今回紹介するイヤホンは、あのタワーレコードのオリジナル製品である。CD・レコード販売チェーンのあのタワレコだ。まさか、イヤホンを出していたとは!? 読者にお教え頂くまで気づかなかった。
CDショップ大手ということは、音楽に精通している。つまり音にもうるさいはずである。こりゃ音質に期待できるぞ! ってことで、購入してその音を聞いてみた。
・タワレコのイヤホン
タワレコは以前からオリジナルイヤホン・ヘッドホンの販売を行っており、今回私(佐藤)が購入したのは、2018年に発売したインナーイヤーヘッドホン(MD01-3904)である。購入価格は税込1408円だ。
箱には製造、販売元に「タワーレコード株式会社」と記されているので、間違いなく完全オリジナルである。
アルミボディで内部はアルミハウジングを採用している。再生周波数帯域は20~2万ヘルツ。このくらいの価格帯の一般的なイヤホンと同等と見ていいだろう。
中身は本体とイヤーピースが3サイズ(M・S・XS)。そのほかに付属品はなく、ごくシンプルな製品構成だ。
イヤホンのお尻には、右に「TOWER RECORDS」、左には「NO MUSIC,NO LIFE.」と記されている。「NO MUSIC,NO LIFE.」、いつ見ても良い言葉だ。
このイヤホンを購入するために、久しぶりに渋谷のタワレコを訪ねたのだが、昔と比べて品揃えがずいぶん変わったと感じた。1階には推し活グッズが大量に置かれている。これが今の音楽の聞き方なのだろう。
私の思うタワレコは、知られる洋楽と出会える場所だったのだが、それももう昔の話。今は今なりの「NO MUSIC,NO LIFE.」なのかもしれない……。
さて、話を戻そう。購入したイエローのモデルには赤のイヤーピースがついている。配色はタワレコらしくて良い。ちなみにブラックのモデルも販売していて、そちらのイヤーピースはブラックだ。
装着するとこんな感じだ。着け心地は悪くない。可もなく不可もないといったところである。
・聞き比べ
今回の検証材料はシカゴの「Saturday in the Park」である。先攻の「ハイユニット HSE-A1000(PK)」から聞こう。
この曲はシカゴの創立メンバーのロバート・ラムが、セントラルパークの光景を見て作り上げたものだ。冒頭のピアノの軽快なリフで始まり、次第にブラスセクションが加わって陽気に曲が盛り上がっていく。人々でにぎわう週末の公園の様子が目に浮かぶ。暗に反戦のメッセージが込められているとも言われているのだが、その暗さを感じさせない明るい曲だ。
ハイユニットは複雑な構成の音の1つひとつを丁寧に再現している。とくに曲をけん引するドラムの音が明瞭で、思わず身体をゆらしたくなるようなごきげんな音である。
続いてタワレコの方でも聞いてみよう。
こちらは中音域の音が際立って聞こえる。ボーカルは聞きやすいのだが、とにかくその音域の音が耳に障り、昔のラジカセで聞いているようだ。
個人的に私は高音・低音が強めのいわゆる「ドンシャリ」が好きなので、中音域が前に出る音は好きではない。しかも1408円という高額な割に、この音はちょっと……。
ということで、順位の変動はなし!
1.アルペックス(Hi Unit)「ハイユニット HSE-A1000(PK)」 税込712円
2.JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」 税込821円
3.DENON「AH-C260」 税込927円
このランクは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。
参考リンク:タワーレコード
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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