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【格安イヤホン探訪】強低音! ヨドバシオリジナルのイヤホン(1480円)を聞き比べたら、初の3位決定戦開催へ

2024年7月11日

安くて音質の良い有線イヤホンを探し求めるこのシリーズ。有難いことに、 最近は「これの音を聞いてください」とリクエストを頂けるようになった。順次、買い求めて音を聞いてみたいと思うので、リクエスト頂いた皆さんはしばしお待ちを。

さて、今回は大手家電量販店の「ヨドバシカメラ」のオリジナル製品の音を聞いてみた。これが意外と侮れず、順位変動をかけて現在3位の製品と「3位決定戦」を開催する事態となった。

・ヨドバシオリジナルのイヤホン

今回購入した製品はヨドバシオリジナルの「インナーイヤー型イヤホンマイク」(税込1480円)である。

家電量販店らしくわかりやすい製品名がついている。パッケージの表に小難しい説明はなく、音楽に関心のない人でも手に取りやすいように、専門的な文言はあえて省いているのだろう。


箱には製品のみが入っている。インナーイヤー型なのでイヤーピースは付属していない。


リモコン部にはマイクと音量のスライダースイッチ。それから音楽プレーヤーの再生・停止・曲送り・曲戻しを操作するファンクションボタンがついている。


イヤホンそのものについて、まずひとつ評価したい点がある。内側に右左を識別する「R」「L」が記されているのだ。


他の製品のほとんどは、R・Lの文字がめちゃくちゃ小さくてどこに書いてあるかわからないんだよね。このくらいデカく書いてもらえると、老眼の身としては本当に助かる


装着すると、まあまあ収まりがいい。とはいえ、私(佐藤)はカナル型派なので、インナーイヤー型は落ち着かないんだよな……。



・聞き比べ

今回の検証の曲は、1960年代後半から70年代に活躍した、イギリスのロックバンド、プロコル・ハルムの「青い影」である。

いつもと同じく、まずはJVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」で聞いてみよう。


この曲はバンドの代表曲だ。クラシックの要素を取り入れたゆるやかなバラードで、いわゆる「カノン進行」(循環のコード進行)の上を、ハモンドオルガンの美しい旋律が流れていく。

その曲調とは裏腹に、歌詞は男女の痴情(ちじょう)のもつれについて綴られている。決していい話ではなく、むしろそうであればこそ、美しいメロディが切なく聞こえるのだが……。

さて、HA-FX6-Tは繰り返しお伝えしているように、バランスの良い製品である。オルガンの軽やかなメロディと豊かなベースラインを、同時に心地よく聞かせてくれる。何もかもがちょうど良い音量で耳に入ってくる


続いて、ヨドバシオリジナルでも聞いてみよう。


正直、聞くまでは量販店ブランドということで、ほとんど期待していなかった。実際に聞くと、低音の鳴りが強い。ベースラインはまるで楽譜をなぞらえているかのように、鮮明にその音の1つひとつを聞き取ることができる。

その一方で、高音域は一応しっかり分離できているものの、低音の強さにやや負けている。全体的にHA-FX6-Tには劣るが、もしかしたらランク入りしている他の製品には勝るかも?



・3位決定戦!

ということで、急きょ3位決定戦開催! ひょっとすると、現在3位のナガオカ「ハイレゾ音源対応イヤホン P908IB」(税込1298円)よりも良い音かもしれない。

ってことでナガオカでも聞いてみた。


この製品は、ヨドバシオリジナルと対局的な音質のモデルだ。というのは、こちらは高音の音鳴りがすごくて、再生周波数帯域が5~8万ヘルツである。人間の可聴帯域が20~2万ヘルツと言われているので、その領域をはるかにぶっちぎっている。

したがって、高音の聞こえがハンパないわけだが、1967年リリースのこの曲には割としっくり来ている。古いレコードでも聞いているようなシャーッ! というホワイトノイズを彷彿させる味のある音だ。

だからといって、こっちの方がヨドバシより優れているとは言いにくいので、サドンデス!


・サドンデス

私が普段好んで聞く、オスカー・ピーターソン・トリオの「You Look Good To Me」をそれぞれのモデルで聞いてみるとしよう。

これはピアノ・ドラム・ウッドベースで構成されたシンプルな曲で、イントロでトライアングルと弓弾きのウッドベースが左右わかれて鳴っている。そこだけ聞けばそれぞれの音の具合がわかるはず。


ナガオカで聞くと、ベースの音がめっちゃフワフワと浮いている。やはり高音シフト型のイヤホンには、この手の曲は苦手と見える。豊かな低音の再現は無理だったか……


続いてヨドバシオリジナルで聞くと……。


こちらはしっかりベースが聞こえるが、全体のトーンが重い。かろやかな曲調にも関わらず、もったりとした重さがある。


う~ん、両極端! 真反対の特性を持つ2つのイヤホンを比較するのは非常に難しいのだが、結論が出た!!



3位決定戦の勝者はナガオカとします! 理由は価格。一応「低価格イヤホン」の比較なので、安い方のパフォーマンスを評価したい。よってナガオカ(1298円)の方がヨドバシ(1480円)よりも上としましょう。

つまり今回も順位変動はなしだ。


1.JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン 税込821円
2.セブンイレブン(JVCケンウッド)「HA-FX711F-B 税込1207円
3.ナガオカ「ハイレゾ音源対応イヤホン P908IB 税込1298円


このランクは随時更新していきたいと思う。皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。

参考リンク:ヨドバシカメラ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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