ロケットニュース24

【ダルバート行脚】カラフルがすぎる “レインボーモモ” の気になる味は… / 大塚グルメはぼんごだけじゃない! ネパール民族料理「カスタマンダップ」

2024年8月20日

池袋の隣駅・大塚のグルメといえば、なんといっても「おにぎり ぼんご」だろう。ふんわりと握られた大きめのおにぎりに多種多様な具材がたっぷり。私もぼんごの筋子と鮭のおにぎりが大好きだ。


しかし、ここ数年はなかなかありつけていない。今やその人気は世界レベル。日本人客のみならずインバウンドの外国人観光客も行列に並ぶようになり、3~4時間待ちという日もあるほど。


この日もお盆の真っ只中で都内は普段に比べたら閑散としていたものの、数組が40度近い酷暑の中、行列を成していた。

・エレベーターが開くと現れる「ネパール世界」

ぼんごばかりに注目が集まりがちな大塚グルメだが、実はエスニックの激戦区でもある。中国料理、韓国料理、タイ料理、ベトナム料理、フィリピン料理、そして最近はミャンマー料理店も増えてきている。


さらに注目のネパール料理店もある。そんな注目店でネパールの国民食「ダルバート」をいだたくことにする。


今回訪れたのはJR大塚駅から徒歩2分ほどの「ネパール民族料理 カスタマンダップ」。ぼんごの目と鼻の先だ。しかしながら、雑居ビルの5階に入っており、初見では通り過ぎてしまう人も少なくないだろう。私がそうだった。


「ネパール民族料理」というのがなんともそそる。


エレベーターで5階に上がり、扉が開くと目に飛び込んでくるのはネパールの伝統行事などに用いられるであろう禍々しくも神々しいオブジェや衣装の数々。ネパール気分が一気に高まってくる。


店内の照明は抑え目でバーカウンターもあり、スタイリッシュなバーやカフェのような雰囲気。



・充実のランチメニュー&嬉しいハーフサイズもあり

ランチメニューをチェックしていく。

メニュー下部の「タカリセット」というのがダルバートと呼ばれるメニュー。


ダルバートはダル(ひき割り豆のスープ)とバート(米飯)というワードの組み合わせ。これにカレーやスパイスで味や香りづけをした野菜などのおかず(タルカリ)やピクルスのような漬物(アチャール)がついてくる。


蒸しモモ(ネパール風蒸し餃子)などのサイドメニューをハーフサイズで注文できるのも嬉しい。


注文や支払いはスマホから。最新のテクノロジーも積極的に取り入れている。



・インスタ映え必至の「レインボーモモ」

まずは生ビール(480円)で乾杯。炎天下を歩いてきた末にありつく冷えたビールの美味さといったらない。


スマホからだとランチメニュー以外のメニューもチェック可能。そこで見つけてしまった。

いまだかつて見たことがないあまりにもカラフルなモモ「レインボーモモ(800円)」を。これは注文せざるを得ないだろう。


数分後に供されたのはメニューの写真以上に色鮮やかな6つのモモ。特に青いモモの存在感ったらない。


まずはノーマルの白いモモを食べてみると……中から肉汁があふれてくる。皮はムチッと、餡は肉感たっぷりでほのかにスパイスを感じる。

皿のセンターにあるトマトベースのピリ辛ソースが合う!


この青いモモはどうだろうか。

味は……白いのと同じだ。

店員さんに聞いたところ、味はどれも同じだという。


完全に “映え” を意識したメニューだ(味も間違いないんだけど)。是非ともZ世代にもレインボーモモを体験してもらいたい。そしてネパール料理を盛り上げていってもらいたい。



・超充実の「スペシャルタカリセット」

ダルバートに取り掛かっていく。注文したのは店名を冠した「カスタマンダップ スペシャルタカリセット」。1550円だけあって内容も超充実。

左上からマトンカレー、チキンカレー、ダルスープ、ヨーグルト、ギー(水牛の溶かしバター)、キュウリとニンジンのスライスにカットレモン、トマトベースのピリ辛ソース、ダイコンの漬物、発酵高菜、青菜炒め、ジャガイモやエダマメのおかず。そして中心にライスが鎮座し、パパド(豆から作られた煎餅のようなもの)が添えられている。


私はなんといってもこのギーが大好き。メニューにあったら必ず注文してしまう。


ダルスープは数種類の豆を使っているためか、豆の甘みと味が強く、スパイス感はそれほど強くない。


パパドを砕いてライスにふりかけダルスープをかけて「ネパール式ねこまんま」を味わう。


次いでキュウリとニンジンのスライスをピリ辛ソースにディップ。ビールのツマミにピッタリだ。



・チキンもマトンも骨付きでうま味炸裂

チキンカレーの鶏肉は骨付き。柔らかな若鶏という感じではなく、地鶏のような噛み応えと「肉ッ!」って感じの濃い味が堪らない。


マトンカレーのマトンも骨付き&皮付き。クセのないラムではなく、いい意味での羊臭さがある野趣あふれるマトンの味わい。手を使ってしゃぶりついて食べるのがいいだろう。


圧巻はダイコンの漬物。これほどまでに太く、存在感を放つダイコンの漬物には初めてお目にかかった。

黄色が鮮烈なターメリックをまとっていて塩気が強い。ライスが進む進む。


いずれもしっかりと仕事が行き届いた味わいのダルスープ、カレー、おかずをライスに重ねていく。いやぁ、相変わらずダルバートって美味い。


黄金色に輝くギーに取り掛かっていく。

大胆に回しかけ……

背徳感に満ちたバターライス&カレーを一気に頬張っていく。改めて……ギーとライスを合わせると、なぜこれほどまでにミルク感、チーズ感が出るのかと感心してしまう。

空になった皿の写真を撮り忘れてしまうほど一心不乱に食べ進めてしまった。


・今回訪問した店舗の情報

店名 ネパール民族料理 カスタマンダップ
住所 東京都豊島区北大塚2-7-9 第33東京ビル5F
営業時間 11:00〜23:30
定休日 無休

執筆:ダルバート研究家・田中ケッチャム
Photo:RocketNews24

▼イケてるバンドみたいな店名の「カスタマンダップ」はネパールの首都・カトマンズに建つ寺院からきているという。だからだろう、店内は寺を彷彿とさせる造りや装飾が施されていて、厳かな雰囲気すら放っている。

でもインスタ映えする「レインボーモモ」なんてメニューも提供。そのギャップも愛おしく感じてしまった。

モバイルバージョンを終了