ピエール・エルメと聞いてピンと来る人は少なくないだろう。フランスのパティシエの名であり、その名でパティスリーショップを展開しているピエール・エルメ・パリ(PIERRE HERMÉ PARIS)だ。中でも有名なのはマカロン。

ちょっと高いけれど見た目も奇麗で、なにより美味しい。そして最近は甘いものだけでなくさまざまに展開しているようで海苔や米、ピクルスやドレッシングなども販売しているのだ。

イメージとはややかけ離れるが、あのピエール・エルメならば絶対に美味しいう安心感がある。迷うことなく購入してみたが、予想をはるかに超える味わいだったのでこの場を借りて報告したい。


・あのピエール・エルメなのか

繰り返して申し訳ないが、ピエール・エルメのマカロンはその美味しさゆえに大人気。デパートの甘いもの売り場でもいつも、ひときわ目立っているように思う。

記者は最近、何度か同店のケーキを購入してみたのだが、そちらもまた巨大マカロンな感じの味わいでしかしケーキらしさもありつつで、大満足だった。

そんな訳で信頼しかないのだが、ある時、白地にカタカナで『ピエール・エルメ』と書かれた看板を目にして店内に入ってみると、米や素麺が売られていた。

あのピエール・エルメがこんなにも和なものは売らないだろうと、違うピエールさんだろうなと、たいして気にすることなく店を出て少し時間が経った。

しばらくして再びその店の前を通り、いやはやしかし特徴的な名前だし、もう一度確認しようと入店したところで和な雰囲気のマカロンを発見。

これはそのピエール・エルメかもしれないと検索したところビンゴ。なんでもカタカナ表記の『ピエール・エルメ』というブランドは、かのピエールさんが選りすぐった日本の素晴らしいものを日本から世界へ発信するブランドなのだという。正式名称は「Made in ピエール・エルメ」というようだ。

マカロンやケーキを売っているパティスリーの『PIERRE HERMÉ PARIS(ピエール・エルメ・パリ)』とはまた別ラインらしい。

それならばと、すぐさま目の前にあった「ピクルス クラウンメロンベビーきのこ&トマト(税込1566円)」と「ジンジャードレッシング(税込756円)」を手に取りレジに向かった。



・全部美味しい

しかし何故そんなに和に寄せているのだろうかと不思議だったが、どうやら「ピエール・エルメ・パリ」のブランドの第1号店を日本に選んでくれているほか、来日の度に日本各地の生産者のもとへ足を運ぶなどしておられる模様。

食べることばかりに夢中で背景などこれまで知らなかったのだが、そもそも日本との縁が深いようだ。そこまでならば、迷わず米を買っておけばよかったと後悔。

せっかくのピエール・エルメ商品、普段は味わえなさそうなものをと、今回はピクルスなどにしてしまったが仕方がない。米は次回の楽しみにしておこう。

気を取り直し、まずはピクルスを開封だ。瓶詰めされているが、瓶の底にはみじん切り状態のさまざまな野菜が沈んでいて色鮮やか。クラウンメロンときのこがしっかり漬かっている。


お皿に取り出してみると思った以上に、中身が詰まっていたことが判明。食欲をそそる酸味とローリエの香りに誘われて、まずはクラウンメロンをいただく。


メロンと付くのでもったりした甘味があるかと想像していたが、ピクルスに相応しいサッパリ具合だ。そう言えばメロンはウリ科だもんな、と思いながら噛みしめる。


酸味と甘みと、食材そのものの旨味と全てがバランス良く、とにかく美味しい。これほど完成度の高いピクルスは、しかも難しい食材を使って、なかなかお目にかかれないのではないだろうか。

一気に食べてしまっては申し訳ない上品さがあり、これはワインでも片手にチビチビいきたいなと思った次第である。


そしてよりびっくりなのがドレッシングだ。旨味がぎゅーーーっと詰まっていて、とにかく美味。なんにかけてもハズレなしに違いないが、もったいないのでそのまま少しずつ舐めていたい気持ちになってくる。


生姜だけでなく玉ねぎなどの香りもしてベースがしょう油なので一見、和風ドレッシングのようだが、どことなく洋風っぽさもある。これはパスタなんかにも合う味だと確信し、作ってみることにした。



・ドレッシングをパスタに使ってみる

具は何でも良いのだが、今回はしゃぶしゃぶした豚肉とアボカド。それらを混ぜ合わせドレッシングをかけて冷やす。その間に麺を茹でて先ほどの具材の中にドボん。


オリーブオイルと塩コショウを加え、しっかり混ぜたら完成である。ドレッシングを思い切り使っても良かったが、すぐに無くなってしまうと悲しいので、オリーブオイルを加えてみたのだ。

適当オリジナルレシピだが、大正解。単体でドレッシングを舐めた時よりもさらに爽やかさが増して、また生姜の香りも高くなって最高だ。


上記のように和でもあり洋でもある味なので、具を和えるのはパスタ麺でなく米でも美味しかっただろうなと食べ終えた後に思ったりもした。

「ジンジャードレッシング」というどこにでもありそうなネーミングからは想像ができないほど複雑で、しかしシンプルにまとまっていて、言うことがない1本だ。

こうも素晴らしくバランスが取れたドレッシングであれば、使い方は無限大だろう。これは1本では足りないし、ピクルスも買い足したいし、そのほかの商品も気になる。

これは再び『ピエール・エルメ』の店舗に行く日も近いだろうと確信している。

参考リンク:ピエール・エルメ
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼ピクルスもドレッシングもとにかく美味……!! 

▼いろいろ入っています

▼なんにでも合うのですぐに無くなりそう