これまでの人生、筆者(高木)はかき氷をお祭りでしか食べたことがなかった。つまるところ、赤とか青とかのビビッドなシロップをかけた、昔ながらのかき氷しか知らなかった。

そのため毎年 夏になると「かき氷ブーム」なるものが起きているのを知りつつも、「なんでぇ、あんなオシャレぶりやがって」と意地を張ってスルーをしていた。

……のだが、今年はちょっとしたことがキッカケでレストランのかき氷に挑戦。その結果、この夏一番かもしれないカルチャーショックを受けてしまった!

・ココスの純氷かき氷

筆者が訪れたのは 近所にあるファミレス、ココス。日課のウォーキングの道中にあり、いつも美味しそうなハンバーグの香りを漂わせている店舗だ。

それが7月頃からだろうか。「純氷(じゅんぴょう)かき氷」と書かれたのぼりが店先にはためき始め、うだるような真夏の夜を歩く筆者の目には魅力的に映った。

毎日眺めるうち「へぇ、かき氷か」「食べたらさぞかし涼しいだろうなぁ」「っていうか純氷ってなによ?」なんてどんどん気になり虜(とりこ)になり、我慢をし切れなくなった8月中旬、ついに店舗へ行って注文をするに至ったのであった。


・カロリーにカルチャーショック

席に着いた筆者は早々にカルチャーショックを受けた。というのも、コレである。

専用のメニューを開くと全6種類のかき氷がカラフルに並び、通常サイズが税込869円、ミニサイズが税込539円。

そりゃあ お祭りのかき氷に比べると高価だが、専用のソースがかかりフルーツなどもトッピングされている。想定内というか、むしろ安く感じるぐらいだ。


──が、商品写真の横に書かれたカロリー表示を見た時、思わず「えっ!? コレ食べても大丈夫!?!?」と声に出すのを我慢できなかったのだ。だって、

770キロカロリーっ!? か、かき氷がっ!?!?


770キロカロリーといえば、一般的な成人女性に必要とされる1日分の摂取カロリーの約半分である。

マジか。かき氷っていくら食べても太らないアイスの代名詞だと思っていたよ。(どうやらてっぺんに載っているホイップクリームが主なカロリーの正体らしい)


本音を言うと一瞬「ミニで妥協すべきか?」とも思ったのだが、ここまで来たのだからビビッても仕方がない。いいよ、摂ってやろうじゃん半日分のカロリー!


・ビッグサイズにカルチャーショック

一度は落ち着いた筆者が 再び「嘘でしょ!?」と叫ぶまでには、それほど時間がかからなかった。

というのも 付き添いで来ていた夫の “ミニかき氷” が先に配膳されたのが、想定以上に大きかったのだ。


単品で見ても伝わりにくいと思うので、比較対象に筆者とのツーショットも貼らせてもらおう。

ミニっていうか、コレこそがレギュラーサイズでしょ!?


それから2分後、満を持して届けられた “レギュラーサイズ” のかき氷がコチラである。

うっひゃぁぁ~~っ! デカすぎるっ!!!!

ただでさえ大きかったミニサイズの3倍ぐらいはあろうか。両手でなければ持てないほど、まるで槍ヶ岳のようにこんもり積まれたかき氷。それを崩さないようスタッフさんがゆっくり慎重に持ち運んできたのを見た時は、なんだか笑ってしまった。


オールドかき氷しか知らなかった筆者にとって、カロリーもサイズも完全にカルチャーショック。驚いたり笑ったりと早くもテンションが上がり、むしろココスの中の方がお祭り騒ぎであるように感じてしまった次第である。

こりゃあ、食べる前から金額分のモトはとれたってぐらいに楽しくなってきたぞ!


・もちろん味も最高!

はじめはサイズだけに気を取られがちだったかが、落ち着いて見るとココスのかき氷は非常に豪華である。

言い忘れていたが、筆者が注文したのは『純氷ふわふわかき氷 しろくま』。鹿児島名物のしろくまをイメージして作られた今季の看板商品だ。

かき氷には本家しろくまと同様、さくらんぼやキウイといったトッピングが7種類もちりばめられて超豪華。商品写真に遜色なく……というか、むしろ商品写真よりボリュームがあるように見えるのも 嬉しいポイントだ。


ちなみに 冒頭で気になった純氷とは「‐10℃前後で48時間以上かけて凍らせた氷」を差すそうで、透明感があり硬くて溶けにくいのが特徴ということ。

実際 薄く細かい氷であるにも関わらず 溶けずに形を保っていて、口に運ぶとフワッとした雪のような食感がたまらない。

もちろん味も最高。コンデンスミルクがたっぷりかかっているし、ホイップクリームも甘くて夢心地。かき氷っていうよりもアイスみたいな食べ応えだ。


唯一苦戦したのは、バランス。食べ進めると崩れるため終盤のジェンガのように慎重にすくう必要があったが、逆に言うとそれだけ豪華に盛り付けられてるってことなのだ。

うぅーん、なるほど。かき氷に869円&770キロカロリーって驚いたけど、こんなに “スイーツ” なら納得だ。氷で作られたパフェみたいなイメージなのかもしれないな!


・追いソースは必須です

ザクザクと食べ進め、後半戦。下へ行くほど太くなっていくかき氷の直径に「飽きてきたな」という気持ちが浮かんでは消えるようになってきた。


そこで活躍したのが、追いソース(コンデンスミルク)である。

食べ始めた時は正直「こんなに追いソースいらないでしょ」と思ったのだが、大きな間違い。溶けて薄まった味をシャキッと取り戻し、マンネリの向こうから新鮮な気持ちを取り戻すのに一役買ってくれた。


またトッピング(特にあんことホイップクリーム)は、味チェンジにも最適。

口の中が和に行ったり洋に戻ったりと反復横跳び。たまにりんごをかじれば「シャクッ」とフレッシュな果汁も味わえ、ココスのかき氷だけでなく、原型となったしろくまの優秀さにも気付かされることとなった。


総評してレストラン、いや、ココスの純氷かき氷には大満足。気持ち的にも味的にも、昔ながらのかき氷にはあり得ない刺激と幸福感を味わわせてもらえたなぁ。

おかげで多少高価でもハイカロリーでも、スイーツ系のかき氷は大いにアリだと学べたのでした。ココス先生、ありがとうございました!

参考リンク:ココス「純氷ふわふわかき氷フェア」
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.