

街にあふれた水は下水道を通って、川や海へと流れている。豪雨の時、地下では何が起こっているのだろうか? そんな下水道について学ぶことのできる、日本唯一の下水道テーマパークが東京・小平市にある。ここでは本物の下水管に入って見学ができるという。実際に訪ねてみたら、改めて下水道の重要性を知ることができた

・下水道があるからこそ

この施設「ふれあい下水館」は西武国分寺線の鷹の台駅から徒歩約10分のところにある。小平市立中央公園を通過して、玉川上水を渡ると、下水道管をイメージしたような施設の壁が見えてくる。


開館時間は10~16時、入館料無料で誰でも自由に入れる


立ち入ることができるのは、地上2階から地下5階まで。各フロアごとにテーマにそった展示品が用意されている。地下1階は講座室で、小学生を対象に月1回学習講座が開かれているそう。地下2階の展示室1では、江戸時代から現代までの下水処理の仕組みを、パネルやビジョンで紹介している。

地下3階の展示室2では小平の水環境を。地下4階特別展示室では、江戸から明治の下水道についてパネルで伝えている。


各階の展示物を見ていくと、私たちの生活と水は切れない関係にある。上水道もさることながら、下水道が整備されてきたからこそ、健康な暮らしを送れると痛感する。というのは、もしも下水道が整備されていなければ衛生環境が悪化して、疫病が流行って健康が害されてしまうからだ。

また雨水をスムーズに川や海に流すのも下水道の役目だ。もしも整備されていなかったら、豪雨の時だけでなく、日頃の雨でもあちこちで冠水浸水が頻発していたかもしれない。



・実物は怖い…

ここはそんな下水道を直に見られる施設。階段室には地上からの深さを数値で示している。0メートルから始まって……。


1階降りるごとに深度は深くなり、最下層の地下5階はマイナス17メートルとなっている。


「体験コーナー」、この先がその下水道管(小川幹線)だ。


中に入ると、分厚い扉がもう1枚あり、厳重に管理されていることがわかる。


管内には生ぬるい風が吹いていて、かすかにその風の音がしているだけ。照明の届かない先は真っ暗闇で何も見えない


たった1歩入っただけなのに、私(佐藤)は底知れぬ闇に見入られている気がして、めちゃくちゃ怖くなった! そのままそこに立っていると、管の奥の闇に引き込まれそうな気持ちになったのですぐに出た。なんだろう、あの怖さは……。でも、この下水管があるおかげで、健康が守られてるのも事実。感謝しなきゃな。



ちなみに、このフロアにはテレビモニターがあり、2015年7月30日のゲリラ豪雨の時の下水管内のカメラ映像が流されていた。


先ほど見たおだやかな流れとは異なり、管を満たすほどの圧倒的な水流をカメラが捉えていた。流れの激しさは岩をも打ち砕く勢い、見ているだけで恐怖を感じてしまうほどだ。

近頃の異様な雨量を考えると、いつどこでも水害が起きてもおかしくないだろう。普段から非常時の備えを整えておきたいと改めて思った



・いつでも備えを

鷹の台駅への帰る道すがら、再び玉川上水を渡った。この川は今から約370年前(1653年)に玉川庄右衛門(しょうえもん)と玉川清右衛門(せいえもん)の2人の兄弟が請け負ったそうだ。のちに2人はその功績によって「玉川」の姓を受けている。


この流れは江戸時代から今に至るまで連綿と続いているのだろう。


川面を覗くと、鯉がゆっくりと泳いでいるのが見える。先人たちの偉業に感謝して、いつでも備えを怠らないようにしたい


ふれあい下水道館は無料で利用できる施設なので、機会があればぜひ下水道のことを学びいに訪ねて頂きたい。リアル下水道管はちょい怖いけど……


・今回訪問した施設の情報

名称 ふれあい下水道館
住所 東京都小平市上水本町1-25-31
時間 10:00~16:00
定休日 月曜・年末年始(12月27日~1月5日)

参考リンク:小平市
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

モバイルバージョンを終了